「小説・火ノ国銀行」第二弾が発売され、初版一万冊が売り切れ、早くも増刷の情報が入ってきたので、現地の取材を兼ねて九州新幹線で熊本を訪ねた。
新幹線が博多駅を離れると僅か30分で熊本に着き、数十年前国道3号線を車で走って久留米でラーメンを食べ、八女でお茶を飲み、そして植木でスイカを食べたのが随分遠い昔になってしまったのを、九州新幹線で改めて自覚させられた。
繁華街の大きな書店を廻ってみると、火ノ国銀行第二弾の横に第一弾が並べてあり、何処の書店でも売れ行きは好調で、書店の店員が笑顔で答えてくれたのは何よりの証であった。
ロータリーやライオンズのメンバーに会うと、公の場では取引のある肥後銀行に遠慮して話題にはならないが、親しいメンバー同士の会話では、肥後銀行に対するかなり強烈な批判も聞かれると言う。
肥後銀行は地元経済界にあって殿様で、第二地銀の熊本ファミリー銀行との格差は歴然としていたが、最近の肥後銀行は士気が低下し、融資の提案にしても中小企業の苦しさを知っている、熊本ファミリー銀行の行員は親身になってくれ、取引先に地殻変動が起こる兆しも窺えた。
取引先の中には、肥後銀行に対して恨みを持っている経営者も多く、過去に行った融資の内容について、不祥事の数々を列記した内容の第三弾を、企画してくれと相談を受けたのには驚き熊本を後にした。
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福岡県民新聞61号 - 2012年1月号