カテゴリーアーカイブ: 福岡の政治経済

こういうのを嘘つきと呼ぶ

自民党の支持率が下がり 維新も大阪万博の無駄遣い問題で失速、存在感を増す千載一遇のチャンスなのだが、立憲民主党に失望する声が上がっている。

立憲の岡田克也幹事長が、11月26日のNHK「日曜討論」で「物価高対策として消費税の減税というのは考えられない」と発言、その後 28日の定例記者会見で、発言の趣旨を、「今回の物価対策として消費税の減税は考えられない」「法改正等を要するため短期的な経済対策としてなじまない」と釈明した。

「今回は時間がかかるので考えない」と受け止めるが、昨年7月の参議院選挙における立憲の公約には、「消費税を時限的に5%減税」と明記していた。
選挙後もあらゆる生活用品の価格が上がり、大多数の国民の可処分所得は下がっている。

「公約の実行、いつやるの?」「今でしょ」という声が聞こえてきそうだが、立憲が 消費税減税をやる気がないことが明らかになっている。
というのも、泉健太代表が 11月11日、次期衆院選公約の原案となる経済政策「人からはじまる経済再生」を発表しているが、そこで「消費税を時限的に5%減税」は削除されているからだ。

結局 消費税減税はやらないということらしい。

これについて、泉代表は、「今は需給ギャップが大きいとかコロナで消費が痛んでいるという環境にないので、消費税5%減税という局面ではない。撤回した訳ではないが、今それを訴える状況にはない」と説明している。

こういうのを 嘘つきと呼ぶ。
堂々と公約破りをするようでは立憲への支持は広がらないだろう。


立憲民主党ホームページより

年内退陣で茂木総理誕生?

永田町界隈では「岸田は既に詰んでいる」として、年内か、遅くとも来年4月までに退陣という話が出ている。
問題は次の総理、麻生副総裁が推す茂木幹事長は「次はオレの番」と笑いをこらえ切れないご様子。
一方で 菅氏と二階氏は河野氏推しで 既に 水面下で綱引きが始まっているとか。

こうした中、自民党を揺るがす派閥の政治資金パーティーの収支をめぐる問題が浮上、安倍派と二階派が標的になっているが、この時期になぜという疑問がわく。
ポスト岸田選びにおいて、結束力に陰りはあるが 何と言っても最大派閥、安倍派の支持があってほぼ決まる。

今回立件も視野に特捜が動いているとの報道もあり安倍派の政治家は気が気でなかろうが、安倍派が ポスト岸田を茂木氏で同意すれば捜査は終わるという声もある。
無論 そうなれば誰が特捜を動かしているのかがはっきりするが。

ところで、2日には福岡市内のホテルで、高市早苗経済安全保障担当大臣の講演会が開催され、1000人以上が集まり人気の高さを印象づけた。
閣僚として 経済安全保障の話に終始したが、周囲からは次の総理を期待する声が聞かれた。

岩盤保守層の支持を取り戻すなら高市氏が 党の顔に相応しいが、仮に今回岸田総理が退陣して首班指名がある場合は 党員投票はなく、永田町だけで決まるので高市氏は分が悪いだろう。

年末に向けて 岸田総理退陣があるのか、茂木総理が誕生するのか、政局から目が離せなくなってきた。

国民の金はわしのもの

福岡県選挙管理委員会が29日、政治団体の収支報告書を公開した。
国会では 自民党派閥の裏金疑惑などが問題視されているが、これから話す 県内の某政治家のケースも かなり悪質と言えるかもしれない。
法をすり抜ける上手さはどこかの副議長と同じだが、こんなことが許されるていいものか、特に この政治家に関わりのある方にはよく考えて頂きたい。

登場するのは 元県議会議員の吉村敏男氏、立憲民主党福岡県連の顧問を務め 佐々木允県議を副議長に押し上げた立役者、また「九州の自立を考える会」の副会長を務める人物だ。
吉村氏は平成31年4月の県議選で落選後、今年の統一地方選にも出馬はしなかったが、現在も自身が代表を務める後援会を維持し、公式ホームページも存在するので まだ政治家と言ってよいだろう。

→ 元福岡県議会議員 吉村敏男 ホームページ

下図は 令和4年分の吉村敏男後援会の収支報告書であるが、前年からの繰越額 832万3612円という額に注目してほしい。
国会議員でも 現職の県議でもないのに、これだけの額を後援会にプールしていることに驚きだ。

あまり知られていないが、政治団体を解散した場合、そこにある残金の報告義務はあるが その行き先について追跡する法的な規定はなく、大抵の場合、政治家個人の懐に入る いわゆる臨時収入になる。
後援会の資金は 政治家本人が寄附として入金することが多いので、解散時に本人に戻るという流れに、そこまで目くじらを立てることもないという考え方もある。

だが、吉村氏の場合、その金額の大きさ、入手した経緯が 看過できるレベルではないのだ。
令和4年分で 次年度繰越金として 772万9002円を計上、仮に 後援会を解散した場合、吉村氏の懐に入ることになる。

解散時の残金の行き先を届け出る仕組みになっていないのは 法の盲点と言える。
税務署が把握しなければ 税金もかからない。
与野党含め 国会議員はそのことを じゅうぶん承知しているが、故意に放置しているという指摘もある。
知り合いの国会議員に尋ねてみたらいかがだろう。






平成24年に民主党が下野して以来、「民進党」になったり「維新の党」やら「希望の党」が出てきて、今振り返っても理解することは容易ではない。
ここでは、どうやって吉村氏が後援会にこのような大金をプールしたかについて説明するが、ひとつ言えるのは 政党の離合集散のどさくさで、偶然 大金がそこに出現し、それを動かせる立場にあったということである。

平成29年10月の衆院選直前、福岡県では 当時「民進党」の現職衆院議員の城井崇氏と稲富修二氏、浪人中だった緒方林太郎氏らが離党して「希望の党」入り、一方で「希望の党」から排除された山内康一氏は枝野幸男氏が立ち上げた「(旧)立憲民主党」に参加、その後、参議院議員の野田国義氏も「(旧)立憲民主党」に合流した。
その結果、「民進党(同30年6月に(旧)国民民主党に名称変更)」福岡県連にとどまった国会議員は 参院議員の古賀之士氏だけになり、本来国政選挙に使うはずだった 潤沢な資金(約2億円)が残されたという経緯がある。

当時の「(旧)国民民主党」県連会長は吉村氏、その資金を仲間で合法的に山分けすることを決め、他の国会議員・地方議員らも損をする話でもなかったので その決定に従っている。
資金の流れを見て行くと、旧国民民主系の国会議員(城井氏、稲富氏、古賀氏)はじめ 地方議員に幻滅してしまうほど低レベルな内容である。
今回はそこには触れないが、中心人物の吉村氏が行った資金移動について、明らかにしておきたい。

前述の様に 同31年4月の県議選で吉村氏は落選、県議という身分を失ったが「(旧)国民民主党」 第8区総支部(直方市、飯塚市、嘉麻市、中間市、宮若市、遠賀郡、鞍手郡、嘉穂郡)の総支部長を辞任せず 居座り続けていた。

令和2年8月19日、「(旧)国民民主党」の党本部は、解党し「(旧)立憲民主党」と合流して 新党結成を決めた。
それに応じ、同年9月末までに「(旧)国民民主党県連」はじめ 各衆院選挙区の政党支部も、政治団体の解散届を提出している。

下の図は、県が公表している「(旧)国民民主党」第8区総支部が 同年9月28日に解散届と同時に提出した収支報告書である。
収入と支出の金額が1034万9775円なので 総支部の残高は0円だが、寄附・交付金として 912万2812円を支出していることが分かる。

いったいどこに寄附したのか。
もうお察しの通り、寄附の相手先は 吉村敏男後援会だった。

福岡県公報 令和3年3月26日
第186号増刊1 [PDFファイル/2.17MB] 13頁






令和2年8月31日付で、「(旧)国民民主党第8区総支部(飯塚市若菜52-1)」から「吉村敏男後援会(飯塚市若菜52-1)」に 912万2812円の資金が移った。
同住所の建物内で右から左への資金移動、名目は 政党支部から後援会への寄附である。
寄附とは、一般的に「公共の利益のために自身の金品を差し出すこと」を指すが、私たちの知らない もっと幅広の解釈があるようだ。

吉村氏は(旧)国民民主党第8区総支部で 自身が代表 兼 会計責任者を務めていた。
自民党の国会議員のように多額のパーティー券収入がある場合は別だが、野党議員の場合、後援会活動の収入の殆どは 自己資金か政党からの寄附金で、政党からの寄附金は「政党助成金」が 元になっている。
つまり、国民の税金が原資である。


令和2年分政治資金収支報告書
福岡県公報 令和3年11月30日
第254号増刊1 [PDFファイル/1.13MB] 112頁

 自身の後援会に 912万2812円を資金異動させた翌年、令和3年分の収支報告書では、収入は前年繰越額の 857万3050円のみ、自己資金や政党からの収入はなしで、事務所費として 24万9438円を支出し 前年入金した資金から支出している。

令和3年分政治資金収支報告書
福岡県公報 令和4年11月29日
第353号増刊1 [PDFファイル/1.01MB] 104頁

同じく令和4年分の収支報告書()では、収入は前年繰越額の 832万3612円のみ、自己資金や政党からの資金移動はなしで、事務所費として 59万4610円を支出している。
翌年への繰越金は772万9002円、(旧)国民民主党から入手した金を自身の後援会の事務所経費として使い続けている。

「国民の金はわしのもの」というタイトルは、(旧)国民民主党の資金を 我が物として使っているという意味ではなく、原資が国民の税金、政党交付金を我が物にしていることを指している。

そもそも、政党が政党交付金として国からもらった資金は、その政党の政治活動に使われなければならない。
党が解散して他党に合流する決定をしたのであれば、党に残った資金は 国庫に返納するか、合流する党に移動させるのが筋だろう。

ところが、(旧)国民民主党の県連会長の吉村敏男氏は、令和2年の解散時に残った資金を国庫に返納せず、立憲民主党に持ち込むこともせず、そこにいる 国会議員(城井崇氏、稲富修二氏、古賀之士氏)と地方議員で山分けする方針を決めた。(これについては別途報じる。)
そして、自らが代表と会計責任者を務める(旧)国民民主党第8区総支部に残った資金 912万2812円を自身の後援会に移し、使い込んでいる状況だ。

この厚かましさはとても真似できるものではない。
完全に国民の感覚とずれている。

そう言えば、佐々木允県議を県議会副議長に押し上げたのも立憲民主党に入党させたのも 吉村氏と言われている。
10月11日に行われた 佐々木氏の副議長就任記念祝賀会で、佐々木氏は 吉村氏を「私が新人の頃から 県議会の有り様を教え導いて下さっている」と紹介、強固な師弟関係であることを披露した。

この言葉に全てが集約されていると思われる。
こうした人物が 立憲民主党福岡県連の顧問であり、九州の自立を考える会の副会長を務めていることから、これらの団体の信頼が低下するのを心配する声が出始めている。

県議が県道用地取得に担保提供

弊社記事「政務活動費を姻族へ、これってOK?(2023年10月12日)」では、福岡県議会の佐々木允副議長の姻族が設立した会社が土地建物を購入し、佐々木氏が県議事務所として入居、以降 家賃月額18万7000円を支払っているが、そのうち半額の 9万3500円を政務活動費から充てていると書いた。

その続編だが、資金の出所について調べたところ、県道予定地の買収にも 佐々木氏とその家族が間接的に関わっていたことが分かった。

まず 、姻族の会社は T社(仮称)という商号で、設立は平成29年5月19日とされる。
本店住所は 当初、購入した建物の住所(田川市大字伊田4510-6 佐々木県議の事務所)で登記されていたことから、佐々木氏が同社の設立に深く関与していたことが推測される。

下図は T社が購入した建物の「所有権以外の権利に関する登記事項」の写しであるが、平成29年6月23日に T社が 金融機関から融資を受けたことが分かる。
一般の我々に「根抵当権設定」というのは馴染みのない用語だが、ここでは「共同担保目録第2052号」に記載された資産を担保に設定することで 「最高2880万円を限度に金融機関から借りることができる」という意味になり、万が一 T社が破産した場合はそれらが差し押さえられることになる。

その後、6月29日受付で本店住所移転と同時に 根抵当権極度額が 7700万円に変更され、更に 9月21日付で 極度額が 9100万円に変更されている。
平成29年に設立したばかりの会社に、金融機関が 1年3ヵ月で 9100万円もの資金の融資を決めており、相応の資産が担保として差し出されたことが考えられる。



金融機関から融資を受ける代わりに T社が差し出した担保「共同担保目録 第2052号(下図)」について解説する。
まず、同目録の左の列の番号 1~5 は、平成29年6月23日に T社が土地建物(田川市大字伊田4510-6、現佐々木県議事務所)を購入した際、極度額2880万円で根抵当権が設定されているが、取得した土地建物を担保に入れている。

続いて 番号 6~7、これは 同30年6月29日、根抵当権極度額が 7700万円に変更された際に、追加で差し出された担保である。
この日、T社は 県道田川直方線延伸のルート上にある ㈱上田自動車の土地建物(田川市大字伊田3565-1)を購入しており、ここでも取得した土地建物を担保に入れている。

上田自動車の土地が 県道延伸のルート上にあることは分かっていたので、上田自動車の経営者が直接 福岡県に売却すれば良かったが、同社は経営不振で売却先を探していた。
その情報を佐々木氏がキャッチし、T社が購入することになったと推測される。
ここまでは さほど問題はなさそうだが、番号 8~22 の内訳を見ると かなり違和感を覚える。

上田自動車跡の土地建物を購入して  3ヵ月後の 9月21日、この時 根抵当権極度額が 9100万円に変更されている。
担保設定(番号 6~7)されている上田自動車跡の土地建物は、県道用地として売却するためには担保を外す必要があった。

当然、その代わりになる資産を差し出さなければならない。
そして、なぜか T社は 同日付で 佐々木氏の父親が所有する土地(番号 8~16)と母親が所有する土地(番号 17~21)を購入し、それら担保に入れている。

そしてもう一つ、T社が 佐々木氏が所有する建物(番号 22、田川市大字糒824-13)を、所有権はそのままで 担保に入れていたことが判った。



T社が購入した物件に設定された根抵当権の「共同担保目録2052号」について、簡単に整理すると下図のようになる。
T社は3回にわたり不動産を取得、個別の取り引きに見えるが、3回とも同じ金融機関の融資を受け、一つの共担目録に記載があることから 関連していることが分かる。

ある現職政治家は、政務活動費を充当している事務所の物件取得、及び県道用地取得に関する共担目録に 佐々木氏所有の建物があることが一番問題と指摘する。
T社が破産した場合、佐々木氏所有の建物は差し押さえられる。
裏を返すと、佐々木氏所有の建物がなければ、T社の不動産取得は成り立っていない。



まず、佐々木氏の県議事務所の土地建物について。
T社は 同事務所の土地建物を維持していくのに 家賃収入(月額18万7000円)を得ているが、そのうち 9万3500円は政務活動費から充当している。
平成29年8月から6年余で 少なくとも700万円の政務活動費が充当されてきた計算になるが、このおかげでT社の経営は成り立ち、佐々木氏所有の建物が差し押さえられずに済んでいるという考え方もできる。

県議会の政務活動費使途基準に反していなければいいというものではない。
原資は県民の血税、それが政治家本人や家族や身内に還流していないと言い切れるかが問われている。



次に、県道用地となる上田自動車跡の土地建物について。
佐々木氏は、田川直方線延伸整備促進期成会の顧問を務め、選挙前の討議資料にも「田川直方バイパス延伸を後押し」「第1期工事の増や工事着手に向けた予算確保に奔走。大きく予算を拡充」と地元貢献をアピールしているが、地元県議としていち早く情報収集できる立場にあった。

T社が同土地建物を取得し抵当に入れた3ヵ月後、抵当から外す代わりに、佐々木氏が所有する建物を担保に差し出した。
不動産の専門家は、「この土地が、県に売却予定で担保を抹消する必要があるというのは分かっていたはずで、金融機関と佐々木氏らとの間で 代わりの担保を差し出すことで、話がついていたと考えるのが自然」と話す。

用地を購入したのは姻族の会社(T社)だが、その担保不足を佐々木氏が補ってやった。
期成会の顧問を務める現職県議が、バイパス延伸を後押しして大きく予算を拡充し、姻族の会社の県道用地買収を資金面で手助けしたという構図である。
いったい誰のために予算確保に奔走したのか疑問がわいてくる。



この土地取引の中で、公職選挙法違反逃れがあったと指摘する声がある。

繰り返しになるが、T社の設立は平成29年5月19日、代表者の住所は糟屋郡須恵町であるが、会社設立当初、本店住所は 田川市大字伊田4510-6で登記されている。
同年6月23日、T社は 前所有者から 同住所の土地建物を取得した。
それが 現在の佐々木氏の県議事務所で、佐々木氏のブログには 同年8月に入居したと記されている。

そして、約1年経った 同30年6月1日、T社は本店住所を 田川市から須恵町の自宅に移し、そして同じ月の 6月29日に 上田自動車跡の土地建物を取得、本店移転と土地建物取得は6月29日で登記している。



T社については 上記3回の不動産以外に取得した形跡がなく、それらの物件は全て田川市内にある。
会社設立の主目的は「不動産管理」なので、本店は田川市にあった方が利便性が良いはずだ。
なぜ 土地建物を取得した日と同じ 6月29日の登記受付で、T社が6月1日に須恵町の自宅に本店移転の事実を作らなければならなかったのか。

それは、公職選挙法に抵触する可能性が高いと判断したからではないかと言われている。
法律では、選挙の有無に関わらず、政治家や政治家が関係する団体が、選挙区内の人や団体に寄附を行うことが禁止されている。
今回、T社が取得した土地建物の担保に、佐々木氏が所有する建物が差し出されているが、T社の本店住所が田川市だと 選挙区内の団体への寄附行為と見做される可能性が極めて高い。

佐々木氏がこれを回避するために、T社が急遽本店を移転することに協力したと見られても仕方がないだろう。



佐々木氏の政務活動費の支出や、県道予定地に関連して姻戚関係にある企業への担保提供について、県議会の事務局に適正かどうか尋ねてみた。
「『道義的な適否』については、政務活動費制度では特に問題とはしていない」、「当議会のルール上、(担保提供などの)行為を禁じる規定が現状では存在しないため、いいとか悪いとかは言えない」との回答だった。

昨日今日と地元紙が政治資金収支報告書の公開について、県議会からの圧力があったことを報じたばかりだ。
現在 佐々木氏は福岡県議会を代表する副議長という立場、個人だけの問題ではなく、県議会として政治倫理に対する姿勢が問われている。

以前も紹介したが、あらためて 佐々木氏のチラシ(平成31年4月の県議選前に配布された討議資料)を読んでみたい。

「県議会議員には多くの権限があり、発言や行動は、地域に大きな影響を与えます。政務活動費の不正や 汚職事件、そして不誠実な態度は、政治の不信と疑念を増幅させています。」とある。
県議会議員に多くの「権限」があるかどうかは別として、県政の情報をいち早く取得できたり、県の幹部や職員に要望を直接伝えられる立場にあるのは事実だ。



このチラシ配布時には 一連の不動産取り引きや担保設定は終わっていたので、ここまで堂々と書けるということは、やましいことをしたという意識はないものと想像する。
この連載では、T社の土地売買の登記情報を元に客観的に報じてきたつもりだが、佐々木氏の言い分もあるだろう。

今後は 佐々木氏が、
・T社が 法の抜け道のためのペーパー会社ではないこと
・政務活動費が姻戚関係者に還流していないと言い切れるか
・県道予定地の取得と自身の建物を担保に提供したのは無関係であること
・T社の本店移転が公職選挙法違反を逃れるためではなかったこと
などを 集会やブログ等で有権者と県民を説明し、政治倫理上 問題がないと納得させられたらそれで良いだろう。

説明責任を果たさなければ、佐々木氏がチラシで述べているように「不誠実な態度」と取られ、県議会や立憲民主党に対して「不信と疑念が増幅」し、火の粉が飛ぶことになるだろう。
佐々木氏におかれては、「利権や自己の利益に執着した政治ではなく、清潔で誠実な政治をつむいでいくことの大切さ」を示して頂けるものと期待している。

ー ひとまず 了 ー

忘年会シーズンを前に。

福岡県は、男性職員(45)が職場に酒気帯びの状態で車で通勤したとして、停職3ヵ月の懲戒処分にしたことを発表した。
役所だけあって厳正に対処せねばならず 警察にも通報、その後書類送検されるも不起訴となっている。

前日のアルコールが残っていたから停職3ヵ月というのは厳し過ぎる感もあるが、もはや 許される時代ではない。
上司の女性職員も速やかに上に報告しなかったとして戒告処分を受けているが、職場の仲間を警察にまで通報することになり気が引けたのではと想像する。

同職員が前日飲んだアルコールはビール2杯と焼酎ロック2杯、ビール500ml または 25度の焼酎100mlを分解するのに 男性は4時間掛かると言われるので、16時間分の計算になる。
翌日 仕事で車の運転をする人は、夕方飲み始めてから2杯くらいで我慢しなければならない。

サラリーマンも、中途半端に飲むくらいなら飲まないという選択が増えるかもしれない。
報道を知って、忘年会を減らす職場も多くなるのでは。



 

リクデンと陸田議長(再掲)

田川市で最近、市議会の陸田孝則議長が話題になっているらしい。
ということで、今年1月12日に弊社が報じた記事を 加筆修正して再掲する。




政治倫理という言葉がある。
「政治家が全体の代表者として公平・公正に行動するために持たなければならない行動規範」とされ、法律に触れずとも 倫理上どうかという点で使われる。

既報の通り、田川市の㈱リクデンが 東芝インフラシステムズ㈱とのJVで 21億7千万円の電気工事を受注した1ヵ月後に、建設業法違反で県から1週間の営業停止 及び 2ヵ月間の指名停止処分を受けた。
同社の創業者で、最大株主である陸田孝則氏は 現職の田川市議会議長である。

リクデンと陸田議長の関係について 現状をお伝えするので、政治倫理上の問題があるか、田川市民の皆さんに是非考えて頂きたい。



 




1.リクデンとは?

昭和46年12月、陸田孝則氏が電気工事業を目的に陸田電気として創業、同54年に㈲武孝電気工事として法人化、平成2年に株式化と同時に現商号に名称を変更した。
同15年4月、陸田氏の市議会議員当選に伴い 同氏は役員を退任、陸田実氏が代表就任、同24年に陸田和子氏が3代目の代表に就いている。

リクデンの発行株式数は900株とされ、そのうち陸田議長は420株(46.6%)を保有する最大株主である。ちなみに 陸田実氏と陸田和子氏はそれぞれ60株ずつ保有している。

リクデンの過去5年の売上と利益、及び 主な田川市発注の工事は以下の通り。



以上の通り、田川市から毎年工事を請けていることが分かる。
令和4年7月期の工事以外は全て田川市からの元請工事、田川西中学校の電気設備工事は 元請ではないが鉄建建設㈱の下請工事として田川市の工事を間接的に請けている。
ちなみに、陸田議員(当時)は令和3年3月議会において、鉄建建設㈱との契約議案(33億6352万円)が議会で審査された際、同じ会派の3人が反対に手を挙げたにも拘わらず賛成に手を挙げている(→ 賛否表)

この他、田川広域水道企業団発注の工事も不定期だが受注しており、特に令和4年12月7日の入札では 前述の大口工事を落札している。
21億7千万円の落札についてはこちら

また、これまで 県発注の工事の受注が多かったが、最近は国立大学、大阪航空局、裁判所など 国が発注する工事にも手を伸ばしており、来期は売上が倍増しそうな勢いだ。




2.陸田議長とは?

陸田孝則議長の経歴は、
・昭和46年12月 陸田電気創業
・昭和55年4月 株式会社リクデン創業 代表取締役就任
・平成14年9月 社会福祉法人真養会創設 理事長就任
・平成15年4月 田川市市議会議員1期目当選
.......  リクデンの役員退任
・平成16年4月 田川市立弓削田中学校PTA会長
・平成19年4月 田川市市議会議員2期目当選
・平成23年4月 田川市市議会議員3期目当選
・平成27年4月 田川市市議会議員4期目当選
・平成31年4月 田川市市議会議員5期目当選
・令和5年4月   田川市市議会議員6期目当選(議長就任)

前期(令和5年3月迄)の役職は、
・田川市議会建設経済委員会 委員長
田川広域水道企業団議会 議員
・田川地区消防組合議会 議員
のほか、令和4年4月まで
「田川市議会議員の政治倫理の確立に関する検証等特別委員会」の委員長を務めた。
今期は、議長の座を強運で引き寄せ、引き続き 田川広域水道企業団議会 議員を務めている。


また、市議会以外から、リクデンからの給与所得と社会福祉法人「真養会」からの役員報酬がある。

田川市の政治、建設業、福祉、学校教育など全般にわたり、尽力していることが分かった。


3.この関係で行政の監視ができるか?

田川市政治倫理条例 第3条には次の基準を遵守するよう定められている。

(1) 市民の代表者としての品位を保ち、名誉を損なうことのないよう自粛し、地位を利用して不正の疑いの念をもたれるおそれのある一切の行為をしないこと。
(2) 市が行う請負契約、委託契約及び物品納入契約に関し、特定の業者の推薦又は紹介をしないこと
(7) 政治倫理基準に反する事実があるとの疑いをもたれたときは、自ら疑いを解き、その責任を明らかにするよう努めなければならない。




また、地方自治法92条の2に「地方議員の兼業の禁止」という規定があり、建設業を営む者が市議に当選した場合、役員から退かなければならず、陸田議員(当時)もリクデンの役員から外れ、現在は陸田和子氏という方が社長に就いている。
陸田議長は役員ではないものの 最大株主で実質オーナー、それでいて社員の肩書はもったままだ。
会社の売上増のために様々な場面で努力することが想定される。

公表されている令和4年7月期のリクデンの損益計算書によると、株主配当は出ていないが、役員報酬が合計で360万円支払われていることが確認できる。
つまり、現在社長を務める陸田和子氏に支払われた金額が 最大360万円と推定される。

一方、陸田議員(当時)は リクデンから  給与として 年間720万円(月平均 60万円)を貰っており、社長の2倍の収入を得ている。
市や水道企業団の仕事を請け負う企業の実質オーナー、役員は外れているが、しっかり給与は社長の2倍の金額を受け取っており、立派な脱法行為ではないかと 関係者は指摘する。

それだけではない。
自身が理事長を務める社会福祉法人真養会から、役員報酬として年間 288万円(月平均 24万円)が理事長本人に支払われているという。
真養会が行っている福祉事業には、もちろん田川市の税金が投入されており、その中から 陸田議長に報酬が出ていることになる。
事実であれば かなり問題と言えるのではなかろうか。

いずれにしても 陸田議長は 月額 47万6000円の 議員(議長)報酬の他、リクデンから給与として 月平均 60万円、社会福祉法人真養会から 月平均 24万円の兼業収入を得ている 裕福な方ということが判った。

まとめると、
・陸田氏は、今期は市議会議長、前期は 建設工事関連を所管する「建設経済委員会」の委員長、更に「田川広域水道企業団議会」の議員を務めており、行政の監視をする役割がある。
・陸田氏が最大株主であるリクデンは、田川市や田川広域水道企業団の工事を毎年受注し、特に昨年度は 21億7千万円の工事を1者入札で落札している。
・その売上の中から陸田議員に 年間720万円の給与が支払われている。
・社会福祉法人真養会から理事長報酬として 年間288万円が支払われているが、田川市はその事業に支出している。
・この関係で 果たして行政の監視ができるか。


田川市政治倫理審査会は、毎年市議の資産報告をチェックしているはずだが、おそらくこの点については議論になっていないと思われる。






4.疑問をぶつけてみよう

令和4年4月27日、陸田議員(当時)が 「田川市議会議員の政治倫理の確立に関する検証等特別委員会」の委員長として政治倫理についての発言をしている。
議場で25分間に亘り演説を繰り広げ、他の議員がいかに政治倫理というものを理解していないか 徹底的に非難しながら以下のように述べた。
(委員会の動画は → こちら

「敢えて申し上げますが、倫理とは善悪を判断する根本である人の守るべき道理、人が行動する際の規範となるもので、このことから政治倫理とは市政が市民の厳粛な信託によるものであることを深く認識した上で、我々議員が政治的にも道義的にも批判を受けることのないよう身を律しなければならない。」

これを聞いて安心した。
次の様な疑問が市民から出ている。
本来なら 政治倫理審査会が聴くべきことだが…
  1. リクデンの役員を退任した理由は何ですか?
  2. 役員を退任しても最大株主ですが、それは問題ないのですか?
  3. リクデンからの年間支払われる給与の額は?
  4. 市議とリクデン社員と真養会理事長とを兼ねていますが、それぞれの業務内容と勤務体制は?
  5. 建設経済委員会の委員長や水道議会議員の立場で、市や水道企業団から仕事を貰っていますが、政治倫理上の問題はないと思いますか?
  6. 浄水場の電気工事の入札は、東芝インフラシステムズJVの1者のみ参加、21億7千万円で落札に成功しました。企業団議員として、最大株主として、このようなことが許されるとお考えですか?
  7. 陸田議員は、田川西中建設工事における鉄建建設との契約議案に賛成をしています。その下請にリクデンがちゃっかり入っていますが、政治倫理上の問題はないと思いますか。
  8. また、初めから鉄建の下請に入ることが決まっていたという指摘もありますが、それは事実ですか。
  9. 真養会から報酬は年間いくら貰っていますか?
  10. 社会福祉法人の現況報告書(→こちら)で、殆どの法人が理事長報酬を公開しているのに、なぜ真養会は公開しないのですか?
  11. 真養会の運営に市から負担金を支出していますが、市議が報酬をもらいながら理事長を務めていることについて政治倫理上の問題はないと思いますか?
  12. 西保育園の民営化にも手を挙げる予定ですか?
「道義的に批判を受けることのないよう身を律しなければならない」とおっしゃっているので、直接疑問をぶつけてみることをお薦めする。
特に現在は 議長という要職にあられるので、いつでも どなたにでも、快くお答え頂けるものと確信している。


筑豊の高齢女性、接種2時間後に死亡

11月8日の地元紙スポーツ面に、モデルナが目立つようにカラー広告を掲載した。
「特に 高齢の方 基礎疾患のある方 免疫機能が低下している方 新型コロナワクチン接種はお早めに」と接種を促すものだ。

弊社記事「福岡県内の死亡による申請 41件!(2023年10月10日)」では、福岡県内で ワクチン接種が原因で死亡したとして 健康被害救済申請をしている人が 9月11日現在で41人、既に死亡認定が出た人が5人、また 41人のうち年齢と性別が判っているのが33人、そのうち25人は高齢者であることなどを報じた。

現在、最後の無料接種が行われているが、接種会場で配布されているチラシには、「副反応リスク」について書かれてはいるものの、「死亡リスク」があることについてまでは一切触れていない。
国・自治体、医療機関、ワクチンメーカー、そして大手マスコミが、死亡リスクがあるのになぜ伝えないのか、高齢者の死亡者が出ているのに なぜ 高齢者に接種勧奨をするか疑問が尽きない。

今月に入り、弊社の記事を読んだ筑豊地方の自治体にお住まいのAさんから、前述の33人の中に 自身の母親が含まれているという連絡を頂いた。
健康被害救済制度については、制度そのものを知らない方、知っていても書類作成で申請に至っていない方、それ以外に 申請までに 様々なハードルがあり、十分機能しているとは言えない状況にある。
取材したAさんも、その問題点が浮き彫りとなったケースである。



亡くなったAさんの母親は79歳、アルツハイマー型認知症で Aさんの介助により在宅生活を続けていたが、昨年7月26日、かかりつけの病院で4回目のワクチンを接種した直後、2時間50分後に死亡が確認された。
その経過は 下表の通りである。



接種後約2時間、突然の母親の死が受け入れられなかったAさんは、ワクチン接種との関係を疑った。
その当日に 警察に届け出て 司法解剖を依頼したこと、そして、かかりつけ医が翌日PMDAに「予防接種後副反応疑い報告書」を提出していたことが、後の予防接種健康被害救済制度の申請に生きたという。

ただし 申請まで 全てが順調という訳ではなかった。

Note: 医師等は予防接種法の規定に基づき、接種を受けた者に副反応疑いの症状が起こった場合、診療した医療機関から(独)医薬品医療機器総合機構(PMDA)に「副反応疑い報告」を提出することが義務付けられている。

かかりつけ医がPMDAに提出した「予防接種後副反応疑い報告書」

 

Aさんが 司法解剖を希望したのは、当時の担当警察官からの助言があったからだ。
母親死亡当日の7月26日、同警察官が死体調査結果の報告をAさんに伝えた際、Aさんに今後のために解剖をすることを勧めてくれた。
母親の遺体は、翌27日に某大学病院に移送され解剖されている。

Aさんは担当警察官から、解剖結果が出るまで2~3ヵ月程掛かると聞かされていたが、10月になっても連絡がなかったので警察署に問い合わせたところ、助言をした警察官は移動になっていた。

ところが、後任の警察官からは 「解剖結果の検査書は出したことがない、出せない」と言われたという。
埒が明かなかったため、Aさんは県警に出向き 現状を訴え、10月12日に「死体調査等結果書」が ようやくAさんに手渡された。
対応が担当者によって異なることが露呈した格好だが、Aさんが県警に訴えなければ それで終わっていただろう。

ワクチンとの因果関係を検証する上で、司法解剖をしたのと していないのでは 大きく異なる。
突然家族が亡くなって 混乱している遺族が、司法解剖という発想に辿りつかないかもしれない。



問題はそれだけではなかった。
司法解剖を担当した医師の所見は、次のような内容だ。

鑑定結果は、死亡の原因を「左右気管支を含む気道、食道内に食物残渣(パンケーキ)を比較的多量認めることから、直接死因は食物誤嚥により気道が閉塞されたことによる窒息の可能性が高い」、「解剖所見及び検査結果からは食物誤嚥の原因は判然としない」としながら、ワクチン接種2時間後に亡くなっていることについて、「断定はできないものの、死亡とワクチン接種の因果関係についてはほとんど無いものと考えられる」と さらりと触れただけで、その根拠については言及されていなかった。

納得がいかなかったAさんであったが、その後11月19日に北九州市黒崎で ワクチン被害者の声を伝える自主制作映画の上映・講演会が行われることを知る。
Aさんはこの催しに出向き、講演者にこれまでの経過や解剖結果について説明した。
その講演者から、Aさんは 某国立大学のワクチン研究で著名な B氏を紹介された。

B氏は、解剖結果の所見にワクチン接種との因果関係が無い根拠が示されていなかったことから、11月25日に福岡まで 飛んできて解剖を行った医師と面談を行った。
その面談結果と厚労省等が公表している資料を元に、「接種後の副反応で嚥下機能が低下し、嘔吐物が気管支内に流れ込み窒息死に至った可能性が高い」と判断、救済申請書に添付する意見書を書いてくれたのである。
意見書があるのとないのでは 大きな違いだ。

黒崎の映画上映・講演会に行ってなかったら…。
B氏が意見書を書いてくれなかったら…。
Aさんはこれらの偶然が重なって、予防接種救済に申請に解剖の検査結果書と、その内容を補う専門家の意見書を添付することができた。

冒頭で述べた通り、健康被害救済制度については、制度そのものを知らない方、知っていても書類作成で申請に至っていない方、それ以外に 申請までに 様々なハードルが存在する。
行政には 救済制度の更なる周知と、申請を支援する仕組みづくり、更には ワクチン行政に関わる全ての職員や医師らに ワクチン副反応について理解を深めてもらう必要があるだろう。

武井氏当選、課題解決に期待

12日投開票された飯塚市長選挙は、前市教育長の武井政一氏(62)が三つ巴戦を制し初当選を果たした。
自民が推薦し組織戦を展開、麻生太郎副総裁の「公明党ガン発言」の影響が危惧されたが、2位の候補を約7000票差で振り切った。



前市長の片峯氏と同様、前教育長からの転身となり、教育施策については期待がかかる。
但し、人口減少と高齢化対策、地域コミュニティの活性化など、専門外の分野で課題は山積で、目に見える結果が求められている。

そして、入札改革である。
現在 地場建設業界の不満が積もっている。
既報の通り、平成29年の市議会で 道祖満市議が公共工事の入札に総合評価方式導入を求め、それに市が応じた結果、坂平末雄市議が関連する特定の企業グループが有利になった。
その後4年間で 飯塚市と消防組合が発注し 地場企業に支払われた工事総額 約62億円のうち、同グループが3分の2を得たとされている。

また、昨年発覚した 新体育館移動式観覧席の官製談合疑惑や、市発注の大型工事において実績のないインテリア会社が一次下請となり差配している いかがわしい事案も発生している。
更に、今年になってからも 官製談合の疑いがある管工事の入札があった。

まずは、飯塚市にそぐわない総合評価方式の撤廃に着手すること、そして コンプライアンスの徹底と クリーンで透明な入札が行われるよう、人事を含めた抜本的な改革が必要だ。

筑豊の10万人都市の行く末は、武井新市長の手腕にかかっている。

最後に投票率と得票数について。
投票率は、2006年の合併後 過去最低となる 37.52%だった。
また、当選した武井氏の得票数も過去最低の 1万8377票、有権者の2割の支持も得ていないことになり、決して安心できる数字ではない。
今後は一部の声だけではなく、市議会や 広く各種業界・団体の声を拾いながら 前に進めていかれることを期待したい。

お宅のマンションは大丈夫?

分譲マンションの管理組合が、まるで反社の様な言動をする人物たち(ここでは悪徳グループと呼ぶ) に乗っ取られるケースが全国で報告されている。
6日と7日で既報のタワーマンション管理組合も、この類と言ってよいかもしれない。

マンションを購入した区分所有者は管理組合をつくって 管理・清掃・修繕等を行うが、組合の事務は煩雑、理事や区分所有者の中には時として うるさい人物もいる。
その対応はかなり面倒なので、多くの区分所有者は管理組合の理事になるのを敬遠したり、総会も委任状を提出しただけで済ませてしまう例が多い。
その無関心さが 悪徳グループの狙い目だ。

いったん悪徳グループが管理組合の主導権を握ると、管理費や積立金を自分たちの裁量で使うことができるようになる。
息の掛かった業者らから 合い見積もりを取り、通常より高い価格で工事や管理、清掃などを発注、そしてリベートを受け取る。
億単位の金が動く大規模改修はリベートも大きくなる。

殆どの区分所有者は工事などの知識が乏しい上に無関心で 何が起こっているか分からない。
知識があり問題を指摘する区分所有者に対しては、恫喝するなど様々な手で黙らせようとするのが常套手段だ。
管理組合の動かす金が大きいほど、悪徳グループの標的になりやすい。

そうやって区分所有者から集まった大切な資金の一部が吸い上げられていく。
大規模改修時に 組合の通帳に残高が残ってなかったという話もある。
ご自分の分譲マンションの管理組合の経理情報はじゅうぶんに公開されているか、管理組合の理事長や経理を同じ人物が長期間担当していないかなど、一度チェックした方が良いのではなかろうか。

未来を決める市長選挙

片峯誠前市長の死去にともなう飯塚市長選挙が5日告示され、3人の候補者が舌戦を繰り広げている。

党副総裁の麻生太郎氏を後ろ盾にした前教育長の武井政一氏(62)は 自民党県連の推薦も受けている。
10名余の市議が支援、出陣式も盛大に行われ、やや優勢と見る向きが多い。
ただ、通常の選挙より 一部県議に熱が入っていないとの話も聞かれる。

武井氏を首差で追う対抗は市職員OBの倉智敦氏(65)だ。
道祖満市議ら立憲民主党の議員らが支持するも、武井候補支持を表明している同党県連顧問の吉村敏男元県議と足並みが揃っておらず 党内不和との憶測を呼んでいる。
また、「今すべき事を、今行います。」で知られる坂平末雄市議が、「今応援を行っている」というのも小さな話題となっている。

2人を追いかける上野伸五氏(58)は、組織票はないが 同僚市議の応援もあって名前も次第に浸透、沿道の子どもたちからは選挙カーに「Go Go シンゴ」と掛け声が。
偏りがあると言われる入札制度の見直しや 学校給食費等の無料化拡大、地元高卒生の職員採用推進など 分かりやすい公約が好意的に受け止められている様だ。

麻生太郎氏が発した「公明党はガン」発言の影響が気になる公明票であるが、党は既に自主投票を決定、公明党の市議4人も応援先がばらけており一枚岩ではない。
また、「政治とカネ」の問題に厳しいはずの学会の幹部が、疑惑まみれの市議が応援する候補を支援しているとの情報もあり、学会員からは戸惑いの声が上がっている。

武井候補が逃げ切るか、倉智候補が差し切るのか、それとも上野候補が後方一気逆転あるか 注目の選挙だ。
期日前投票の出足が鈍いという話も聞かれるが、飯塚市の未来を左右する大切な選挙、ぜひとも投票所に足を運んで頂きたい。



嫌がらせで管理会社が撤退 ②

その後も管理会社の社員に対するカスハラは続いた。
昨年6月に同社が管理組合理事長宛に「業務改善要望書」を提出しているが、幹部に不都合な内容だったことから、他の理事に見せないまま握り潰しているらしい。
要望後 一時的に収まったものの、昨年末から年始にかけてエスカレート、ある担当者は精神を病み退職を余儀なくされた。

そして、遂に今年6月、限界に達した管理会社は 3ヵ月後に撤退する旨の通知を管理組合に送付、9月に予告通り引き上げていった。
管理会社が管理組合のカスハラで撤退というのは異例のこと、同社が企画・設計・販売を行った財閥系グループ内の会社だけに 業界内では注目が集まっている。

現在は一時的に 代わりの管理会社が業務を行っているが、既に清掃とコンシェルジュ業務を行っている管理組合の副理事長Bが経営する会社が 取って代わると見られている。

管理組合幹部3人はいずれも会社経営者、ハラスメントがいかなるものか熟知しているはずだが、これまで現場を目撃した人たちは「あの恫喝の仕方は普通の人間ではない」と口を揃える。
反社紛いの輩に牛耳られているとは知らず、マンションを購入して居住してしまった住民から、事業協力者として彼らを優遇した財閥系グループの会社の責任を問う声が上がっているが、現時点では何の対応もなされていない。

財閥系グループが「売って終わり」で良いはずはない。
管理を放棄し、後は住民任せという状況を放置すれば、同マンションの資産価値が下がるばかりか、今後の同グループのマンション販売に影響を与えることになりかねず、解決に向け早急に取り組む必要があるだろう。

ー 続 く ー

嫌がらせで管理会社が撤退

財閥系グループの企業が企画・設計・販売をし、管理もしていた福岡市中央区の高級タワーマンションが揺れている。
同マンションは完成して4年が経とうとしているが、管理組合の幹部によるカスタマーハラスメントが原因で 管理会社が撤退したというのだ。

その幹部は、理事長Aと副理事長のBとCを指す。
3人は法人名義で最上階の部屋をそれぞれ所有し、マンション完成直後から管理組合の理事に就いている。
最上階の部屋は「事業協力者」に優先的に分譲され、管理組合の幹部になった経緯も同グループの企業から推薦されたとの話で、当初から特別扱いされてきたことが窺える。

彼らが人格者なら良かったが、最上階から見下ろしているうちにマンション全体を我が物と勘違いしてしまったのか、反社と見紛うような輩だった。
月一回の理事会の場では 毎回 管理会社の社員を罵倒、清掃やコンシェルジュの担当者、更には警備員らを 事あるごとに怒鳴りつけるなど ハラスメントを繰り返していた。
あまりの酷さに耐えられず、昨年3月に清掃会社とコンシェルジュを請け負っていた業者が撤退してしまったのである。

そこで代わりの清掃会社とコンシェルジュの業者が決まったのだが、なんと副組合長のBが代表を務める会社だった。
嫌がらせで業者を追い出し、管理組合幹部の会社が手配するという、今どき暴力団もやらない手口である。



その後も管理会社の社員に対するカスハラは続いた。
昨年6月に同社が管理組合理事長宛に「業務改善要望書」を提出しているが、幹部に不都合な内容だったことから、他の理事に見せないまま握り潰しているらしい。
要望後 一時的に収まったものの、昨年末から年始にかけてエスカレート、ある担当者は精神を病み退職を余儀なくされた。

そして、遂に今年6月、限界に達した管理会社は 3ヵ月後に撤退する旨の通知を管理組合に送付、9月に予告通り引き上げていった。
管理会社が管理組合のカスハラで撤退というのは異例のこと、同社が企画・設計・販売を行った財閥系グループ内の会社だけに 業界内では注目が集まっている。

現在は一時的に 代わりの管理会社が業務を行っているが、既に清掃とコンシェルジュ業務を行っている管理組合の副理事長Bが経営する会社が 取って代わると見られている。

管理組合幹部3人はいずれも会社経営者、ハラスメントがいかなるものか熟知しているはずだが、これまで現場を目撃した人たちは「あの恫喝の仕方は普通の人間ではない」と口を揃える。
反社紛いの輩に牛耳られているとは知らず、マンションを購入して居住してしまった住民から、事業協力者として彼らを優遇した財閥系グループの会社の責任を問う声が上がっているが、現時点では何の対応もなされていない。

財閥系グループが「売って終わり」で良いはずはない。
管理を放棄し、後は住民任せという状況を放置すれば、同マンションの資産価値が下がるばかりか、今後の同グループのマンション販売に影響を与えることになりかねず、解決に向け早急に取り組む必要があるだろう。

逆効果になりそうな市議の応援

11月5日告示、12日投開票の飯塚市長選には、現在までに市教育長の武井政一氏(62)、市行政経営参与の倉智敦氏(64)、そして市議5期目の上野伸五氏(57)の3人がいずれも無所属で立候補する意向を表明している。

麻生副総裁が応援を表明している武井氏には、自民県連の推薦も出て比較的優勢に見えるが、最近の麻生氏の「公明党はがん」発言に 学会関係者の間で反発が広がっているという。
約7000の学会票が 自主投票になれば 勝負は分からなくなる。

立憲民主党の道祖満市議が引っ張り上げたと言われる倉智氏には、市職員OBらの応援に加え 自治労の推薦が出る模様だ。
そこに学会票が倉智氏に回れば一気に優位に立てると思われるが、そう単純ではないらしい。



それは、道祖氏と歩調を合わせている坂平末雄市議の動きが影響しているというのだ。
地元では、坂平氏が倉智氏の討議資料を地域の有力者に配布して回っていることが話題になっている。

弊社記事「坂平氏告発議案の賛否 (2023年3月20日)」で既報の通り、坂平氏と道祖氏が共闘すること自体は不思議ではないが、坂平氏は 麻生グループと取引きのある ㈱サカヒラ(飯塚市)の株主でもある。
その坂平氏が、麻生副総裁や自民県連が支持する武井氏ではなく、自治労や立憲市議が支持する倉智氏を支持、選挙とビジネスは別物とはいえ、営業への影響を考慮して行動を控えるのが一般的である。

今年4月の市議選前には「今すべき事を、今行います。」と意味不明な公約を掲げただけに「あまり深く考えて行動していないのでは」と見る関係者がある一方で、地場建設業界は「あの2人の市議がつくなら絶対阻止」と別の厳しい見方をしている。



地場建設業界が「2人の市議がつくなら絶対阻止」という理由、それは 平成29年の議会で 道祖氏が公共工事の入札に総合評価方式導入を求め、それに市が応じた結果、坂平氏が関連する特定の企業グループが有利になったという経緯があるからだ。
その後4年間で 飯塚市と消防組合が発注し 地場企業に支払われた工事総額 約62億円のうち、同グループが3分の2を得たとされる。

また、飯塚市・嘉麻市・桂川町・小竹町で構成される「ふくおか県央環境広域施設組合」では、総工費約500億円のゴミ処理建設を控えており、同グループが何らかの形で受注を目指していると言われている。
情報収集や組合執行部に提案ができる組合議会議員として、道祖氏と坂平氏がしっかりと名を連ねているのは偶然ではないだろう。

それに加え、弊社記事「議長ポストを500万円で」で既報の通り、坂平氏は 議長選挙や入札で 様々な疑惑が浮上したことで知られる。
特に新体新育館の移動式観覧席の入札では、これまで受注実績が殆どない坂平氏の妻が代表を務める会社と、坂平氏の後援会長の会社が応札し後援会長の会社が落札、入札の数ヵ月前には 契約担当の課長と飲食を共にしていたことも判明した。
昨年12月議会に設置された百条委員会は改選により尻切れトンボに終わったが、官製談合の疑惑は残ったままである。

話を戻すが、気になる学会票の行方である。
公明党は党の方針として、「政治とカネの問題は国民を裏切る行為として、断じて許さない」としている。



下表は 飯塚市議会における坂平副議長(当時)に関係する議案の賛否表である。
緑色の網掛けが公明党会派の賛否だが、令和3年6月の辞職勧告決議案は棄権、同4年9月の百条委員会設置議案は反対で、どちらかというと一歩引いていた感があった。
ところが、疑惑が深まった同12月の百条委員会設置議案では4人全員が賛成、同5年3月の告発議案では4人のうち3人が賛成した。


ちなみに道祖氏は4回とも反対するという徹底ぶり、どんなに疑惑が深まっても坂平氏を擁護しているように見えるが、公明の市議は 「政治腐敗は許さない」党方針を念頭に是々非々で判断していると思われる。
こうした状況も含めると、2人が応援する候補に学会票が行くことはないと予想される。

いずれにしても 三つ巴の短期決戦、激しい戦いになることは間違いないだろう。

市議こそ身体検査が不十分

政治家と旧統一教会との関係には興味はないが、解散命令請求を受けて地元紙が教団と関わりがあった現職市議、宗像市議会の福田昭彦市議(64・5期目)に取材した記事が10月14日に掲載され、それについて関係者から市議の説明内容が事実と異なるという指摘があったので取り上げたい。

昨夏、旧統一教会がクローズアップされたことから、宗像市議会では全市議に教団との関わりについてアンケート調査を行っている。
福田市議はその中で、2020年(令和2年)10月の市議会議員選挙から「平和大使協議会」に支援してもらい、会員として月額2000円の会費を支払い、また、平和大使として活動(同4年11月4日で辞任)していたと報告している。
そして、同紙の取材には次のように答えている。

2020年春、ある年配女性からビラ配りを提案され、8~10月に女性の友人を含め 約300枚ずつの配布を依頼、9月には平和大使協議会に入会し、10月25日に行われた市議選で当選後 平和大使に任命された。

平和大使に任命されたのは 当選した10月25日より後という説明になっているが、選挙期間中の2020年10月20日時点の福田市議のホームページが記録されているデジタルアーカイブ(米国の非営利団体「Wayback Machine」が運営)によると、役歴として「国連UPF任命機関メンバー/平和大使」と記述があり(現在は削除)、時期が一致していないことになる。



また、福田市議は「(2020年の)選挙の頃は相手の身体検査をする余裕はなかった」、「協議会が旧統一教会の関連団体で、女性が信者と知ったのは2022年7月の安倍氏の銃撃後」と取材に答えている。
2020年9月には 自らの意思で平和大使協議会に入会していながら 「身体検査」とはよく言ったものだ。
お世話になるだけなって 随分失礼な物言いである。

そして昨日、福田市議をよく知るという女性から、記事の説明が全く違うという話が入ってきた。

その女性は福田市議が兼業している保険代理店のビジネスパートナーだったことがあり、2020年1月頃から福田氏と会うたびに3~6時間程度、文鮮明氏の話やキリスト教の教示について聞かされていたという。
女性は子どもの病気について相談をしたところ、「子どもに治療したら不幸にになる。献金した方がいい」と諭され、教団が韓国に500億円かけて新施設(天苑宮)を作っているという話から、一口100万円で寄附を募っていると説明された。
100万円の持ち合わせがないので、2月に手渡しで10万円、3月に10万円を銀行から振り込み、その後は、福田市議の保険業のコンプライアンス違反問題が発覚したことで寄附は中止している。
他人の家庭を壊した「平和大使」市議(2022年10月6日)

以上が事実であれば、福田市議は2020年の1月の時点で 既に教団と深く関わっていたことになる。

福田市議は行政視察中に居眠りを繰り返したり、兼業の仕事を優先して議会を欠席したりして、昨年12月に議会から問責決議を受けるなど問題の多い市議として知られる。
関係者の間からは今回の件も含め、資質の面で 市議こそ身体検査が不十分だったのではという声が上がっている。

他人の家庭を壊した「平和大使」市議



 

自民候補は戦々恐々、日本保守党の動き

22日に投開票された衆参2補欠選挙は1勝1敗という結果に終わり、年内の衆院解散は難しくなるという論調が増えてきた。
それでも、年内解散はあると心しておきたい。
というのも、岩盤保守層の自民離れが加速しているからだ。

2年前の衆院選と違い 野党共闘の足並みが揃っていないという理由で、解散は早いほどいいという考え方はあったが、百田尚樹氏らが立ち上げた日本保守党の動きも軽視できなくなってきた。

首相秘書官の失言に始まり自民党内の協議を経て法律が成立するまで、とにかくLGBT法案のプロセスが酷かった。
党内手続きを無視したやり方も論外だが、これまで保守を標榜してきた稲田朋美氏や新藤義孝氏らが法案成立に尽力、新藤氏に至っては論功行賞で先月の内閣改造で経済再生担当大臣に就任するなど、安倍元総理への裏切りとも取れる行動に対する岩盤保守層の怒りは半端ではない。

米国大使と財務省に逆らえない岸田総理と、総理に黙って従うだけの自民党議員に愛想を尽かした支持者が日本保守党支持に乗り換え、17日に結党したばかりというのに 既に党員が5万人超えた。
更には 名古屋市長の河村たかし氏を共同代表に迎え入れ、政治経験のなかった不安要素を補完する手を打ってきた。

衆院選における選挙区の勝利は難しいが、仮に候補者を立ててくる場合、一番影響を受けるのは自民党の候補者だ。
日本維新の会が候補者を擁立する選挙区では、自民だけではなく中道寄りの立憲民主党候補の票にも影響するが、日本保守党が候補者を立てれば確実に自民票だけが奪われることになる。
当然、自民の比例枠も前回より減少し比例復活の可能性も低くなるだろう。

参政党が出てきた時と同様、日本保守党についてマスコミはあまり報道をしていないが、ネットの世界ではかなりの盛り上がりを見せている。
マスコミが無視できない勢いになったとき、一気に全国に広がる可能性がある。

自民党を一度下野させてお灸をすえた方がいいという声も出ているが、自民候補にとっては全く笑えない話である。

意味不明、立憲民主党が分裂選挙

片峯誠市長の死去に伴う 飯塚市の市長選(11月5日告示、12日投開票)は、現在までに 元市部長の倉智敦氏(64)、前市教育長の武井政一氏(62)、元市議会議長の上野伸五氏(57)の3人が出馬を表明している。

短期決戦で各陣営が準備を進めているところ、武井氏の討議資料を入手した。
麻生副総理とのツーショットや、自民党の江藤県議と高橋県議の顔写真が掲載されていて、地元政財界が支持していることが窺える。
気になったのが、その中に元県議で九州の自立を考える会 副会長の吉村敏男氏の写真、吉村氏は現在立憲民主党県連の顧問を務め、あまりいい評判を聞かないだけに 武井氏の支持者からはマイナスイメージを心配する声が上がっている。

その一方、同じ立憲民主党の道祖満市議が 倉智氏を支援しているという。
道祖市議自らが倉智氏を引っ張り出したと言われているが、立憲県連の方には道祖氏から報告はされていないらしい。
党人としては不可解な動きであり、立憲内部からも疑問の声が上がっている様だ。
尚、議長ポストを500万円で買おうとした市議が倉智氏支持に回っているという噂もあり、道祖氏の思惑に憶測が広がっている。

本来、政党同士で争う市長選挙、立憲県連顧問と市議が別々の候補を支持する珍しい「野党分裂」となっている。
結局政党は二の次ということだろうか。



ここは大任町?「おやつ代」非開示で争う井上市長

弊社では昨年来、春日市の放課後児童クラブの指定管理者「㈱テノ.コーポレーション」が事業報告書の中で、保護者から実費徴収しているおやつ代の支出額を黒塗りにして公開している問題を報じてきた。

おやつ代と保険代を隠す学童保育(2022年8月20日)

令和2年度と3年度のおやつ代の収支が黒塗りで公開されておらず、現在 住民が開示を市に求め裁判で争っているところだ。
ところが、この黒塗りをしたことで、市民図書館など他の公共施設の収支の一部も黒塗りにすることになり、市民はもとより 議会ですらその中身を知ることができなくなった。
さすがに、市長派の議員からも指摘があり、テノ社の令和4年度分の事業報告書からは黒塗りがなくなり 全て公開されている。

それなのに、令和2年度と3年度分については まだ黒塗りのままで、裁判が継続中という矛盾、令和4年度で 黒塗りを止めた訳だから、これ以上市民の税金を使って裁判で争う必要はないはずである。
余程 黒塗りの中身が見られたくない酷い内容と想像が膨らむばかりで、井上市長の情報公開を拒む姿勢については「大任町と同じ」という声も上がっている。

さて、公開された令和4年度分の事業報告書から判ったこと。
実費徴収した間食代(おやつ代) 2275万4600円に対し、支出が 2056万6964円、執行率にすると約90%、約 218万円の残が出ている。
一般的に、実費とは「実際に支払った金額」を表す言葉で手数料や利益は含まない。
余ったら返すのが実費徴収の常識だろう。

しかし、9月議会の一般質問で教育長が、
「おやつ代については、指定管理者との協定により、実費相当額となるよう保護者から徴収し、指定管理者の収入とすることができる旨を定めている。保護者が負担したおやつ代の合計額と、実際におやつ購入に充てた費用総額との差額が生じた場合であっても、保護者に返金するようにはなっていない。」
と答弁、協定書そのものが考えられない内容になっていることが判った。
この内容で通るなら、徴収したおやつ代の半分だけ提供して、残りは利益に回しても問題にならないことになる。
市は執行率が何%までなら実費相当額として許容するか基準を決めるべきだろう。

テノ社もやましいところがないなら、堂々と 令和2年度と3年度分を堂々と公開すればいいはずだ。
市がテノ社の主張に沿って 未だに黒塗りの正当性を主張し争っているのは「執行率が常識の範囲を超えて、後ろめたいところがあるからでは」と疑われても仕方がない。
テノ社が、常識の範囲を超えて他の経費に回していたことになれば、上場会社としての信用を大きく失墜させることになる。

テノ社がそんな疑念を払拭し今後発展していくためにも、井上市長におかれては 直ちに裁判を中止すると同時に 令和2年度と3年度の黒塗り部分を公開するよう決断することを期待したい。

頼母子講にご用心

頼母子講をご存じだろうか。
その歴史は古く 参加者が決められたルールでお金を出し合う互助会のようなものだ。

3年程前、頼母子講を行っている経営者のグループがあった。
会員は12人、毎月1回集まって 1人10万円の掛金を支払うので120万円集まる。
まとまった金が必要な者が札を入れ、最安で落とした者が総取りできる。
但し 権利は1年間に1度だけ。
120万円と落札金額の差額は、権利を行使していない会員に均等分配する仕組みだったという。

世間の金利の高い頃は流行ったと言われている頼母子講、傍目には面白そうだが 思わぬ落とし穴が…。

旧知の仲間に誘われて そのグループに参加した建設会社経営のAさん、飲食店経営のメンバーの1人がヤクザの組長とは知らず続けていたが、ある時その組長が逮捕された。
その後、組長の資金の流れの捜査の過程で、頼母子講のグループLINEにAさんがいたことから 任意で事情聴取を受けることになった。

Aさんは「組長とは知らなかった」と主張したが 状況証拠等から密接な関係があったと県警が認定、その後、公共事業からの排除措置通報がされ、各公共機関で入札が指名停止とされたばかりか、銀行口座を凍結され 瞬く間に倒産に追い込まれた。
Aさんは現在、取調べのやり方に違法性があったとして裁判で争っているが、倒産した会社は元には戻らない。

ちょっとした興味本位で参加した遊び、そのせいで 築き上げてきた地位を失い、多くの社員とその家族の生活も一瞬にして変わってしまった。
悔やんでも悔やみきれなかっただろう。

現代の頼母子講は、警察の目には「堅気の遊び」には映らない様だ。
皆さんも ご用心を。

地元で話題、後藤寺交番の移転先

何かと話題に事欠かない田川市であるが、二場前市長時代の令和元年よりJR田川後藤寺駅前の再整備が検討されている。
現在の駅前はバスの乗り入れができず利便性に欠けるほか、近隣には老朽化しシャッターが閉まった商店や空家が密集しており暗いイメージが拭えない。

田川再生の核になり得る計画であるが、市は着工に至る3条件を設定しその全てを満たさないと事業に着手しないとしている。
それは
1. 整備により市の財政状況がひっ迫する恐れが生じないとの見通しが立つこと
2. 駅前広場の拡大に伴い、移転となる全ての関係家屋の協力が確認できること
3. 県道後藤寺停車場線の拡幅整備の協力が得られること
の3つで、いずれもかなりハードルが高いが クリアしてほしいものだ。

検討されている案のうち、駅前広場を最大に配置する案のイメージパースが下の図である。
西側には緑のスペースもあって明るくなることが想像され、これを見た市民の皆さんの期待は膨らむことだろう。



下図は広場最大案の見取り図、現在 店舗等が建っている箇所を買収して整備することになっており、駅のすぐ前にある 後藤寺交番が道路を渡ったところに移転することが確認できる。



今一つイメージが湧かないという方のために、現在の地図に 整備後の道路(青線)を重ねてみたのが下図である。
県道後藤寺停車場線の東側(線路側)が急カーブなので、整備後はなだらかにする配慮がされており、ピンクで示した建物も市が買収し 拡幅することとなっており、そこに後藤寺交番が移転するという案である。
市によると、警察に整備後の見取図の中で移転先として希望する場所を尋ねたところ、マークされている箇所が最適という回答があったという。
県道に面し 東西へ出動しやすい最適な場所と言えよう。



地元で話題になっているのがその移転先だ。
かつて小児科のクリニックがあった建物だが、現在は空店舗となっており 窓には佐々木允県議のポスターが貼られている。
調べてみたところ、この建物の所有者は 社会福祉法人猪位金福祉会(佐々木陽子理事長、※佐々木県議が顧問)となっていたので、ポスターが貼られている理由は分かった。

経営難だった建物の所有者である医療法人が、田川郡糸田町で併営していた介護老人保健施設を昨年9月に猪位金福祉会に譲渡した際、同建物も贈与されたという。
現在は賃貸物件として 月額19万8000円の家賃で テナント募集中だが、商店街はシャッター通りで 建物も老朽化、3階建で使い勝手が悪いことから、この金額で借り手はないと言われている。

「二場前市長が検討を始め、県議が顧問を務める社会福祉法人が譲渡された建物に 県道の拡幅が掛かった」という経緯に地元では憶測が広がっているが、「偶然、運がいいだけ」という見方が多いようだ。

後藤寺駅前の再生は喫緊の課題で、小学生のアイデアも採り入れ、市民参画で練り上げてきた整備計画、田川市の未来のために 是非とも前に進めてほしいのだが。

立憲県連代表が欠席

近頃 立憲民主党に入党した佐々木允県議の第86代福岡県議会副議長就任祝賀会が11日、市内のホテルで盛大に執り行われた。
原口剣生自民党県連会長はじめ、県議会各会派の代表、県の幹部職員も多数参加、また地元田川市からは約200名が駆け付け、副議長就任を祝福した。

ある政治家が挨拶の中で、「九州の県議会の中で、特に自民会派が過半数を占める福岡で、民主系会派の県議が副議長に就くのは 普通ではあり得ないこと、そこには『高度な政治的判断』があった」と述べた。
佐々木氏本人も 「近畿・中四国を含め 西日本の地域で、民主系会派から選ばれた唯一の副議長」と表現した。

確かに、「民主系(昨年まで社民党)」「3期目」「42歳」と 副議長になるには不利な条件が揃っているにも拘わらず、並み居る自民会派の県議や 期数の多い県議を押しのけて副議長に就くというのは不自然だ。
この人事を快く思わない者が相当数いることが想像されるが、不利な条件を覆すだけの「高度な理由」があってのことだろう。

さて、この有り難い人事にさぞや 立憲の政治家は喜んでいると思いきや、今一つ お祝いムードが伝わって来なかった。
というのも、福岡県内の国会議員5人のうち、本人が姿を見せたのは稲富修二衆院議員だけ、それも短時間いただけで 会場を後にしたからだ。
3人の国会議員は秘書が代理出席、そして肝心要の党県連代表 城井崇衆院議員は 代理出席すら出さない「欠席」だった。

自民党県連の幹部らがはるばる遠方から出席していたのとは対照的で、マスコミ関係者には 佐々木氏の立憲入党が歓迎されていないと映ったようだ。

政務活動費を姻族へ、これってOK?

政治とカネの問題は多岐にわたるが、法を犯しているものと、法は守っているが道義的にどうかというものに分かれる。
今回紹介する佐々木允県議会副議長のケースは、法を犯している訳ではないが 首を傾げたくなるケースなので、同義的に許されるかどうか判断を仰ぎたい。

まず下の図、これは 福岡県が公開している政治資金報告書(平成30年分)から抜粋したもので、「佐々木まこと連合後援会」の収支の内訳である。
収入の7割程度が寄附によるもので、佐々木県議本人が 270万円を寄附している。

興味深いのは、介護事業を行う両親が 個人名義でそれぞれ150万円を寄付していること、田川地区で 年間300万円を政治家に寄附できる世帯がどれくらいあるだろう。
更に、県内各地で介護施設を運営している会社経営の兄も150万円を寄附している。
実に羨ましい一家である。

ちなみに、父親は 現在 田川市社会福祉協議会の理事長、 母親は 田川地区の約300の介護施設が加入させられている「田川地区介護サービス事業所協議会」の理事長を務め、夫婦で介護関連の主要ポストに就いている。
選挙前には 母親が、同協議会から理事長名で、 二場公人市長と 息子の佐々木允県議を推薦する文書を会員に送付していた。

弊社記事 →  政治と介護施設の深い関係 ③ (2023年6月23日)



さて本題だが、支出の内訳を見ると 佐々木県議が事務所費として 237万0890円を支払ったことが分かる。
家賃は月額18万7000円、所在地は田川市大字伊田、鉄筋コンクリート造、地下1階付2階建の建物で、これほど立派な政治家の事務所を県内で見たことがない。

建物の貸主はT社(本社 粕屋郡須恵町 代表者A氏)、不動産賃貸業を主目的に平成29年5月19日に設立された会社である。
T社は同年6月 同物件を前所有者から購入、その際 銀行から融資をしてもらい、同年8月、佐々木県議が賃貸契約を結び入居している。

平成29年5月 T社設立
→ 6月 T社が物件購入
→ 8月 佐々木県議入居

この流れから、佐々木県議が田川市内に気に入った空物件があったので、須恵町のA氏に不動産賃貸業の会社設立・物件購入をしてもらい、その後入居したことが想像される。
そのA氏について調べて行くと面白いことが分ってきた。



佐々木県議事務所の貸主A氏は、平成17年8月に 介護施設の運営を目的にS社を設立し、須恵町内でデイサービス施設(定員33人)を運営しており 地域の評判は良い。
ほぼ同時期に佐々木県議の実兄が、介護施設の運営等を目的に法人を設立し県内各地で事業展開を行い成功を収めているが、それとは対照的にA氏は 事業を拡大する方ではなかったようだ。

転機が訪れたのは 同29年、佐々木県議事務所の賃貸を皮切りに不動産関連の業務を開始し、同30年6月には 県道田川直方バイパス延伸に掛かった自動車販売会社を買収し県に売却、法人所在地は須恵町だが田川地区のインフラ整備に貢献している。
同年9月には 佐々木県議が所有する田川市糒の土地建物を担保に、A氏が銀行から借り入れを起こしており、2人が強い信頼関係で結ばれていることが窺えた。

A氏と佐々木県議の実兄が同時期に介護事業を始めていたので調べてみると、S社の役員に実兄の奥様が就いており、その後の取材でA氏と佐々木県議が姻族関係ということが判った。



佐々木県議がT社に家賃月額18万7000円を支払っていると書いたが、そのうちの半分の 9万3500円は 政務活動費から支出している。
平成29年8月の入居以来、約6年間の合計は約700万円に達する計算になる。

県議会の政務活動費使途基準によると、2親等以内の親族が所有する事務所の家賃に政務活動費を充当することは認められていない。
その趣旨は「近親者への政務活動費の還流禁止」と解していいだろう。

佐々木県議の場合、良い空物件があったが2親等以内の両親や兄が物件を購入しても入居できないので、A氏に会社設立と物件購入を依頼したと疑われても仕方がない。
確かに法律や政務活動費使途基準には違反していないかもしれないが、原資が県民の税金である政務活動費が佐々木県議の姻族の資産形成に寄与していることになる。

これを知る議会関係者からは、「脱法行為」「マネロン」「姑息」「道義的に問題」という声が上がっている。
このケース、法を犯している訳ではないが同義的に許されるかどうか、皆さんはどう思いますか。

そう言えば、佐々木県議のチラシに「政務活動費の不正や汚職事件、そして不誠実な態度は、政治の不信と疑念を増幅させています」とある。
もう何を信じていいのかさっぱり分からなくなってきた。

福岡県内の死亡による申請 41件!

2023年ノーベル生理学・医学賞が、mRNAワクチンの実用化を可能にした研究者に与えられることになったが、新型コロナワクチン接種後に死亡した人の遺族や副反応に苦しんでいる人々からは疑問の声が上がっている。

ところで、「予防接種健康被害救済制度」という制度をご存知だろうか。
予防接種全般において、接種後に副反応が疑われる症状でかかった医療費、障害が残った際は障害年金、死亡した場合は死亡一時金と葬祭料が請求ができ、国の審査会で認定されれば支払われる。
厚労省HP「予防接種健康被害救済制度について」

副反応被害の全容を把握することは困難だが、同制度を利用し請求している人の情報は行政が保有しており、情報が開示されれば接種の判断材料の一つになる。
弊社では9月6日、福岡県に対し「新型コロナワクチン接種後の予防接種健康被害救済制度の申請状況及び認定状況が分かる資料」について情報開示請求を行った。




9月21日付で開示された資料は、個人情報保護の観点から黒塗りの箇所が多かったが、開示された部分から 読み取れたことを以下に記す。

9月11日現在で、福岡県が市町村からの救済申請を取りまとめ 国に提出しているのは366件、そのうち169件が認定され 25件が不認定、172件が 審査未着手または保留となっていた。
※ 資料①



驚いたのは、ワクチン接種後の死亡に関連する申請が 41件もあったことだ。
41件のうち33件については開示された資料で、65歳以上の高齢者の男女が25人、65歳未満の男女が8人、うち最も若いのが15歳男性というのが判った。
※ 資料③

そして、申請された41件のうち、現在までに 5件が認定を受けていた。
また、障害年金を含む申請が11件、こちらは全て 審査未着手・保留だった。
医療費については、以下の症状の 164件が既に認定を受けており、不認定が25件、未着手・保留が125件である。
※ 資料②

尚、死亡が認定された方の死因は、それらの年齢・性別は不明だが、死因はそれぞれ、くも膜下出血、脳出血、頸部動脈乖離等とされている。
医療費の認定された方の症状はアナフィキラシ-・急性アレルギー反応が全体の約3分の1を占めるが、下記の通り症状は多岐に渡っている。
(急性脳散在性脊髄炎・血小板減少性紫斑病・脳梗塞・蕁麻疹・薬疹・多形紅斑・血圧上昇・四肢脱力感・四肢痛・体動困難・低ナトリウム血症・低カリウム血症・洞性頻脈・手の震え・認知症の悪化・廃用症候群・気管支喘息発作・脱水症・酸素飽和濃度低下・リンパ組織症・倦怠感・頸部リンパ節腫大・顔面神経麻痺・急性心筋炎・肝機能障害・四肢末梢神経障害・しびれ・握力低下・倦怠感・咽頭痛・痙攣発作・関節拘縮、他)



福岡県内から、少なくともこれだけの救済申請が出されている。
被害者救済制度そのものを知らない人、知っていても申請の手続きが煩雑で滞っている人も相当数いる。
また、本来拒否してはいけない受診証明書の記入を拒否する医療機関もあり、実数はもっと多いことが容易に想像できる。

9月20日より生後6か月以上の全ての方が対象のワクチン接種(多い人は7回目)が始まっているが、この状況も含めた上でご判断頂きたい。

反問権で市議を攻撃? 井上市長

国会でも地方議会でも、議員は首長に対し議会の場で様々な要望を伝える。
直接有権者の声を拾い集めている議員が、行政が見落としている部分を指摘するのは真っ当なことだ。

一方で、限られた財源の中でやり繰りをし予算を決めている首長は 、議員をはじめ団体や有権者などから上がってきた全ての要望をいったん受け、最終的に自身の責任で取捨選択する。
要望を切り捨てた際は 恨みつらみを言われるかもしれない。
つらい立場ではあるが、好んで首長になったのだから それも受け止め、堂々としていればいい。

春日市議会9月定例会における井上澄和市長の発言が酷かった。
質問に立ったのは吉居恭子市議、この日は 弊社が報じてきた 放課後児童クラブの指定管理者㈱テノ.サポート(福岡市 代表者 池内比呂子氏)の おやつ代の実費徴収の取り扱いについて質問することになっていたので注目されていた。
(おやつ代の取り扱いに関する珍答弁は別途報じる。)



吉居市議の質問の前半は、市民生活への支援策として「18歳までの医療費無償化」「小中学校給食費無償化」「就学援助の認定基準額の大幅引上げ」「3歳未満児の保育料減額」「全世帯への光熱費等の支援」など 確かに多岐にわたり 予算の掛かることではあった。
とは言っても、前述の様に 有権者からの声を行政に伝えるのが議員の務めである。

井上市長は「答弁に入る前に」と前置きをして、自治体の予算がなんたるかについて、吉居市議のホームページの内容まで引用して、「自治体経営に無知」と言わんばかりの主張を約6分30秒続けた。

そして、「反問権」を行使してきた。
反問権とは、議員からの質問の趣旨や内容などを確認するため、首長が議員に質問することを指す。
井上市長が吉居市議に尋ねたのは、

1.あらゆる事務事業をそれぞれ最も進んでいると思う自治体に合わせるということができると思って、このような質問をしているのか。
2.あらゆる面で最高のサービスを提供していると思われる自治体があれば参考にするので紹介してほしい。
3.提案の支援策に必要となる膨大な財源をどこに求めるべきと考えているのか。

の3点、中身がないのはもちろん、議員の質問権を封じようとしていると受け止められても仕方がない内容で、公の場で吉居市議を貶めようとする意図が見えた。

7期目に入った井上市長だが、発言を聞いた市民からは「市民の代表に対して高飛車な物言いは失礼だ」「度量の小ささが際立った」などの声が上がっている。



 

親族への賃料支払い ~報じられた閣僚のケース~

最近、岸田新内閣の閣僚らが親族に賃料を支払っていたことを問題視する報道が相次いでいる。
親族への支払いは「政治資金」の還流が疑われるとして疑問視する声があるという。
本稿では、閣僚らの他の疑惑は置いておいて、親族への賃料支払いの件について考えてみたい。

まず、政治家が 親族所有の事務所を借りることそのものに問題はない。

松村祥史国家公安委員長の場合、「自民党熊本県参議院選挙区第1支部」が、2018年1月~20年6月に月額3万円、2020年7月~21年12月に月額5万円を 兄が代表取締役を務める建設会社に支払っていたとされる。
その建設会社とは 熊本県人吉市に本社を置く建設会社と思われるが、年商70億円の企業であり、月額5万円の微々たる家賃は逆に不要だろう。
ただで借りる訳にはいかないので 月額5万円を支払っていると思われ、そのことを取り上げる方がおかしいのでは。

また、加藤鮎子こども政策担当相の場合は、政治資金団体「加藤鮎子地域政策研究会」が事務所の家賃として、少なくとも2018年~21年に月額15万円を母親個人に支出していた。
月額15万円が相場より高いかどうかだが、もともと 元官房長官の奥様が 15万円を必要としていたかも疑問で、そこまで目くじらを立てる必要があるとも思えない。

弊社の見解は ここに関しては 2人ともセーフ、親族への政治資金の還流というほど大袈裟な話ではない。

昨年8月の内閣改造後、寺田稔総務相と秋葉賢也復興相の関連政治団体が親族に対し、事務所の賃料を支払っていたことも問題視された。
2人は他にも疑惑があったことで辞任に追い込まれたが、「政治とカネ」の問題として、追求の矛先を向け 厳しく追及したのは 他でもない立憲民主党の議員だった。

次回は、先頃その立憲民主党に入党を許された 県議会副議長のケースについて紹介したい。

- 続 く -

年内解散の日程

内閣改造をしても支持率は上がらず、新たな経済対策を打つ意向を表明したと思えば株価は下落し円安は加速、おまけに麻生副総理からは自公の結束を揺るがす発言も飛び出す始末で、岸田総理の心中は穏やかではないと思われる。

一方、与野党の国会議員らは10月4日に政権発足2年を迎えたことから 解散を念頭に気を引き締めている。
解散があった場合、野党がまとまっていないので 自民党は選挙区でほぼ議席を維持できるが比例区で議席を減らすという見方も。
それでも、来年9月の総裁選までに 今より良い材料があるなら 来年以降になるが、何もなければ臨時国会で補正予算成立後 解散総選挙に打って出る可能性がある。


春には「やるやる詐欺」と揶揄されたが、果たして年内解散はあるのか。
永田町では、
① 10月31日解散、11月14日公示・11月26日投開票
② 11月10日解散、11月21日公示・12月3日投開票
③ 11月10日解散、11月28日公示・12月10日投開票
という予想がされている。

とは言うものの、防衛や税制、福祉などの政策変更などで国民に何かを問うという「大義」が 全く見当たらない。
党利党略のための解散にだけはならぬよう 総理にはお願いしたい。



 

片峯誠飯塚市長が死去

昨日 飯塚市の片峯誠市長の訃報が届いた。
弊社の社長もたびたび取材で市長に面会していたが、市長というより慕われている学校の先生という印象が強かったという。

コロナ禍の2020年夏、緊急事態宣言に伴う来園者激減で苦境に陥った同市八木山の民間動物園「ピクニカ共和国」の窮状を知った弊社社長が、片峯市長に直談判をしたところ、早速 自らの足で同園を訪れて現状をお尋ねになったという。

その後 議会で、自粛生活を強いられ遊ぶ機会や学ぶ機会を奪われた子どもたちへの市独自の支援事業「こどもたちに笑顔をワクワク体験事業」の一環として、市内に39ある保育所、保育園、認定こども園、幼稚園すべてに「移動動物園」招致にかかる補助金の支出を提案、全員賛成で可決し事業化が決まった。
ピクニカ共和国の山本社長は、当時を振り返り「本当によくして頂きました。本当に残念です」と話した。

各方面からあまりにも早過ぎる死を惜しむ声が上がっている。
片峯市長のご冥福をお祈り申し上げます。

苅田町議会議員選挙

24日、苅田町と大刀洗町で町議会議員選挙の結果が公表された。
苅田町では定数16人に20人が立候補、有権者数2万9756人、投票率49.57%、1万4750人が投票したことになる。

トップで当選したのが2期目となる末石伸二氏(52)、1915票という得票は投票した人のうち 約13%が末石氏に投じたことになり、ここまで1人に集中するのは地方議員の選挙では珍しい。
実は、末石氏は地元に工場を構える日産自動車の労組出身、さらには社会人野球の日産自動車九州の投手だったと知り納得。

それから、参政党の角崎明美氏(53)が5位で当選した。
角崎氏は飲食店経営で知名度があったほか、食の安全を訴え母親からの支持を集めた。
公明党と共産党以外の政党所属の議員が無所属で立候補している中、党名を掲げて上位当選したところが興味深い。

また、その共産党は過去には2議席を持っていたが、 2015年の選挙以降は1議席を死守するも今回議席を失った。
現職の梶原弘子議員(76)が不出馬となったため、立候補したのが2015年の選挙で落選した元職の木原洋征氏(79)、しかし519票で次点に終わった。
党員数の減少と高齢化で衰退の一途を辿っているが、党中央があの調子では今後もこの傾向は続くだろう。

副議長就任祝賀会、でも地元はカンカン

自称「清潔な政治家」佐々木允県議会副議長、10月11日には市内のホテルで副議長就任祝賀会が予定されている。
代表発起人を務めるのは、吉村敏男立憲民主党県連顧問と岩元一儀県議会民主県政クラブ県議団会長の2人だ。

吉村氏と言えば、2017年11月から2019年4月の選挙で落選するまで 民進党・旧国民民主党の県連会長を歴任、落選後も 同県連が解散する2020年9月まで 福岡県第8区総支部の代表に居座ったドンとして知られる。

強権的な手法に県連内部での評判は最悪だった。
その吉村氏が、今も立憲民主党県連の顧問という肩書と知り、驚くと同時に佐々木氏とは繋がるべくして繋がっていたので妙に納得してしまった。

ところでその佐々木氏、立憲民主党への入党がほぼ決まったという話が入ってきた。
国会議員らは内心反対だったようだが、ドンの後ろ盾があり 誰も文句を言えなかった様だ。
旧国民民主党の国会議員がドンの言いなりになっている理由は後日報じたい。

今年4月の統一地方選前の昨年11月、佐々木氏はお世話になった古巣の社民党に離党届を提出、その際「(県議選を)県民党で闘いたい」という理由を述べたそうだが、県議選は無投票で当選し、その頃から既に 立憲入りの動きを見せていたという。
おまけに 市長選では村上卓哉候補ではなく、社民党や立憲民主党の田川市議らを吊るし上げてきた永原譲二町長の義弟の二場公人候補を公然と応援した。

社民党市議はもちろん、 元立憲田川支部代表を務めた前市議もバイオマス発電から続く佐々木氏の裏切りに怒りを隠さない。
社民党田川支部では今年8月、佐々木氏を「離党」ではなく「除名」相当として県連に伝えている。

地元での評判をよそに佐々木氏の立憲入り、この先 黒い話が何も出て来なければよいが…。
まずは副議長就任祝賀会、会費1万円、多数の方が参加して盛会に開催されることを祈念している。

ある建設業者のため息

コロナ後は葬儀の形がすっかり変わり、親族のみで済ませる家族葬の割合が 半分以上となり、参列者が減少したため 遺族が受け取る香典の額も 平均 50万円を切っているという。

ある街の建設業者から聞いた話。
新型コロナウイルスが猛威を振るっていた頃、首長の親が 新型コロナウイルスに感染し病院で亡くなった。
感染対策のため最期を看取ることができず遺骨になって戻ってきて、通常の感覚なら 家族葬でお別れをすると思われるが この首長は違った。

町内の 建設業はじめ各団体宛に 役所のFAX番号から 告別式の案内が送られて、すぐさま会員に転送されて来た。
さすがに首長の親が亡くなった案内があれば行かないわけにはいかない。
香典を包むにしても、後から首長が金額をチェックしそうだ…。

式当日、前半は親族だけに限られ、式場の外は顔見知りの業者でごった返していた。
後半、式場に入り 焼香を上げすぐに葬儀場を後にした。

業者は「香典を渡しに行っただけ。2~300万は稼いだか。あの商魂は凄い」とため息をついた。


 

シン・選対委員長に期待?

総裁選に向けた内閣改造の中で、林芳正外務大臣の交代は妥当という声も多く聞かれるが、実績が評価されていれば留任となったはず。
4月の訪中では 親中と呼ばれていたにも拘わらず 習近平国家主席には会ってもらえずじまい、外交の席で ピアノを弾いた報道はあるも、とりわけ大きな成果は記憶にない。

ところで、一番話題になっているのが 小渕優子氏が自民党選挙対策委員長に就き、党4役入りをしたことだ。
サラブレッドで将来の首相候補と言われていたが、2015年には不祥事が報じられ 経産相就任1ヵ月で辞任した過去がある。

自民党福岡県連では、9区と10区の総支部長候補がそれぞれ 党員投票で決まり党本部に申請、しかし麻生副総理が9区の大家敏志氏の鞍替えに難色を示しており、県連の顔が潰されかねない状況だ。

県連としては、頑固な重鎮らの頭にドリルで穴を開けてもらい 民主的な党に再生するよう、若き 選対委員長に期待しているのではなかろうか。

衆議院議員 小渕優子 (おぶちゆうこ) 公式サイトより

前市長逃亡? 大丈夫か、大阪IR

平成28年12月22日、大阪市内で行われた大阪都構想の説明会の中で、松井一郎市長(当時)が言い放った。
カジノに税金は一切使いません。

「これ統合型リゾートですから特定の政党(共産党?)が間違った情報を流布してますけど、これだけはっきり言っときます。IRカジノには一切税金使いません。逆です。民間事業者が大阪に投資してくれるんです。その額は 5000億から1兆円 大阪に投資されます。そこはご心配いただかないようにしてください。」

ところが、既にIRの土壌対策として 1000億円を超える公費(税金)が投入されることが明らかになっている。
当初は複数のIR開発会社の競合を想定していたが、終には米国MGMのみとなり、現在のカジノ業界を取り巻く環境をみても いつ離脱してもおかしくはない状況にある。
それを裏づけるのが「解除権」の3年間の延長だ。

大阪府・市がIR開発会社と締結する実施協定案には、一定の事業条件が整わない場合、契約を解除する権利が含まれており、権利を行使した場合、IR開発会社は損害賠償も手数料も支払う必要はない。
2026年9月まで3年間の解除権延長は、MGM側の意向をのんだ格好で、府・市は圧倒的に不利である。

途中で解除された場合、代わりの業者はいないので それまでの投資が無駄になる。
IRと万博の成功・失敗は大阪の経済だけでなく日本全体に影響が及び、国費も投じられるので他人事で済ます訳にはいかない。

既に想定外が続き、IRの開業時期は延期されている。
万博~IRを推進してきたのは紛れもなく日本維新の会、その中心人物で「税金は一切使いません」と言い放った松井市長は早々と退散、責任回避で逃亡したという声も。

維新は「身を切る改革」で党勢を拡大してきたが、これらの事業でやっていることは正反対、そのフレーズが霞んで見えてくる。


 

「後遺症との戦い」~ ハマちゃんねる ~

元FBSアナウンサーの浜崎正樹さんが配信するYOUTUBE番組「ハマちゃんねる」で、新型コロナウイルスワクチン接種後の後遺症で苦しむ女性 Aさん(福岡市在住)についての特集が完成した。

浜崎さんは今年1月に退社、「ワクチン接種についてはネガティブな情報があるのに、局の方針で 放送ではワクチン接種勧奨一辺倒、原稿を読むのに嘘はつけない」と思ったのが理由である。
弊社記事「なんぼかいい世に…」 FBS退社の理由(2023年6月20日)

今回の特集は、元の職場なら放映できない内容だろう。

6月から8月にかけて、 Aさんへのインタビュー、北九州市のクリニック、北九州市議会、北九州市で活動する団体に密着取材を重ね、「ありのままを伝える」という思いで編集、渾身の作品となっている。

殆どメディアでは報じられない ワクチン後遺症患者の現実を、是非この動画を通してご覧ください。





浜崎さんのホームページはこちら

「ハマちゃんねる」はこちら

刺青は隠さなくてよくなる

福岡市スポーツ協会のホームページには、市内のスポーツ施設を利用する際の注意書きとして「刺青・タトゥーがある方は、トレーニングウェアやテーピング等で見えないようにしたうえでの利用をお願いします。」と書かれている。

つまり、刺青・タトゥーは 隠さないと利用できない。
ホームページにその理由までは書かれていないが、一般的に「周りの方に『威圧感』を与えてしまう恐れがあるため」と解されている。

ところで、Youtuberとして若者に人気のある「レペゼンフォックス」というグループをご存知だろうか。
なかなかユニークなキャラクターではあるが、今どきの若者らしく(?)メンバー全員タトゥーを入れている。
手の甲、指、腕、首、顔、足、中には全身の者も。

それはそれで 好きにやって頂いて結構だが、彼らが市役所の会議室にタトゥーを隠さず入って来たのには驚いた。
乱入ではない。
高島宗一郎市長が彼らを会議室に招き入れ、ミュージックビデオの撮影で共演しているのである。

彼らの福岡愛に溢れた歌詞は面白いし、「若者の支持があるグループと共演することで、福岡以外の若者たちに福岡市に関心を持ってもらい、遊びや買物、学んだり働いたりしてほしい」という未来を想う市長の狙いも分からないではない。

しかし、マイナスの影響もある。
一口にタトゥーと言ってもいろいろ、周囲の受け止め方はそれぞれで異なり、嫌悪感を示す年配の方は多いだろうし、恐怖心を抱く子どもや女性も少なくない。

刺青・タトゥーは法的に禁止されている訳ではなく、温泉や銭湯などでは 経営者の判断で利用制限をしているだけである。
一方、法的に禁止されていない以上、公の施設は拒否することができない。
できるのは「隠して利用してください」というお願いだけ。

市長が市庁舎にタトゥーを隠さないメンバーを招き入れ共演したことで、もともと曖昧な「威圧感」という言葉は意味をなさなくなってしまったのでは。
これからは、スポーツ施設をはじめ 公共施設内に刺青・タトゥーを隠さない人が入ってきても注意しにくくなる。
そのうち管理者が注意しても耳を貸さず、逆に法を笠に権利を主張してくることも考えられる。

福岡市の公共施設においては、刺青・タトゥーを隠さなくてもよくなる日がくるかもしれない。


Repezen Foxx「福岡事変 ー極みー」

パワハラ企業のトンデモ裁判(後編)

大島産業の社員で 施工不良を起こした工事の「管理技術者兼現場代理人」だったK氏が原告となり、NEXCO中日本の社長や現場の監督員を被告として、2021(令和3)年9月16日付で福岡地裁小倉支部に提訴した。
内容は、工事の中で監督員から様々な人格否定発言などパワハラがあり、心を病んだので 慰謝料として二百数十万円の支払いを求めるというもの。
提訴から2年が経とうとしているところだが、8月7日に小倉地裁で口頭弁論が行われた。

昨今の裁判を含むハラスメントの争いでは、訴えた側が有利な風潮がある。
誤解を恐れず言うと、仮に契約上弱い立場の者に何らかの非があったとしても、その非が問題になることは少ないように思われる。
録音や文書の証拠が残っていれば 尚のこと有利だ。
過去の裁判の中でそれを学習し、今度は自分たちがそれを利用しようと考えたのではないかと 関係者は話す。

2018(平成30)年8月、当時の大島産業は十分な下請業者の確保もままならない中で、関東の工事を受注、施工箇所が多岐に及ぶも十分な管理技術者の配置ができず 工程進捗に大幅な遅れが出ていた。
見かねたNEXCO中日本側の監督員が、休日返上で本来受注者がするべき業務を相当量手伝ったそうだが、大島産業が増員せず一切改善が見られなかったということを、複数の下請関係者から聞いた。

被告の監督員の肩を持つつもりはないが、受注しておきながら やるべきことをやらない企業の責任はどうなるのか。
最終的には施工不良を引き起こしている。
工程が決まっているのに、書類も出さない、出し方も分からない、手伝っても増員しない、急に下請がいなくなる、最終的には工期が伸びる、となれば、監督する側として 厳しい言葉の一つも言いたくなるだろう。



そうした状況下で、とにかく早く対応してほしいとの思いで送ったメールの内容が、管理技術者を罵倒し人権を侵害したという主張なのである。
第三者調査委員会の報告書には、「一部不適切な表現は見られるも 施工上の問題が生じている中、大島産業に書類の提出や修正の催促をする目的として正当なものだったと言える」と記されている。

今回の訴えは大島産業の社員個人だが、NEXCO中日本側は個人が単独で訴えたと受け止めていない。
本裁判で NEXCO中日本にパワハラがあった事を一部でも認めさせて、建設工事紛争審査を少しでも有利に進めたい狙いがあると見ており、全面的に争う姿勢だ。

NEXCO中日本にとっては当該工事が政治案件化し、副社長以下コンプライアンスを軽視したことが ブーメランになって返ってきている。
改めて社内のガバナンスについて考え直す良い機会になったことだろう。

大島産業については、このような類の裁判はマイナスと見る関係者が多い。
パワハラや施工不良、更に建設業法違反で処分されるなど、これまで定着した負のイメージは簡単に払拭できるものではない。
地元で建設業と運送業の営業を継続していくためには、こうしたイレギュラーな技を使うのではなく、地道に地域貢献をしながら信頼回復に努めていくことが重要ではなかろうか。

- 了 -

パワハラ企業のトンデモ裁判(前編)

㈱大島産業(宗像市)のCEOが、雇用していたトラック運転手を丸刈りにして高圧洗浄機で水を噴射したり、川に入るよう命じて打ち上げ花火で狙ったりした写真をブログで公開、慰謝料等を求め運転手が提訴し最高裁まで争い、2019年9月、大島に約1500万円の支払いを命じる判決が確定した。
当時これほど壮絶なパワハラが現実に存在し、CEO自身のブログで公開していたことが話題になり、関係者に衝撃を与えた。

丸刈りや土下座、パワハラ認定 1500万円支払い命ず(朝日新聞 2018年9月15日)

その大島産業の名前が 再びマスコミに登場したのが 2020年10月、あの文春砲だった。
NEXCO中日本が発注した中央高速道の耐震補強工事で 鉄筋不足等の施工不良が発覚、国会でも問題となった。

実は、発覚後約3年が経とうとしているのに、NEXCO中日本と大島産業の間で 未だ決着に至っていない。
当時施工不良の対応に追われたNEXCO中日本は、同年12月に大島産業との契約を工事途中で打ち切ったのだが、補修工事の費用も含め 最終的な支払額が未だ決定しておらず、建設工事紛争審査会の裁定に委ねているという。

そもそも当該工事は、当初の契約金額と工期が 5回に亘り変更になっている異例の工事だった。
当初契約金額は 6億0242万円、落札率74%で 低入札調査の対象となるほど安く受注したのだが、最終的に13億2910万円と 2倍以上に膨らみ、工期も1年以上延期されている。

その原因は、第三者調査委員会の報告書に詳しいが、工期遅れは下請の手配ができなかったことや、交通規制の保安費に4億5000万円が請求されるなど不透明な部分が多いことが記載されている。



→ NEXCO中日本 E20 中央道を跨ぐ橋梁の耐震補強工事施工不良に関する調査委員会 報告書(2021年7月22日)

当時のNEXCO中日本の副社長への忖度もあり、そうしたことが有耶無耶になったまま 契約変更が行われたのが2020年10月23日、文春によるスクープはちょうどその直後のタイミングだった。
調査の結果鉄筋不足が現実のものとなり、12月には契約を解除、約4億円をかけてNEXCO中日本は自ら補修工事を行なっている。

NEXCO中日本としては、水増し請求など積算が不透明なことも第三者調査委員会で指摘されており、補修費用の請求を含め 適正な支払いをしたいという立場、大島産業は 契約解除はNEXCO側の都合なので契約金額を支払ってほしいということで折り合いがつかず、建設工事紛争審査会で審査をしている段階だ。

こうした中、例の鉄筋不足の現場担当だった大島産業の管理技術者K氏が原告となり、NEXCO中日本の監督員や支社長らに対しパワハラを受けたとして二百数十万円の慰謝料を求める裁判を起こしていることが判った。
パワハラが認定された企業の社員が パワハラ裁判を提訴しているということで、実に興味深い裁判だ。

ー 続 く ー

「貯蓄から投資」と言われましても

小学校の頃、月に一回「貯金の日」に、児童全員がそれぞれおこづかいを学校に持って来て貯金するという日があった。
私も含め、児童の多くは 毎月100円程度を預けていたが、カバン屋のK子ちゃんは1回1万円を預けていて、その時初めて格差というものを肌で感じた気がする。

我が国では、コツコツ働いて将来のために貯金をすることが美徳とされてきた。
バブル後長期間続いたデフレの時代はそれでも良かった。
しかし、ウクライナ戦争を機に物価が急上昇を始めると、貯蓄で買えるモノの量が目減りしていくことを知る。
私の頭でも貯金だけじゃダメだと分かる。

岸田総理は6月、今年を「資産所得倍増元年」とし、「貯蓄から投資へ」のシフトを大胆かつ抜本的に進めていくと発表、資産形成の重要性を国民に訴えた。
そう急に言われましても、どうしたらいいか分からない。

これまでも株やFX、投資信託で儲かったという人をあまり聞かないし、世の中には投資詐欺が溢れている。
〇〇ファンド、仮想通貨、ネットワークビジネスなど数えきれない投資話、あぶく銭がある人が真っ先に引っ掛かるが、なけなしの貯金まで吸い取られれる者や、借金までして自殺に追い込まれた学生もいる。

政府が投資を推奨するとなれば、今後もっと巧妙な投資話が出てくるだろう。
彼らは心理戦に長けていて、組織的で素人の何倍も上を行く。

つい最近の話だが、2年前にネットワークビジネスで散々な目にあった60代後半の婦人が、〇〇〇〇プロジェクトなる投資案件に600万円つぎ込み、知り合いにも勧めていると聞いた。
何でも新しいクレジットカードを作る100億円のプロジェクトに投資するというもの、そもそも そんな上手い話なら企業が投資すればよいのに、一般のおばちゃまから集めているところが怪しい。

政府におかれては、学生は勿論だが一般国民に向けの金融リテラシーを身に着ける施策に取り組むようお願いしたい。
それと、詐欺は立件しにくいというが 抑止になるような厳罰化も同時に考えるべきだ。
それがないと、国民は路頭に迷うばかりである。

政治と介護施設の深い関係 ⑬

介護サービスに従事しておられる方は 日々の業務に真剣に取り組んでおられる。
問題は 介護事業を政治に利用する政治屋、そして それに協力する経営者、中には政治屋自身が介護事業の経営者のケースもある。

地方議員やその家族が社会福祉法人の理事長を務めているケースは多い。
そこでは、特別養護老人ホームほか、デイ・サービス、訪問看護ほか様々な介護サービスを行うほか、法人によっては 障害者福祉まで手を広げているケースも。

そこで雇用されている人、サービス利用者、そして その家族まで含めると相当数に上る。
これだけで、選挙の際、他の候補者に比べ アドバンテージがあるかお分かりだろう。
だからこそ、介護を政治に利用していると誤解されないよう、議員活動と介護事業との線引きを明確にするべきではなかろうか。



永原町長の凄いところは、福岡県介護保険広域連合のトップになり事実上の許認可権を掌握し、政治利用の仕組みを確立させたことと言われている。
広域連合に加入している33自治体では、永原連合長(町長)が判を押さなければ、新たに介護サービスを始めることはできない。

今でこそ永原町長と歩調を合わせている佐々木県議であるが、関係者によると、県議なりたての頃は反永原だったが、両親が介護施設を経営しているため どうしても敵に回せなくなった事情があるようだ。
そこで止まってくれていれば良かったがそうはいかなかった。

既報の通り、永原町長の肝煎りで発足した任意団体「田川地区介護サービス事業所協議会」の会長に佐々木県議の母親が就き、昨年12月には 会長名で「次期選挙で 二場公人市長と佐々木允県議を推薦する」旨の文書を会員に送付している。

更に、田川市長選の最中、佐々木県議の兄が経営する有料老人ホームの不在者投票の当日、現職の二場公人候補が訪ねて来て挨拶を行った上、法定ビラではなく後援会チラシを配布するという、2重の選挙違反を行っていた。
選挙違反を承知で訪ねてきた二場氏が一番悪いが、それを許した施設の経営者も同罪と言えるだろう。

結局、佐々木県議の家族が 介護事業を政治利用していたことに他ならない。
親分からの指示があったかどうかはともかく、それぞれの責任で行っており同乗の余地はない。
ここまで来ると、母親が経営する施設でも同様の不正はなかったかとか、不在者投票が法令を遵守して行なわれているかなど様々な疑問が湧いてくる。

佐々木県議のケースは、議員活動と介護事業との線引きを明確にしていない わかりやすい一例である。

ー 続 く ー


陸田議長が経営する介護施設に掲示された看板

予想的中!東洋建設が落札

田川郡添田町では10日、学校建設の「再入札」が行われ、1者のみの入札となり東洋建設㈱(東京都)が落札した。
指名競争入札で22者が指名されたが 21者が辞退、予定価格 51億1483万4000円(税抜)で 落札価格が 51億1480万0000円(税抜)、落札率 99.9%だった。

ところで、弊社の関連会社では 有料会員向けに週2回のペースで情報を出している。
8月3日付の情報で、同入札における落札する企業を予想していたところ、見事的中した。

以下 会員向け情報の内容。




添田町の学校建設工事であるが、8月10日に再入札が予定されており、その行方に関心が集まっている。
前回の入札は5月31日、一般競争入札(予定価格44億1499万1000円)で行われ、飛島建設、東洋建設、村本建設の3者が申し込むも、前日までに東洋建設と村本建設が辞退、飛島建設の1者入札となったが 金額が55億5600万円、約11億円も超過する額で不落に終わった。
(中略)
町は多くの事業者の参加を見込んでいる様だが、業界関係者は 「大任町周辺の建設工事は、下請や建設発生土の処理で〇〇〇〇が絡んできて面倒なことに巻き込まれるのが分かっているので、真っ当なゼネコンなら辞退するだろう」と話す。

面倒を承知で1回目の入札に申込みをしたのが 飛島建設、東洋建設、村本建設、このうち11億円超過した飛島建設は、2回目増額となっても価格に乖離があり格好がつかないので 辞退か。
それでも参加してくれば本命だが、企業イメージが悪くなるだろう。

弊社の本命予想は東洋建設、東洋建設と村本建設は1回目で辞退したが増額になったので意欲を見せても不思議ではなく、特に 東洋建設は大任町で汚泥処理施設(水道機工)とゴミ焼却施設(タクマ)の工事下請に入っており、面倒な環境への対応は経験済みだ。




予想が的中した。
競争して落札額を下げたい町の思惑とは裏腹に、1者入札で満額での落札となった。
東洋建設と言えば 経営権をめぐる争いで何かと注目されているが、学校建設など実績には申し分ない企業だ。

東洋建設の実績はこちら

東洋建設におかれては、後世まで誇れる素晴らしい学校(作品)に仕上げて頂くと同時に、下請には ゴミ処理施設等で潤っている隣町の業者ではなく、添田町の業者を使い地元に還元するよう配慮頂きたい。

清潔な県議会議員が必要です

今どき珍しく自己主張の強いチラシを見つけた。
3期目にして県議会副議長の椅子を手にした佐々木允県議のチラシだ。

県議会議員は多くの権限を持っており、発言や行動は地域に大きな影響を与える」らしい。
初めて知った。

また、「政務活動費の不正や、汚職事件、そして不誠実な態度は、政治の不振と疑念を増幅させている」とある。

ここ数日、風力発電で現職国会議員が特定の業者に有利になるような質問をして賄賂をもらったというニュースが飛び交っており、再エネ利権の闇が浮き彫りになった。
確かに政治不信と疑念は増幅している。
「不誠実」な態度は本当にけしからん。

さらに、「もう私たちは気づいているはずです。利権や自己の利益に執着した政治ではなく、清潔で誠実な政治をつむいでいくことの大切さを。」と書かれている。

大任町とそれになびく地方議員を見ていて、つくづくそう思う。

田川市には清潔な県議会議員が必要です。

今日のところはノーコメントで。

鉛筆なめなめ、どうにでもなる理由付け

国道3号広川八女バイパスは、今年度 5000万円の調査費が予算化され もう止められないところまで来ている。
しかし、国や県、自治体から漏れ聞こえて来る担当者たちの本音は、「こんな仕事やりたくない」と共通する。

この計画は、市長の弱みを握るタカハシという土地ブローカーが 自身の土地を通すよう要求したことから始まったものだ。
そして、バイパスが通る話など何も出ていない頃に、藤丸敏議員が「古賀先生がバイパスを持ってきてくれた」とか、広川町の渡邉元喜町長が「バイパスを上広川小に当てて国のお金で建て替えさせる」と発言していたが、今はその通りに事が進んでいる。
いずれも選挙前の発言で、リップサービスのつもりだったかもしれないが、こうした証拠・証言が残っている。

こうした経緯は 弊社が既に報じており、国の役人も県や市町の職員も 弊社の記事をチェックし把握しているそうだが、弊社に対して役所から反論もなければ、関係者から提訴されてもいない。
全て事実だからだ。

国民・県民の血税を使って、無駄な道路が作られようとしている。
いかに、この計画が利権まみれで 道路行政で公平性を欠いているかを書いているので、是非とも過去記事を参考にして頂きたい。

弊社記事→ 歪んだ3号線広川~八女バイパス



さて、同バイパスについての国の新規事業採択時評価の内容が公表された。
試算された事業費(C)は 272億円、それに対し 総便益(B)は 342億円、いわゆる費用対効果(B/C)は、
272億÷342億 で 1.3、1を超えたことで事業を進める価値があるということだ。

これまで B/C が1を超えたことを根拠に、数えきれないほどの公共事業が進められてきた。
完成後 利用が少なく明らかに無駄だったと言える事業も枚挙に暇がないが、役所が当初の事業見込みを再検証したとか 反省したというニュースは記憶にない。
B/Cは 結論ありきで 1を超えるように 鉛筆を舐めればどうにでもなるが、誰も責任を取る仕組みがないから 繰り返される。

例えば総便益 342億円というが、その前提の作り方で計算が違ってくる。
地元の人の話を総合すると、「このバイパスができても一般の車両は 現国道沿いの店舗や公共施設に用事があり、わざわざバイパスは使わない。久留米方面に急ぐ人は 県道82号線(久留米立花線)を利用しており不便はない。バイパスができて喜ぶのは 熊本方面へ行き来するトラックだけ」ということだ。
また、仮にバイパスの交通量が増えると、広川町の県道82号線や国道3号線で久留米方面に右折する際、混雑が予想されるので、敬遠するのではという声も出ている。
前提が違えば 総便益342億円が著しく減少する。

また、事業費が272億円というが、地元国会議員が建設会社の社長に 600億円と吹聴して回っていたことが分っている。
建設が始まってから工事費を増額する確信犯的な手法は以前から使われており、400億500億と増額していくのは間違いない。
なぜなら、政治家が有権者に嘘をついてはいけないからである。

総便益が減り事業費が増えれば、B/Cは一気に1を切り、事業を進める根拠は消滅する。
このように、B/Cは全く意味のない数値だが、結論ありきで1を超える積算をして、それを錦の御旗にして事業は前に進められていく。

それを指をくわえて見ているしかないのが現状で、タカハシや一部の政治家たちの高笑いが聞こえてくる様だ。
「こんな仕事やりたくない」という本音を殺して 業務を進めている公務員の皆さんは気の毒でならないが、内部から声を上げてほしいという期待もある。
利権絡みで公平な手続きを経ていない無駄な道路と知っているのに声を上げないなら、「役人も奴らの片棒を担いだ」と言われても仕方がないのでは。


- 了 -