吉田・高島・木下3氏の争いか 31日告示の福岡市長選 [2010年10月29日10:51更新]

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高島宗一郎氏(左)と木下敏之氏11月14日投開票の福岡市長選は31日、告示を迎える。

現職の吉田宏市長をはじめ8人が出馬を表明するという大混戦。新人候補の乱立は一般的には現職が有利とされるが、その中でも元民放アナの高島宗一郎氏(写真左)と元佐賀市長の木下敏之氏(同右)が吉田氏を追い上げている。

約2週間に渡る選挙戦は事実上、この3人を中心に展開することになりそうだ。



 

マスコミの世論調査や各陣営の情勢分析などを総合すると、吉田氏と激しいトップ争いを演じているのは自民党推薦の高島氏。若さと知名度を売りに現職に肉薄、今後の活動次第では十分当選圏内にある。

正式な出馬表明は9月、公約発表も最近になってからと出遅れただけに、今後は自ら掲げた公約内容についていかに有権者の理解を得られるかがカギとなりそうだ。ただこれまでのところ新人としては思いの外、街頭演説などでの露出が少ない。

ことあるごとに「自治体の発信力」を強調する高島氏。だが今月17日に開催されたマニフェスト討論会では、政策内容そっちのけで発信力を連呼する同氏に、会場内からは失笑が漏れた。同27日にRKB毎日放送が放映した討論番組では、大学生から「発信力より中身の方が重要」と指摘され苦笑する場面も。

こうした状況から選挙直前まで露出を最小限に抑える可能性もあり、陣営の方針によっては最後の「伸び」に大きな影響が出るかもしれない。

 

2人を追い上げているのが木下氏。民主党の推薦を得られず、資金面や知名度の点で難があると見られていた。それでも佐賀県人会などを中心に着実に支持を拡大、民主の支持基盤である一部労組なども取り込み、現在3番手に着けている。

今後はいかに知名度を上げられるかが最重要課題なのは間違いなく、陣営では可能な限り街中での露出を高める方針。選挙戦に突入すれば確実に票の上積みが期待でき、侮れない存在だ。一方で、マスコミによって選挙戦が吉田・高島両氏の一騎打ちの構図と報じられれば、その影響で両者の間に埋没する恐れもある。

 

4番手の元市幹部・植木氏。自民など保守系会派の推薦を得られなかったことが影響し、資金面でかなりひっ迫しているのが実情で、陣営内や支持者からは一時「撤退するべき」との声が上がったほど。最終的には出馬を決断したが、厳しい選挙戦を強いられることになりそうだ。