社交ダンスでボランティア活動 コスモスダンスアカデミー [2010年11月19日13:49更新]

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(10年10月号掲載)

楽しそうに踊るサークルのメンバーたち男女ペアでワルツやタンゴなどの音楽にあわせて踊る社交ダンス。戦後、若者を中心に広がったが、華麗な競技ダンスの一方で、近年は中高年が健康づくりを兼ねた楽しみとしてダンスに興じる例も多くなった。

特に1996年の映画「Shall we ダンス?」の大ヒットで社交ダンスは広い年齢層に広がっている。 



そんな社交ダンスでボランティア活動を行っているグループがある。福岡市東区のダンス教室「コスモスダンスアカデミー」の会員でつくるコスモスボランティアサークルだ。

 

サークルができたのは3年前。「会員さんの中から『自分たちで楽しむだけでなく、何か人のためになることをしたい』という声があがって、介護施設などへの慰問を始めました」と教室主宰の黒田眞二さん。 

黒田さんはダンス歴33年。競技ダンス一筋に精進し、全九州大会のファイナリストを務めるなどプロダンサーの実績を積んで、10年ほど前に現役を引退。現在は福岡県社交ダンス教師協会会長として後進の指導に当たっている。 

「教室の会員さんにはプロを目指す人もいますが、最近は健康やダイエット、いい音楽に身をゆだねる癒し─などを求める中高年の方が増えました。そうした方たちの間から、人のためにも役立ちたいという声があがるのは自然な流れかもしれませんね」と黒田さん。 

 

ボランティアサークルのメンバーは約50人。中心は60~70歳代で、最高齢は85歳の男性という。同じ高齢の人が踊るとあって、さまざまな施設から依頼が相次ぎ、年に6回は慰問演奏を行っているという。

今年は4月に福津市の宮城病院、6月に福岡市東区の介護老人施設「ローズガーデンM.K」、7月には宗像市の通所介護「ライズ」と福岡市西区の老人保健施設「春風」、9月には古賀市の社会福祉法人豊資会「ハイマートどんぐりの森」を訪れた。 

「どんぐりの森」では、関連施設に住んだり通所している高齢者約40人が見守る中、ボランティアサークルの約30人が「茶摘み唄」や「しゃぼん玉飛んだ」など懐かしい曲から始まって、ワルツやルンバなど華麗な舞を披露した。 

 

サークルメンバーの1人、川畑タツ子さん(67)は60歳の定年を前にダンスを始め、今年で11年目。

「長年働いてきて、定年を迎えたらどうしよう、定年後もずっと続けられるもの、楽しく体を動かせて仲間ができたりするものはないかしらと考えていると、この教室の看板が目に入ったんです。やってみたらとっても楽しくて、頭が重いなあと思った日でも踊ったらすっきり。癒されているという感じですね。ボランティアサークルに入って、社会貢献という意義も見つかってすごくハッピーです」 

今年は12月にも慰問の予定が入っている。「依頼されたら基本的に断らないようにしています。もちろん皆さん手弁当。プロの教師もボランティアで参加しています。ダンスの楽しみが少しでも広がればいいと思っています」と黒田さんは言う。 

【問い合わせ先】 HPはこちら
コスモスダンスアカデミー  福岡市東区香椎駅前2-11-9谷口ビル4F
電話092-681-9375