シニアボランティアを育て、つなぐ シニアフレンズ福岡 [2011年3月11日10:48更新]

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(11年2月号掲載)

演奏を披露する「夢エンタークラブ」仕事をリタイアしたシニアの間にボランティアの機運が広がっている。しかし、「何をやったらいいのか」また「どんなところで役に立てるのか」などの戸惑いも多い。 

そんなボランティア予備軍のための講座を開催したり、すでに活動している個人やグループのボランティアに活動場所を紹介するなど、ユニークな活動を行っている組織が福岡市にある。同市中央区赤坂2丁目の市立中央市民センター内に事務局を置く「シニアフレンズ福岡」である。 



シニアフレンズ福岡には現在、福岡・博多の歴史散歩などをガイドする「福岡歴史探訪ガイド」、高齢者福祉施設での会話ケアを行う「シニア傾聴ボランティア コスモス」、同じく高齢者福祉施設などで手品や演芸を披露する「夢エンタークラブ」(写真)、環境エコ工作の「ハンドメイド・シニア」、太極拳や養生功などで高齢者や障がい者、子どもたちの健康づくりを手伝う「健康づくりL・G会」など19グループが登録、事務局に寄せられる派遣要請に応えている。 

活動場所は福祉施設のほか、公民館、小学校、留守家庭子ども会、また史跡の現地探訪会などもあり、2010年4月から9月末までの半年間に333カ所、参加ボランティアはのべ1193人にも上っているという。 

一方、ボランティア養成では、音楽を使ったレクリエーションで介護予防、健康増進を図る「音楽レクボランティア養成講座」、手と脳のトレーニングとなる「ぬくもりお手玉塾」、黒田家の古文書などを読み解く「古文書に親しむ講座」、デジカメ写真の加工を学ぶ「はつらつデジカメ活用講座」、ふろしきや着物、古布を活かした作品づくりの「和の美をエコで創る塾」、歴史を学ぶ「講談調 人物歴史講座」など多彩な講座を開設している。 

「皆さん、本当に楽しんで活動なさっています。シニアボランティアは相手を楽しませ、活性化させると同時に、自分自身も活性化させる効用があるんですね。ボランティア養成講座にはどこも定員を超える応募があって、何かしたいと考えるシニアが増えていることを感じます」と事務局長の中島令子さんは話す。 

こうした活動の源流は1972年に開設された福岡県の「老人大学と同大学院」。これを受けて中央市民センターで学んだ成果の一部を社会に還元する活動が始まり、98年度からはより充実した講座を目指して「福岡市シルバーカレッジ」と名を変えた。2000年度にはシルバーカレッジOB会4グループ(92人)が現在のシニアフレンズ福岡の基礎となる活動を始めたという。 

「現在の事業は福岡県の『ふくおか高齢者はつらつ活動拠点事業』の委託を受けて福岡市が実施しているんですが、4月からは新たに2グループが加わり、派遣要請も増えていることから、ますますシニアボランティアの活動範囲が広がると思います」

【問い合わせ先】 
福岡市立中央市民センター ℡092-714-5521