お粗末な民主・自民 結局「麻生知事の舎弟」に相乗り(1) [2011年3月17日12:13更新]

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(11年2月号掲載)

福岡県庁麻生渡知事の不出馬を受け、民主・自民両党が独自に候補選定を進めていた県知事選。二転三転の末、両党が小川洋氏に事実上「相乗り」することで決着した。 

一時は独自候補の擁立に積極的だった民主。小川氏擁立の動きがいったん白紙に戻り、有力県議の推薦が決まりかけた自民。それがなぜこのような無惨な結果となったのか。

知事選候補をめぐる一連の騒動を振り返る。



腰抜け民主  

2月12日に開かれた常任幹事会(常幹)で小川氏支持の方向が確認された民主県連。

関係者によると、常幹に先立つ選考委員会で、民主推薦候補が惨敗した名古屋市長選と愛知県知事選(同6日)を踏まえ「単独で知事選を戦える状況にない」として独自候補擁立を断念すべきとの意見が出され、すんなりまとまった。

これを受けた常幹でも「候補を立て断固戦うべし」とする“主戦派”ごく少数だったという。 

 

昨年10月、麻生知事が知事選への不出馬を表明。前回も対立候補を擁立した民主県連は、政権与党となって初の知事選へ向け、早速候補選定を開始した。その直後に浮上した小川氏について同県連は早々に“ダメ出し”。

それだけに、今月に入って小川氏が推薦願を出し、大久保勉参院議員らが推した際も「1度消えた人物を再び担ぐとは」との反対意見があったという。それが、愛知の2選挙に象徴される「逆風」に押し流されてしまった。 

「まったく情けない。わが党はまさに危機的な状況だ。これでは有権者の心は離れていくばかり」。ある国会議員は悔しそうにこう語る。

またあるマスコミ記者は「これでは事実上の不戦敗。民主の腰抜けぶりには呆れ返りましたよ」

県議の1人相撲   

「蔵内県議が出馬意欲」。一部マスコミが1月末、自民県議団の最高実力者、蔵内勇夫氏が知事選へ出馬する意向だと報じた際、関係者からは「まさか」と驚きの声が上がった。 

同県議の名は昨年夏ごろから、一部で取りざたされていた。一方で多くの関係者が出馬に懐疑的だったのも事実だ。

「蔵内氏は県議会最大会派のトップとして麻生知事ら県執行部と良好な関係を築き、散々美味しい思いをしてきた。そんな『影の実力者』が今さら日の当たる場所に出るという愚を冒すとは、まず考えられない」(前出マスコミ記者)。
【編注】「ナベちゃんの福岡政界トラの穴 特別編 福岡県議会の実態」参照

同県連の選考委は2月5日、蔵内氏を推す方針を決めたが、同氏はその後「分裂を避ける」として撤退を表明。このほど、県議選へ立候補することをあらためて表明した。蔵内県議の“1人相撲”は自ら幕を引く形で終演した。 

(続く)