「代理人」疑惑で別府市長 知らぬ存ぜぬ一点張り(2) [2011年4月14日13:32更新]

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(11年3月号掲載)

別府市議会で答弁する浜田市長(ネット中継より、3月8日)翌3月8日には池田康雄・別府市議が「私は県民新聞から取材を受けた。(本紙記事中の)元側近とは私のこと」と明らかにし「06年2月、X社長がイズミ側に『下請け業者を一任してほしい』と要請、その場で浜田市長に電話して確認したため、仕方なく約束したとの情報がある」と追及。

浜田博市長は「そんな電話は記憶にない」 

池田市議はまた、イズミが建設すると約束しながら未着手のシネマコンプレックス(施設内に複数のスクリーンがある映画館)に関連し、浜田市長の任期中に必ず建設するとの確認書を交わす過程で08年2月20日、イズミ側関係者とX社長らが市長の応接室で話し合いを持った件について質問。



副市長は「(市長室には)いろんな人が来る。X社長が来たかどうかははっきり分かっていない」と答弁、浜田市長も「確認書は私が再三再四、イズミ本社を訪れて交わした」とした。 

さらに池田市議は「市職員や後援会関係者の中には『市長はなぜ、ここまでX社長を重用するのか』といぶかる人がたくさんいる。もしあなたに一点も非がないのなら、市長の権力・名前を使ったX社長の行為を告発すべきだ。さもなければ市民から同じ穴のムジナだと思われる」と追撃。市長はこれには答えなかった。

X社長と浜田市長との関係は?  

今回の疑惑で最も重要な点はすでに本紙が指摘した通り、浜田市長とX社長との関係である。議員の追及に対する市長の答弁は知らぬ存ぜぬの一点張り。だが残念ながら、多くの市関係者らが両者の親密な間柄を認めているのが現実だ。 

毎日新聞(3月8日付)によると、浜田市長は議会後(7日)のマスコミ取材に対し「(覚書は)初めて見た。こんな金のやり取りがあれば大問題だが、実際にはないと思う」と答えた。その上で市長は9日の議会で「本人に問い合わせたが『そういうことは一切ない』と言っている」と答弁した。 

市長は遅くとも、本紙が質問状を送った2月8日には金銭授受の疑惑を把握したはずなのに、なぜこれまで確認しなかったのか。

また、X社長の「一切ない」との言葉は明らかな嘘だ。本紙は地元企業Q社がX社長に現金を渡した金額と日付を特定しているが、情報源秘匿のために詳細を書いていないだけである。 

本紙記事に関するX社長側からの抗議や訂正要求はまったくない。同社長をよく知る関係者によると「X社長はこれまで、ゆめタウンの職員・テナント専用休けい室に頻繁に現れてはわが物顔で居座っていたが、最近は全然顔を見せなくなり連絡も取れない」という。

疑惑取材の発端  

本紙報道に対し、別府市民からいくつか反響があった。中には、市長選前であることから「現職を中傷し対抗陣営に肩入れするつもりか」といった批判もいただいた。そこで、本紙がこの問題を報じるにいたった経緯について説明したい。 

筆者はかねがね、別府の街づくりについて興味を持っていた。高度成長期に発展を遂げながら時代の変化で一度は衰退した有名観光地。それが今、多くの若者が街の活性化に取り組み成果を上げていると聞いた。

福岡のテレビ番組で映し出された趣深い街並みやB級グルメにも魅力を感じ、1月下旬に別府を訪れた。

(続く)