統一地方選こぼれ話(2) [2011年5月25日12:33更新]

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  (11年4月号掲載)

福岡市役所

福岡市議選・中央区で次点に泣いたのは、自民推薦の新人候補。選挙戦序盤には麻生太郎・元総理が応援に駆け付け支持者らの話題を呼んだ。

自らの地元ではない福岡市の、しかも新人のために元総理が貴重な時間を割くのは異例。

「自民県連内では現在、山崎拓氏が浪人中で、麻生氏と古賀誠氏が主導権争いを展開している。元総理としては1人でも多くの子分がほしい。それでわざわざ出張って来たんですよ」(あるマスコミ記者)。 



元総理を初めて間近に見る支持者も多く効果は十分あったように思われたが、わずか162票差で涙を飲んだ。「元総理の威光が衰えたと言うよりは、まあ、タマが悪かったということでしょうね」(同)。

女性スキャンダル  

同市議選で南区から立候補したある保守系現職。「昨年、事務所の女性との“不適切な関係”が夫人にばれて三行半を叩きつけられた。その話が支持者間に広がり特に女性から激しい反発を食らって往生していた」(ある選挙通)。

この現職は何とか当選を果たしたものの、前回から大きく得票数を減らした。 

ほかにも夫婦間の問題や女性関係のトラブルを抱えている候補は何人かいたようだ。それが原因で落選─とまでは行かなかったが、こうしたスキャンダルは男性政治家にとって命取りになりかねない。十分気を付けていただきたい。 

厳しい少数政党  

今回の選挙戦は全体的に少数派の政党、会派に厳しいものとなった。 

県議選では社民、共産両党が議席を失い、福岡市議選ではふくおかネットワークの3候補が全員落選。初参戦で注目されたみんなの党も県議選で全敗、同市議選でも当選は3人に止まった。

一方、支持率が低迷している菅内閣の影響が懸念された民主は、ふたを開けてみれば県議選で得票率が上昇、福岡市議選でも改選前の議席数を確保した。「第3極」を目指す政党が有権者の広い支持を得るには、まだまだ時間が掛かりそうである。 

そんな状況にもかかわらず、同市議選博多区で返り咲きを果たした社民の元職、高田保男氏が関係者の話題を呼んだ。前回、次点に終わった高田氏は捲土重来を期し、地元でこまめな活動を続けてきた。

その時々に吹く風に乗ろうと所属政党を替える者もいる昨今、政党への支持と議員に対する支持は必ずしも一致せず、結局は普段の地道な活動が有権者の支持を得る最善の道であることを、同氏の当選は示している。