放言騒動の真相は? 引責辞任の松本龍・前復興担当大臣(1) [2011年7月28日11:18更新]

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(11年7月号掲載)

陳謝する松本前大臣(NNNニュースより)東日本大震災に絡み、被災地首長らへの「放言」で辞任に追い込まれた松本龍・前復興担当大臣(福岡1区選出)。

その発言内容や態度がマスコミで取り上げられると被災地や永田町だけでなく地元福岡でも大きな反発を呼び、同氏の事務所には抗議のメールや電話が殺到したという。 

一方で、松本氏をよく知る人物からは一様に「あんなことを言う人ではないのだが」と戸惑いの声が。様々な憶測が飛び交う中、関係者の証言を集めた。



自殺未遂騒ぎ  

「松本前大臣、自殺未遂か」。こんな情報が一部関係者の間を駆けめぐったのは7月11日深夜、突然の辞任劇から6日目のことだった。

実際には体調を崩して地元の病院に入院しただけで「休養のためであり、自殺未遂では絶対にない」(同氏事務所)。ある東京の政治担当記者はため息混じりに語る。「心労が相当たまっていたのでしょう。初代復興担当大臣というポストは松本氏には荷が重すぎた─今となってはこう言うしかないですね」 

問題の発言があったのは7月3日。復興担当相就任後で初めて被災地入りし岩手県・達増拓也知事、宮城県・村井嘉浩知事とそれぞれ会談を行った。

その際、達増知事には「九州の人間だから何市がどこの県とか分からん」「知恵を出したところは助けるけど知恵を出さないやつは助けない。そのくらいの気持ちを持って」

また村井知事には「お客さんが来る時は、自分が入ってから呼べ」「県でコンセンサスを得ろよ。そうしないと、われわれは何もしないぞ」などと発言した。 

これに対して村井知事が「国と地方自治体には、主従関係はない」と不快感を示したほか、被災地や野党からも反発・非難の声が相次いだ。松本氏は同5日、菅直人総理に辞表を提出した。

 なぜあんな発言を?  

「内容だけでなく口調、態度も最低」「同じ九州人として恥ずかしい」

一連の発言、騒動を受け、地元福岡でもこのような批判の声が上がった。博多区の同氏事務所には数日間、抗議のメールや電話が殺到、日常業務に支障を来すほどだったという。 

ところが、松本氏をよく知る関係者は、「ああいったことを言う人ではない、考えられない」と、一様に首を傾げる。 

(続く)