本県出身の鳥越俊太郎氏 がん闘病記を出版 [2011年8月8日11:07更新]

タグで検索→ |

noimage

(11年7月号掲載)

鳥越俊太郎氏の闘病記「がん患者」吉井町(現うきは市)出身のジャーナリスト、鳥越俊太郎氏(71)がこのほど、自らのがんとの戦いをつづった闘病記「がん患者」(講談社、定価1600円=税別=、写真)を出版した。  

人間は、自分ががんに侵されているとわかったとき、何を考え、治療ではどのような難問に遭遇し、何を痛み、どのような辛さを抱えて生きて行くのか? そのとき最も身近にいる家族は何を思うのか? 自分ががん患者になった以上、冒頭にあげたような疑問に応えようと思った。(あとがきより) 



鳥越氏に大腸がんが発見されたのは05年9月。腹腔鏡手術を受けて仕事に復帰したが、07年にがんが肺に転移していることが判明。09年には肝臓にも転移、計4回の手術を受け、そのたびに現場復帰を果たしてきた。 

同書はベテランジャーナリストの鳥越氏が、がん患者となった自分自身を「取材対象」とし、冷徹な記者の眼で観察、記録したもの。手術や術後のリハビリ、医師とのやり取りや抗がん剤との戦いなど、患者としての体験が詳細に描かれているほか、死への恐怖や家族への思いといった自らの内面にも踏み込んでいる。

 

鳥越氏は京大卒業後、毎日新聞社に入社。テヘラン特派員、サンデー毎日編集長などを経て1989年、退社。活躍の舞台をテレビに移し同年、テレビ朝日系列の報道ドキュメンタリー番組「ザ・スクープ」の司会に就任。2001年、「桶川ストーカー殺人事件」に関する報道で日本記者クラブ賞を受賞した。 

がん発見以降は患者やその家族らを対象に講演を行ったり、09年にNPO法人「がん患者団体支援機構」の理事長に就任(翌年に退任)するなど、支援活動を続けている。また新しいことにも積極的に挑戦しており、昨年からはスポーツジムや社交ダンス教室に通い始めたという。 

鳥越氏は07年の東京都知事選の際、民主党から立候補の打診があったが、病気を理由に断った(同書内で経緯について言及)。今年4月の福岡知事選でも、一部関係者の間で名前が取りざたされていた。

★8月号で鳥越氏のインタビューを掲載予定