天秤 [2015年9月9日10:04更新]

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 世の中には色々な試験があるが、悪を摘発して裁く司法の要、司法試験で不正があったとは驚きである。
受験する側が行ったカンニングならまだしも、今度の事件は、問題を作る側の大学教授が行った不正で、教授が長年に亘って築きあげた現在の地位、それを賭けてまで問題を教える価値があったのか。
漏えいした教授は67歳、地位もあり相応の収入も保証されており、また退職後は孫に囲まれ、悠々自適の人生を送れたはずなのだが。
学問の道に関しては精通して、素晴らしい知識の持ち主でも、世間一般の常識には疎く、俗に学者馬鹿の言葉がある様に、普通の人たちの考えからはかけ離れているケースも多い。
司法の公正さを表すシンボルとして、よく天秤はかりが出てくるが、老教授は人生の全てを乗せた重さを、十分認識していたのだろうか。