好評につき~口福探訪シリーズ⑤~カレー編 [2015年10月6日10:43更新]

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7月30日にオープンしたカレー店の評判を聞きつけ、北九州に飛んだ。小倉駅から徒歩数分程度のオフィス街に佇むその店は、名をサンタクロース亭といい、ネーミングに違和感を感じたものの、のちにホームページで由来を見るに思わず膝を打った。ロケーション的には近隣には飲食店も多く其々が個性を競い合っているエリアにある。

【インド人のカレー観】
◆旧知仲にある在日インド人は言う。カレーは、ナンやライスがおかずで、ルーが主食であると。『僕ら(インド人)は、毎日カレーを食しているからこそ、毎日食せる味が大切。一か月に一回食べたいと思うようなものではいけないし、“たまに食べたくなるものは身体に良くない”という言い伝えもある。』流石にカレーになると熱い想いが込められるようだ。更に、『日本人の考えるカレーって、ご飯がないと食べれないものばかり。これは絶対に違う。本場ではルーこそが主食だから、ライスが無くても食せるよ』。サンタクロース亭を後に、私は初めてその意味が解った。

【待ち時間】
◆訪店は、平日の13時を回ったところであったが、店内は満席状態で、入り口付近の長椅子にて順番を待つ。ヒートテックならぬ“ミートテック”を身にまとう愚生とっては暑い中、空調の利いた店内で、着座での順番待ちは大変助かる。車の往来が多い店外に客を並ばせたくない。安全にお待ち頂きたいという店側の気配りが透けて見える。着座した目線での視界には、整然と並ぶ無数のスパイスボトルが目に入り、自然と味に対する期待が膨らむ。客層は場所柄サラリーマンが中心と思いきや、御老体やマダム集団など一定の傾向は見られなかったものの、その全員が皿と口との間を物凄い勢いでスプーンを行き来させており、しかもその目は真剣そのもの。「一体、どんな味力に憑りつかれているのか?!」店内に漂うスパイスの香りが想像と期待にブーストを掛ける。

出番を待つスパイス群

【オーダー】
◆行列三番目の私が呼ばれるまで五分とかからなかった。メニューは至ってシンプル。ルーのみのスタンダードなオニオンカレーとカツカレーの二種類。カツのトッピングは、1枚から3枚まで選べる。私は、自称グッドシェイプを維持するために、カツカレー二枚乗せをオーダー。


◆待っていると、隣席の御婦人方が水飲みコップを「バカラみたい。高そうねぇ~」と品評している。見れば確かに高級感が漂う。手に取っても重量感がある。私は、その店の味を評価するために、先ずは水を吟味するのだが、ここの水は合格。スッキリとしてサラサラと口腔内に染み渡る、正にカレーに合う淡水。こだわりがあるのかは聞き忘れた。このような小さな納得の積み重ねが、大きな満足へと繋がるものだ。


(続く)