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地下鉄西新駅から西新商店街を抜けて高取商店街に入る。そのまま藤崎に向かう道すがら、右手に現れる伝統的商家建築「伊佐家住宅」。 江戸時代末期の建築と推定される「主屋(しゅおく)」と明治36年建築の土蔵が今年7月に国の有形文化財に登録された。 今も4代目のご家族がお住まいであり敷地内の土蔵および主屋の内部は一般公開されていないが、通りに面した主屋の見事な外観からもその価値は伺えるというものだ。 木造2階建ての外壁は漆喰塗りや下見板張り、出格子などで構成されており、伝統的商家建築の姿を有している。いつか機会があれば、ぜひ土蔵や内部もじかに拝見したい。 現在、西新商店街から藤崎までをにぎやかにつなぐ高取商店街。もともと唐津街道と長崎街道が交差する地として古くから栄えていた。この早良区高取には伊佐家住宅と同年代の建築と思しき民家が点在しており、 高取焼の窯元や 紅葉八幡宮などの 黒田藩ゆかりの名所や周辺の旧跡も充実している。 また伊佐家住宅に程近いサニー高取店2階<文化センター高取>内には「高取ミニ博物館」もあって、古代~中世の遺跡から発掘された出土品などが可愛く展示されているので、 考古学的な興味がある方はのぞいてみられとよい(あくまで可愛いミニ展示ですのであしからず)。 以上、福岡市都市圏にあって存外なポテンシャルをもつ早良区高取とその周辺。予定の無い秋の休日などに、ぶらりと散策するのはいかがだろうか。思いがけない発見があるかもしれない。
【エスアールエスタッケイ・住吉英智】