甘い誘いに乗るな [2008年3月25日08:53更新]

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「中小企業倒産防止開発機構」の名を聞けば、大半の市民が公的機関と錯覚するだろう。そのような紛らわしい看板をあえて、そして堂々と掲げ、中小企業経営者を食いものにしている民間企業があるから怖い。

資金繰りに困った経営者が、「50億円融資」などのチラシに騙されて訪れると、待っているのは女性職員の素晴らしい応対。それを信用してしまい、あっと言う間に高額の手形を振り出す。



怪しいと思って契約解除を申し出ても、すでに手形は換金されており「後の祭り」、第三者から支払いを求められるという被害が続出している、との話を聞く。

あわてて警察に駆け込んでも、「またか・・」と呆れ顔をされ、話を聞くだけで何の対応もしてくれず、被害者は手形の支払いで脅かされている。

弁護士は「非弁活動ではないか」と抗議するものの、現状ではそれ以上の策を講じることも無く、事実上「黙認状態」。資金力のない経営者は弁護士に依頼することも出来ず、夜逃げをするケースも出始めたという。

 

ところで、こういった「金も力も無い」中小企業の経営者が、悪知恵に長けた詐欺師集団に対抗するには、知恵ではなく「暴力」に頼ることになる。

暴力団の独特の嗅覚と情報収集力は群を抜いている。彼らの決断と行動は早く、瞬く間に経営者を魅了する。

経営者の味方として登場し、話を聞くだけで終わらず実際に行動し、何らかの結果が出るので、経営者は一時的に元気が出るし信用もする。だが、そのうち離れられなくなり、最後は大きな物を失う―というケースが見受けられる。 

北九州市などは暴力団の取締りを厳しくしているが、永年にわたって培われた土壌と環境は、お役所仕事では一朝一夕に改善出来ないだろうと言われている。最近は詐欺師が騙すよりも、素人が最終的には詐欺行為を行うケースが多いので、慎重な対応が望まれる。

(J)