特ダネを忘れた新聞記者 [2016年2月13日08:53更新]

かつて福岡に勤務していたことのある、某新聞社の記者OB達がよく利用していた小料理屋では、今でも年に数回全国から集まり飲み会を開いているが、最近は新聞社や現役記者に対する嘆き節の会になっている。
夜討ち朝駆けで特ダネを追いかけていたのはOB記者で、最近の現役記者は家庭サービスに明け暮れ、特オチを恐れる良きマイホームパパになり下がり、食いついたら離れないスッポンの様な迫力を持った記者が居ないと嘆いていた。
福岡市地下鉄1号線工事において、地下鉄コンサルタントが工事の采配を振るい、県警二課が贈収賄で追いかけている時だったが、東京から応援に来ていた記者が、コンサルタントの周辺取材で訪れて来たため、新聞社の名を信用して全てを教えたのは言うまでもない。
ところがその記者は、コンサルタントへの直接取材で、教わったことをそのまま、ニュースソースから内容まで、すべてを明らかにしながら質問した、ということを別のルートから聞かされたことがある。
取材の為とは言え人を裏切るようでは、新聞記者の風上にも置けぬと思っていたが、働くシステムが違うと言えばそれまでで、最近は取材力が低下して記事内容が面白くないのか、福岡地区でも購読中止が増えているようで、同社の販売店の廃業が相次いで、市民の間でも話題になり始めている。