ミッドナイト・ジャーナル [2016年5月9日05:19更新]

新聞を見ていて目に留まった本の広告で、本城雅人氏の「ミッドナイト・ジャーナル」があり、何故か気になり購入した。
本城雅人氏は昭和40年生まれの51歳で、明治学院大学を卒業後、産経新聞に入社し浦和総局での記者を出発点に、退職後作家になったようである。
40年以上前から、新聞記者や週刊誌の記者と一緒になって、経済事件を追いかけてきた経験があるだけに、読み始めると次第に引き込まれ、一気に読んでしまった。
最近の新聞記者は、NHK会長の発言に代表されるように、「原発報道は公式発表ベースで」がモットーで、後でトラブルが生じて、クレームが起こらぬような、事なかれ主義の記事でしかない。
専らネットで検索して記事を書くのが主流となり、特ダネを追いかけるよりも特落ちを恐れ、後で抗議が起こらない無難な記事に仕立て上げる、サラリーマン記者が増え、足で歩いて取材を繰り返す記者は存在が薄くなった。
夜討ち朝駆けの取材は昔の話で、今は休日には家庭サービスで、労働基準法を順守する勤務体制で、壁に突き当たれば破ることも無く、乗り越える事も無く迂回する知恵も出さず、そんな記者を多く抱える新聞社が、経営難に陥るのは時間の問題で、淘汰の時代がやって来るだろう。
テレビとスマホに挟まれ、存在価値が薄くなった新聞は、原点に返って記事を書かないと、生き残れないだろう。