稲富陣営で発覚した使途不明金問題 [2009年9月11日10:51更新]

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今回の総選挙ではご承知の通り、民主党が300を超える議席を獲得。福岡都市圏を形成する1から5区までの小選挙区でもすべて民主候補が当選するという、過去に例を見ない圧勝で終わった。



特に2区で当選した稲富修二氏は、07年4月の福岡県知事選に出馬、落選した後2年間以上、経済的にも苦しい中で地道な活動を続けてきた。衆院選での圧倒的な得票数による勝利は、その若さと行動力を多くの2区有権者が認めた証であり、稲富陣営の努力に惜しみない拍手を送った結果-と言っていいだろう。

稲富氏について、選挙終盤から関係者の間で学歴に関するちょっとした噂が流れたが、これについては問題として取り上げるようなレベルのものではなかったようで、マスコミが報じることも当然なかった。それが突然、選挙が終わってまもない4日、西日本新聞が朝刊で、知事選時の選挙資金の一部が使途不明になっている-と報じた。

 

今回問題となっているのは、稲富氏の陣営が県知事選挙の際に、民主党からの推薦料として受け取った4000万円のうちの余剰金約1900万円。これが使途不明となっていることが選挙運動費用収支報告書から発覚したもので、会計責任者の処理が実にまずかったと言えるだろう。

稲富氏は同日、選対本部長を務めたK氏と記者会見。K氏は「信頼できる知人に預けてある」などと釈明したが、一般人には到底理解しがたく、まさに噴飯ものの内容だった。

1900万円の使い道について、関係者の間では当初、「浪人時代の生活費に使ったのでは」と解釈する意見が大半を占めていた。中には「K氏が懐に入れたのでは」とする意見も聞かれる。公金としての性質が強い資金だけに、早急に使途を明らかにすべきだが、この会見では事実上何も説明されておらず、真相は闇の中だ。

これまで自民党の不正やスキャンダルを追及してきた民主。今回の使途不明金疑惑については、稲富氏に1票を投じた人ほど落胆が大きいようだ。明確な回答をしない限り風当たりは強くなり、民主政権誕生に水をさす可能性もあるだろう。

 

2区の民主議員の疑惑と言えば思い出されるのが、03年の総選挙で当選した古賀潤一郎氏だ。この時は海外留学に関する学歴詐称疑惑が浮上したものの、党幹部の指示で事実関係を最後まで認めず粘ったが、結局は辞職へと追い込まれた。その経緯がマスコミによって大きく取り上げられた結果政治生命を絶たれ、政界を去って宮崎方面で商売をしている話が、風の便りで福岡へ届けられている

今回の疑惑が稲富氏本人と結び付けられ、責任問題に発展することは考えにくいが・・。いずれにしても、政治家の進退は自らが決めるのであって、古賀潤一郎氏の二の舞にはなって欲しくないと願う。