みやま市の病院移設騒動 [2010年10月21日13:24更新]

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(10年10月号掲載)

いわゆる平成の大合併で、わが福岡県でも多くの新市が誕生した。県南部に位置する旧山門郡瀬高町・山川町と旧三池郡高田町が合併、07年1月に発足したみやま市(人口約4万2000)もその1つである。



米作を中心とする農業や有明海での漁業を基幹産業とするみやま市でもご他聞に漏れず高齢化が進み、救急医療体制の整備と専門医療の充実が西原親市長の懸案事項となっている。そんな中いきなり浮上したのが、同市で開業している医療法人弘恵会「ヨコクラ病院」(高田町濃施)をめぐる移設計画である。

同病院では用地上の制約から、現在地での建物新設は無理だと言われていた。それが突然、行政側から同市高田支所の用地と同病院用地の等価交換、あるいは土地の賃貸話が持ち出されてきたという。

新しい病院棟を建設し診療科目を充実させ、増床も行うという市民病院的色彩が濃い計画内容。同病院も渡りに船とばかりに、行政側の申し出に乗った模様である。

 

現市庁舎は旧瀬高町役場庁舎を改修して使用。旧高田町役場には教育・農業委員会を、旧山川町役場には水道課を配置し、それぞれ支所として窓口業務も行なっている。

今年に入って「みやま市高田支所用地活用検討委員会」において新病院建設用地計画の是非を審議することになったが、委員会の審議よりも先に結論が飛び出す有様。

さらに計画には、市長と一部市議会議員が議長室を占拠して密かに練られた形跡がうかがわれることもあり、一部議員から市長の独断専行を問う声が上がる事態となった。

市議会は計画賛成派と反対派に二分され、傍聴しに来た関係者に対して暴言を吐き恫喝する、暴力団顔負けの議員もいるというから驚いた。

 

市議の中には土木・建設業者と密接な関係を持つ者も多数いるという。厳しい経済状況の中、同市では久々のビッグプロジェクトだけに、欲の皮の突っ張った連中にとってはまさに僥倖(ぎょうこう)、裏ではかなり激しい綱引きが行なわれているようだ。

すでに怪文書も出回り始めている上、筑後地区選出の有名国会議員、また中堅ゼネコンのT建設が1枚かんでいるとの噂も。市長と議会は来年に選挙を控えていることもあって、市民の関心は高まりつつあるという。

みやま市では「保健医療経営大学」が2年前に開校。だが定員割れの状態が続き存続さえ危ぶまれている。

同大も含め医療関連機関が連携できるような計画を立てれば街の活性化にもつながると思うのだが、今のような行政・議会のレベルではとてもじゃないが、期待できそうにない。