博多の味 [2018年1月25日06:00更新]

今や日本国内で、人口においては5番目の都市に成長した福岡市は恵まれた新鮮な食材が豊富な為に、安くて美味しい料理を提供してくれる有名な老舗も営業を続けており、福岡市民の満足度は高いと思われる。
ところが数年前より経営者の高齢化と、後継者不足から暖簾は変わらないが、中華料理の「八仙閣」や、うどんの「因幡うどん」、高級寿司の「河庄」や「やま中」、更にフランス料理の「メゾンド吉田」などは、店の屋号や暖簾は同じで変わらないが、経営者が変わる店が出て来た。
有名な店ほど独自の味と暖簾の重みが加わり、その味を受け継ぐ事は非常に難しく、今後は継承される老舗の重圧に耐えられず、伝統の味を放棄する後継者が増え、飲食店のM&Aが増加し、少しずつ「博多の味」が消えていく可能性が高いだろう。