JR九州住宅・裁判で提出された裏金の新証拠 [2019年9月5日10:02更新]

開業間もないデベロッパーが、上場企業の関連会社に施工してもらえる話があれば、多少の無理をしてでも実現させたいと考えるのは当然で、帳簿に出ない裏金が動いたとしても不思議ではない。

JR九州住宅㈱がエステート・ワンを相手取り、建築請負代金の支払を求めた裁判で、被告はこれまで、「JR九州住宅が施工する条件として、JR九州のOBだった松永氏から『松永氏へのリベート及びJR九州住宅の松尾社長への裏金』を要求され、松永氏の口座に送金した途端、施工の話が前進した」と主張していた。

この裁判は、原告が未払金を支払うように求めていることに対して、被告は元社長の松尾氏との間で、「3年以内に支払う約束をしていたので弁済期は未だ来ていない」としている。
仮に、松尾氏の裏金授受が証明されればJR九州を巻き込んだ大事件になりかねず、傍聴席はいつも満員で、関係者は神経を尖らせていることが伺える。

これまで、原告側は松尾氏に裏金が渡ったかどうかは関知していないとしてきたが、8月30日に行なわれた裁判で、被告側から、松永氏の通帳の写しが新証拠として提出され、K・Mという女性の口座に松尾氏と約束した裏金と一致する金額が、松永氏から4回に分けて振り込まれており、K・Mは松尾氏と関係が深い人物ということが添えられていた。

裁判は結審し、判決は9月27日(金)に言い渡される予定であるが、裁判の行方に注目が集まっている。