揺れるみやまスマートエネルギー・1 [2020年5月26日11:24更新]

みやま市の第三セクター法人みやまスマートエネルギー㈱(以下みやまSE)代表の磯辺達氏に特別背任があったとして、同市議の末吉達二郎氏(2期目)が5月18日、福岡地方検察庁に告発状を提出したが、一方で地元関係者の間からは疑問の声が上がっている。

みやまSEは、電力自由化に伴い地元のメガソーラーなどの再生可能エネルギーを活用した電力供給(小売)事業を目的に、前市長の西原親氏(故人)主導で平成27年設立され、みやま市55%、みやまパワーHD㈱(以下PHD)40%、筑邦銀行5%の出資比率となっている。
事業のノウハウがなかったみやまSEは、住宅設備コンサルを手掛ける上場企業の㈱エプコ(東京都)でスマートエネルギー事業に取り組んできた磯部氏が設立したPHDに全業務を委託しスタートした。
当初は社員7名からスタートした事業も、5年目の同31年3月期には売上24億2000万円まで上伸、前期までの債務超過は解消し、現在は社員も48名に増え地元の雇用にも貢献している。

ただ、大手企業の新電力参入による競争激化の中で、契約数は思ったほど伸びておらず、当初目標の10000件に対し1219件(法人571件、個人648件、2月末現在)と苦戦しているのも事実である。
価格競争ではどうしても九州電力や大手新電力に分があり、高齢者支援や地域通貨と組み合わせた「みやまモデル」を市民に理解・協力してもらい、契約数増につなげていくのが課題で、電力の地産地消という目標は道半ばである。

そのような中での、市議によるみやまSE代表の刑事告発とは穏やかではない。
現地で関係者の話を聞いてみた。

― 続 く―