NEXCOと大島産業 ② [2021年2月3日09:32更新]

■ 偽りの施工体系図

 

NEXCO中日本から、大島産業が受注し鉄筋不足等の施工不良が見つかった工事の施工体系図(下請業者の施工分担関係が一目で分かるようにした図)を取り寄せた。
平成30年10月から令和2年10月までの期間、計24回提出されている。
そのうち、8回目に提出されている施工体系図を見て違和感を覚えた。

1次下請の㈱ダイコウの2次下請に、世紀東急工業㈱という会社がぶら下がっている点だ。
ダイコウ(千葉県)は、平成23年8月設立、売上が年平均3000万円の会社である。
一方の世紀東急工業(東京都)は 昭和25年創業、一部上場企業で前期売上が約740億円、従業員数も800名を超える企業である。

上場企業のクラスが 年商3000万円の中小企業の下請をするだろうか。
逆なら理解はできるのだが。
そこで、双方に電話で尋ねてみたところ、驚くべき事実が判った。

世紀東急工業の広報担当者によると、「ダイコウという名前は聞いたことがない。大島産業の仕事は直接大島と契約している」、また、ダイコウの社長によると「世紀東急工業のことは知らない。大島の指示で、塚本總業㈱という商社と契約を交わし、支払いを受けている」というのだ。

1次下請の世紀東急工業が2次下請として施工体系図に記載され、施工体系図にない商社が取り引きに介在している。
つまり、大島産業が提出した施工体系図は虚偽だったことになる。
そうなれば、NEXCOに提出しているはずの、「施工体制台帳」「注文書」「注文請書」も虚偽の可能性が高い。
本来ならそれらの書類も情報開示請求の対象であるが、第三者調査委員会の調査中という理由で今は開示できないという回答があった。

なぜ大島産業が、虚偽の書類を提出したのか、また、塚本總業がどんな役割をしているのか、謎は深まるばかりである。

― 続く ―