被害者を訴えた逆切れ裁判 ⑥ ■ 一番得したのはJ社? [2021年6月16日09:00更新]

平成29年10月、美風交通は 運輸局より大型バスの保有が許可され運行開始した。
そのわずか6日後に1回目の事故、そしてその1ヵ月後に同じ場所、同じ時刻に2回目の事故、2度続けて「もらい事故」という不運が続いた。

そして同年12月、旅行会社S社から 検討していた新規契約(5年でラッピングバス3台)の契約を解除したいとの申し入れがなされた。
「運行状況において2度の事故を起こしており、顧客に怪我を負わせては遅いから」という理由である。

その後、5年でラッピングバス3台の仕事は、韓国系の免税店の子会社J社が受注することになった。

棚ぼたで 一番得をしたのは J社だ。

実は、平成29年8月に、S社が美風交通とラッピングバス2台の契約を締結したが、それまでS社の仕事を請け負っていたのがそのJ社だったという。
S社のラッピングをするということは、他社の仕事はしないことを意味する。
S社は 他の旅行会社の仕事もするJ社より、ラッピングして自社専用のバスを走らせてくれる美風交通に乗り換えた。

また、J社は日帰り観光の最後に J社の親会社の免税店に ツアー客を連れて行っていたが、美風交通はツアー客を 国内の免税品を扱うドラッグストアに案内し 売り上げの10%をS社に戻すことにしており、S社にとってメリットが大きかったのである。

S社は こうしたビジネス上のメリットがあって美風交通に乗り換えたのだが、顧客を奪われたJ社にとっては 年間換算で1億円の売上が無くなったことになり、死活問題だったと思われる。

2度の連続もらい事故が、ただの偶然なのか、それとも何か大きな力が働いたのか。

ー 続 く ー