大牟田市新体育館建設の不思議 ⑦ ■ 糸島市庁舎設計ポロポーザルも1社で決定 [2021年7月2日08:51更新]

梓設計は業界トップクラスで 実力、実績共に 素晴らしい企業である。
大牟田市新体育館建設で、
梓設計が本気を示したことで 業界内で他社が遠慮したと思われるのは前述の通りである。

同じく県内で、梓設計が参加したプロポーザルにおいて、他社が遠慮したと思われるケースがある。
令和元年7月に実施された 糸島市庁舎の基本設計・実施設計・監理業務の公募型プロポーザルは 予定価格 214,457,000円に対し、梓設計1社(者)が参加、審査の結果、191,400,000円 で梓設計に決定している。



市役所に尋ねたところ、1社参加となった理由は特には分からないとのことだった。
競合がなく、1社のみで決まるのは市民にとっていいことではない。
提案内容は1つで比較対象がないばかりか、価格も1社の言値で決まる。

現在、計画や設計・建築の分野の発注方式で、主流になっているプロポーザル方式だが、必ずしも発注者の思惑通りに進んでいないのが現状だ。

競争入札と違い プロポーザル方式は業者にとって 手間がかかり面倒、更にJVを組むとなれば多くの労力と時間を要する。
競合が多かったり、有力な参加者がいたり、取れる可能性が低ければ 無駄な参加は避けたいところだろう。
そのため参加者が限られ、発注者は 数少ない提案の中から選考せざるを得なくなる。

今回の大牟田市の一連のプロポーザル選考結果を見るにつけ、現在のプロポーザル方式では限界があるように思われる。

前述の業界関係者が プロポーザル方式の問題を指摘する。

「業界ではプロポーザル方式そのものが恣意的に決められるというのが常識です。
選考委員は発注者の息がかかっていることが多く、市の関係者が半数以上という酷い自治体もあります。
地元の首長や国会議員の筋から どこの業者が取りに来るか想像はできますので、手応えがなければ他社は 鼻から参加せず、無駄な労力を使うことはしません。
でもそうなって困るのは 本命の会社、1社のみの参加となると 議会で追求されることもあるので、競争しているように見せるために、形式的にお友だちに参加してもらって 体裁を整える必要が出てくるのではないでしょうか。」

仮に体裁を整えるために ダミーに参加させるとなれば、それこそ出来レース、談合だ。

次回、今年プロポーザル方式で体育館建設の業者選考が行われた2つの自治体の結果を紹介する。

ー 続 く ー