NEXCOと大島産業(34)■ 建設工事紛争審査会 [2021年7月6日17:50更新]

公共工事中止における最近の和解例に、平成30年に市長が交替し新庁舎建設(総工費約87億円)の契約を解除した近江八幡市と ㈱奥村組(大阪市)の争いがある。
県建設工事紛争審査会の勧告に基づき、今年1月、市は奥村組に4億0600万円を支払うことで和解合意したと発表した。
これは甲乙の責の立場は逆だが、NEXCOの契約書にも「建設工事紛争審査会」への付託についての記載がある。

令和2年10月23日の5回目の契約金額の変更の際、当初大島産業は10億円の増額を要求、あまりの無茶ぶりに本社工務部門も含め社内では反発し、審査会に仲裁に入ってもらうつもりだったという。
ところが、天の声が聞こえたのか 途中から方針が転換、本社の指示だから仕方がないということで支社の決裁権者も同調し、最終的に6億円までは増額を認めたのが真実の様だ。
(決裁権者の中には よくわきまえた者もいれば、「赤木さん」のように抵抗した方もおられるらしい。)

6億円を認めてしまった以上、中日本には支払うつもりはあったが、蓋を開けてみると品質証明や立会検査等 出来高を裏付ける書類がない、あるのは 警備費や型枠工事の材料費など 根拠不明の書類のみ。

今後、最終的な精算に関し、大島との間に主張の相違が生じることが予想され、当然審査会に付託されるだろう。
中日本は「違約金+補修費」を請求することになるが、「出来高部分」をどう算定するかで 中日本のコンプライアンスの姿勢が問われている。

前述のように、辻褄合わせのために中日本は、貴重な労力と時間を使い 大島に代わって「出来高部分」を確定させるための書類を作成してやった。
そのプレゼントは、国民の税金が原資ということを忘れてはならない。

ー 続 く ー