予想外の長期戦 民主新人候補「危機感」「歓迎」(2) [2008年12月25日10:31更新]

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(08年12月号掲載)

自らポスターを貼る山本剛正氏「無名の新人にとっては時間があるほど有権者に名前を覚えてもらうことができるので、普通はありがたい。ただ今回は民主新人の『メッキ』がはがれる恐れがある」。こう指摘するのはある民主関係者だ。 

「福岡では民主推薦候補が両政令市の市長となり、いわば政権交代を全国に先駆けて実現した。もし両市政が停滞すると『民主もやっぱりダメか』となる危険性が当然ある。

それに、若い候補は最初の印象は良いがしょせんは新人、知識や経験の少なさは時間が経つほど露呈する」



セレブvsセルフ  

経済的にも民主新人候補は苦しい。新人・元職に党本部から支給される活動費などは月70万円。1次公認後は500万円が支給されていったんストップ、それで選挙までの活動費用をまかなう予定だった。 

ところが民主が第1次公認候補を発表した9月以降も解散はなく、陣営からは「まるで兵糧攻めだ」と悲鳴が上がっているのが現状。そのため党本部は先月末、一部の公認候補に200万円を追加支給した。 

そんな状況を逆手に取り、地道に活動を続けているのが麻生総理のお膝元、福岡8区(飯塚市など)から出馬予定の山本剛正氏だ。 

スタッフは2人。公認から漏れているため活動費はこれまでと同じ。そのためポスター貼りなども自らの手で行う(写真上)。「名前を覚えてもらうにはちょうどいいと、本人も張り切ってます。この間も『まさにセレブ対セルフだね』と、有権者に声を掛けてもらいました」(陣営関係者)。 

麻生総理は周知の通り、麻生財閥の御曹司。華麗な経歴がむしろ対立軸を鮮明にしているようだ。 

解散・総選挙の先送りについては「それだけ総理への批判が強まっているわけで、むしろこちらに有利に働く。大歓迎です」(同)。 

 

予想外の長期間、臨戦態勢が続く民主新人候補。本番までの時間をどう活かすかが、明暗を分けるポイントとなるかもしれない。