熊本市に本店を置く肥後銀行が題材の「小説・火ノ国銀行」は、第一弾に続いて昨年秋に第二弾が発売された。
既に第一弾は地元書店で売り切れたが、東京を中心に金融関係者が購入して、出版元は増刷を重ねる状況と言われている。
熊本県内で地銀の雄として君臨してきた肥後銀行だが、創業者でもない頭取が娘婿を後継者に据え、公然と世襲を行う横暴な行為に対し、反対する取締役は主流から外されたものの、現在でも隠然たる勢力を持っているようだ。
だが肥後銀行自身が、地元新聞社と連携してビジネスを行っているだけに、銀行の不祥事までもマスコミを使い揉み消す実態を、既に熊本県民は周知の事実として認識している。
全国版経済誌が来週号で、頭取一族の銀行私物化を記事にするようで、関係者の取材を慎重に行い、銀行側のコメントを何度も求めたが、マスコミに対する部署も実にお粗末で、口頭では埒が明かず、文書で回答を求めても何ら返答は無く、担当者の能力の低さを露呈し、経済記者があきれたという話も漏れ聞こえて来た。
上場企業は広報部があり、マスコミに対応する担当部署だが、経営陣にゴマをするイエスマン集団が、銀行内を占拠して中枢にいる限り、有能な社員は煙たがられ能力を発揮できず、次第に職場から姿を消している情報も聞く。
記事になれば全国版経済誌だけに、株主訴訟に発展する恐れもあり、今年の株主総会を関係者は大いに注目しているようだ。こんな記事も読まれています