老舗の後継者 [2012年4月10日09:26更新]

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日常生活がスピード化した現代は、創業して30年が経過すると、早くも自ら老舗と呼ぶ店舗も出てきた。

福岡市の中でも博多は、古くから大陸との交易が盛んに行なわれ、茶や菓子など伝来の地として、記念の石碑が寺の境内などに建立されており、今でも散歩の傍ら訪れる人も多い。

古い暖簾や看板を長年に亘って守り、伝統や格式を今でも重んじている店舗も多く、十数代目の当主が現存し繁栄している。

特に菓子などは原料の確保から、古式にのっとる製法を守りながら、商品の販売を行う努力は、外部の人間には判らない苦労として受け継いでいるはずだ

後継者としての認識を持つ人間に、親が教育していれば良いのだが、中には親自身が祖父母に甘やかされて育ち、その子供も更に甘やかされていれば、暖簾の重みなど知らないから困る。

先祖が開拓し受け継いだ得意先も、最近は名前だけが先行して利益が出ないのを理由に、簡単に切り捨てており、怖い。

長年技術を受け継いできた職人を止めさせれば、品質が悪くなり味が落ちるのは当然で、九州の同業者で設立した組合も脱会し、どうするのだろうか。

本業が順調な時に副業を始めるのは良いが、過去の例から見て傾きだして始める副業は、売上や利益を過大に設定した例が多く、失敗する確率が高いように思える。

早く本業の基本に立ち返って、老舗後継者の自覚を持ち、名舗と言われるよう、暖簾を何時までも守ってもらいたいものだ。