問われる税理士 [2012年5月25日09:42更新]

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日本の企業は3月決算が多いところから、6月に株主総会を開く準備に担当者は追われている。

企業が赤字決算になると官公庁などの入札に、不都合が生じるなどデメリットが増え、金融機関の融資基準が厳しくなることから、企業経営者は黒字決算を目指す。

無理な黒字決算を行う企業は、単純に売上の水増しを行っても、1ヶ所の数字を改ざんするだけに止まらず、かなり綿密な計算の上に立って決算書を作成しており、プロの銀行員でも見抜けないケースもある。

今でも不思議に思うのは、夢のようなプロジェクトの花火を打ち上げて、年に数回増資を行っていた日本トレイド(株)で、その集めた出資金は30億円前後と言われていた。

素晴らしい計画書に酔いしれ、多くの株主が出資をしたものの、計画は遅々として進まず、未だに当初のままで実現は遠いと、当時同社に勤務していた関係者は語る。

出資金の大半は使い果たし、事務所家賃の滞納から立ち退きを迫られ、数ヶ月前に事務所は閉鎖された。

出資金の大半は飲食とゴルフなどの接待費に使われ、或いは出資金を紹介した人へのリベートもあったようで、巨額の資金が消えてしまったのが現実で、どんな決算書が株主へ配布されていたのか、最近になって興味を持ち始めた人もいる。

株主総会前に関係者の動向が慌しくなっているようで、何かが起こる前兆のような気がする。