福博噂話 [2012年6月14日18:58更新]

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家業として経営を持続する難しさは十分心得ているが、継続が無理で閉店と聞けば客として寂しいものがある。

戦後の天神に西鉄商店街が誕生、その一角にレストラン喫茶「房屋」が誕生して60数年が経過した今は、天神コアやビブレビルが建ち、当時の地権者はビル内に店舗を移し営業を続けている。「房屋」も親子二代に亘って営業してきたが、後継者不在で5月8日閉店した。天神地区では、昼食後に一服が楽しめる数少ない店として通っていたが、また1つ消えた

西鉄グランドホテル前のロシア料理店「ツンドラ」も親子二代続く店だが、後継者がいない話も聞かれ、何とか頑張って続けてもらいたい。客として親子四代に亘り通っているが、メニューや料理の盛り付けも変わらず、店の内装は勿論のこと、タペストリーなどは開店当初のままで、懐かしさと思い出が加わった料理は格別である

市内には歴史が刻み込まれた、由緒ある店が数多くあるが、格式を維持しながらの経営は、非常に難しくなっているのが現状だ。一般の生活様式も日進月歩で変化しており、新宮には「IKEA福岡新宮店」が進出、室内家具も大きく変わるだろう。同時に組立てが不慣れな客に対する小判鮫商売も生まれている

しかし時代を刻み込んだ古い家具には、重厚な雰囲気を醸し出す何かがあり、それを尊重し愛する人が出てくるのも確かで、新しい用途を見つけ出し使う楽しみも増えてくる。粗大ごみの日に古い家具を回収し、修理して再生するビジネスを考えてみるのもいいだろう。