サラリーマン根性 [2012年7月18日16:16更新]

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戦後の日本復興を担ってきた企業戦士は、既に定年を迎え大半が引退し、代わりに「ゆとり教育」を受けた若者が職場の第一線で働いているが、競争の原理を知らずに育っただけに、ハングリー精神などは持ち合わせていないようだ。 かつて新聞記者と言えば、獲物を見つける猟師のように、特ダネを探して早朝から深夜まで、重い鞄を持って巷をさ迷い、寝食を忘れて特ダネを追いかけていた。だが今は労働基準法に縛られて勤務時間を守り、特ダネ落ちを恐れながらも、休日は家庭サービスに明け暮れている。おまけに最近は自分で歩いてネタを探すのではなく、役所や企業が発表するニュースリリースが中心になっており、疑問を持つ事無く、裏付けも取らずサラリと書いている。こうした記事が増えたのは書くことでトラブルが発生するのを避けるためだ。

また福岡県警捜査二課の知能犯摘発件数は全国でもトップレベルで、他県の県警が研修に来るほどで、事件が発覚する度にマスコミの記者も、情報収集に走り回っていたものだ。中にはこんな話もある。現場の捜査員が苦労して捜査しても、上司に報告する過程で情報がOBを通じて外部に漏れて事件が潰され、捜査員が悔し涙を流していた。しかし捜査員の苦労を知っている記者が、その内容についてぎりぎりの線まで追求し、記事としてスクープすることで、事件が明るみに出て社会的に制裁を受け葬られたケースもあった。その時密かに挙げた祝杯は、非常に美味かったと今でも関係者は懐かしい思い出と語っている。今の記者はそうした酒の美味しさを知らないものが多いのか、常日頃から情報源となる捜査員や関係者との交流も少ないと聞いている。

また数ヶ月前に行われた筑後地区の土木工事では、入札前に落札業者名が判明したため、発注元である福岡県の土木担当部署に通報があったようだが、連絡を受けた担当者は出先に伝えて責任を回避した。出先は入札参加業者を集め、型通りの事情聴取を行い、誓約書を提出させただけでお茶を濁したようだ。入札は福岡県の担当者をあざ笑うかのように、情報通りの業者が高い落札率で工事を受注、正式契約も終わったようだ。談合情報を福岡県に提供しても、摘発されないのであれば、再び談合が大手を振ってまかり通ることになる。柳川地区を中心とした今回の土木工事の談合は、福岡県の県土整備事務所前の土木会館で実行されている。日時や参加メンバーなどは歴然としており、旧態依然とした昔ながらの談合で、福岡県警の威信を賭けて摘発してもらいたいものだ。

今回の談合には裏があるようで、一部には暴力団が介在している噂も聞かれ、地域によっては取り締まりにも温度差がある。筑後地区が北九州同様に暴力団の活動が活発化すれば、福岡県のイメージはさらに悪くなる。