日本トレイド株主総会 [2012年8月1日16:37更新]

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未公開株販売が詐欺行為と判断され、経営陣が逮捕されたH&M事件で、売買に利用されていた日本トレイドが、第15期定時株主総会を6月29日開催した。 本社を引き払い、代表自宅に移転したため、会場は博多駅近くの貸会議室。会社の要請で決算書を作成した女性税理士が、会場準備を手伝っていたのが印象的だった。総会では前日までに社員が根回ししたのか、決算報告も質問無しで承認された。ところが、第2号議案の取締役、監査役2名の辞任の件で問題が起きた。辞任する取締役が挨拶の中で、代表をうそつき呼ばわりしたため会場内がざわつき、議長役の代表は弁明と収拾に追われる事態となったのだ。 日本トレイドがパラマウント事業計画で多額の出資金を集めたが、既に頓挫していることは株主のほとんどが認識している。だが代表は出資金の返還要求が出て来そうになると、ワラにもすがる思いの株主に、決まって新しい事業計画をほのめかしてきた。

一つは東京地区で再開発されるビル建設の話。一流の設計事務所と組んだコンペ形式の事業計画で、必ず受注出来るという保証が無いにも関わらず、地元ゼネコンを上手に丸め込んで、活動資金名目で既に数百万円単位を、数回に亘って提供させたとの情報も聞く。もう一つは国交省職員を巻き込み、国有地を利用した計画を立案している。ブローカーと称する怪しげな人物も介在し、余程の政治的圧力が無いと実現不可能な内容で、恐らくプロジェクト計画書は既に素晴らしいものが完成していることだろう。

次から次に新しい計画を打ち上げ、出資金や協賛金を集めてきたが、成功して儲けた話は皆無。詐欺と紙一重の事業計画だが、さすがに最近は材料が尽きたのか計画が小粒になり、持ち掛ける金額も数千万円単位は影を潜め、数百万単位になってきたようだ。

今でも捜査当局の目をかいくぐり、高級外車を乗り回す毎日で、事業が失敗するのは「福岡県民新聞が書き騒ぐから」「経済状況が悪いから」と開き直っている。昨年からは福岡市を巻き込み、人工島でのパラマウント計画を再度目論むが「福岡市長と副市長の責任感の乏しさと胆力不足が失敗の原因」と切り捨てる度胸は見上げたものだ。さらにこうした話術で、新たな資金源を発掘する商才は舌を巻く思いで、欲に目が眩んだ金の亡者を次から次に良く見つけてくるものだと、感心する。

明日は貴方が餌食にならないよう、くれぐれも用心して欲しい。