パクリ屋 [2014年5月30日16:34更新]

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かつては福岡市内にも、商品や手形を騙し取る「パクリ屋」とか「取り込み詐欺師」呼ばれる、怪しげな人物が数多くいたものだが、最近は品物も豊富に出回り、こうした仕事人の姿を見る事はほとんどなくなった。

ところが先日、「これはパクリ屋の仕業だな」とピンときた事件に、久しぶりに遭遇した。

東京都内の建設資材販売会社を昨年10月に買い取って、商号を「浜商」とし、食肉や魚介類など生鮮食品の取り扱いを事業目的に加え、本社を築地に移転、水産業者が多く入居しているテナントビルに入居し、年商12億円と記載した会社案内を作り上げ、当然のことだがホームページも立ち上げた。

最初の1、2回の取引は現金で決済を行い、次第に扱い高が増え仕入先の期待と信用を得たところで取引量を拡大、売掛残が数千万円になった時点で、販売先から代金回収が遅れたことを理由に、支払が遅れる。

分割での支払いを要請するため、期日と金額を記載した書面を提出し時間を稼ぎ、仕入先が何か変だなと感じた時には数千万円単位の商品が跡形も無く消えているという、実に見事な仕事ぶりで、面白いのは仕入先の担当者が、一度も社長の顔を見て無かったことである。

未だに仕入先は騙されたことに気付いておらず、「パクリ屋・浜商」が分割して支払いますという書面を手にして、入金されるはずと期待しながら、「取り込み詐欺師」という人物が理解できず途方に暮れている。