民主県連が吉田市長推薦を決定 福岡市長選 内部にしこり残る [2010年8月28日13:48更新]

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記者会見する民主県連幹部(8月28日)民主党福岡県連(代表・古賀一成衆院議員)は28日、福岡市内で常任幹事会(常幹)を開き、11月に行われる福岡市長選で現職の吉田宏市長を推薦することを決めた。9月11日に吉田市長側と政策協定を結ぶ方針。

同市長の推薦をめぐっては、内部から元佐賀市長擁立の動きが出るなど、吉田市長を推す市議団と同市長に否定的な国会議員らの対立が表面化。結局、現職推薦に落ち着いたものの、同市長・市議団への反発や批判は依然燻っているのが現実で県連内に生じた「しこり」は解消されておらず、選挙戦への影響は避けられそうにない。



 

常幹後の記者会見(写真)で吉村敏男幹事長は「(吉田市政への評価について)内部から厳しい意見も出たが、市政の継続という観点から決めた」と推薦理由を説明。また古賀代表は「(公約の達成度に関しては)少数与党として色々と苦労もあった。今後はお互いの意志疎通を図り、1期目の経験を踏まえてしっかりした対応をする」と語った。

この日の常幹に先立つ27日、県連幹部らは吉田氏と面談。その際、同氏は県連との連携不足を「申し訳ない」と陳謝したという。古賀代表は「市長だけにこの言葉は非常に重い」、また吉村幹事長も「代表が厳しいことを言ったが(吉田市長には)しっかりと受け止めたいただいた」と評価、推薦決定の大きな要因となった。

今後は江藤博美・栃木義博両市議を中心に選挙態勢作りを進めるという。江藤市議は「良い議論ができた」と一連の「騒動」を総括、また栃木市議は「情報を共有し政策の方向性を確認したい」と政策協定へ向け意欲を見せた。

 

7月の参院選直後、元佐賀市長・木下敏之氏が福岡市長選へ出馬し民主に推薦願を出す意向であることが明らかとなり、吉田市政への評価などをめぐる県連内部の対立が表面化。その後、早々に現職推薦を決めた福岡市議団に対し一部国会議員から反発や批判が噴出。8月9、15日に開かれた常幹では吉田市長を推薦するかどうかが話し合われたが意見がまとまらず紛糾し、結論は先送りされていた。

この日の常幹で現職推薦の結論が出たことで、今回の騒動に一応の終止符が打たれた形となったが、実際には県連内の対立は解消されていない。「市長選で民主は結束できるのか」との記者の問いに吉村幹事長は「もちろん」と答えたが、終了後、「勝手にすればいい」と吐き捨てて会場を後にする国会議員もいた。市長選は、本紙が8月号で指摘したようにように、事実上「分裂選挙」となる可能性が高い。 

【参照】ふぞろいのリンゴたち 民主党福岡県連編(1)(2)