元アナの高島氏が出馬会見「すべてを捨て挑戦する」 福岡市長選 [2010年9月6日16:08更新]

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記者会見する高島宗一郎氏(9月6日)

11月予定の福岡市長選に立候補する意向を表明していた九州朝日放送(KBC)の元アナウンサー、高島宗一郎氏が6日午後、同市役所の記者クラブで会見を行った(写真)

高島氏は出馬の動機について「財政の悪化や少子高齢化が進む中、福岡市政はこの10年間、何をやってきたのか。市民の不安を払拭するようなビジョンが見えない。こう考えていた時に出馬要請を受けた。悩み苦しんだが、すべてを捨てて挑戦する決意を固めた」と説明。



経済対策としては「厳しい財政状況がある以上、小さな初期投資で大きな効果が得られるような策を採りたい」として情報インフラの整備などを挙げた。さらに「福岡市はアジアの玄関口としての役割を担っている。国際観光ビジネス都市としてダイナミックに動くよう整備したい」などと語った。 

また「14年間走り回って取材をし、福岡市の隅々まで現場を見てきた。だから九州の中の福岡市の重要性は理解している」と民放アナとしての取材経験を強調。「今後情報公開を徹底的に進めることで『尊敬できる政治』を目指す」とした。 

こども病院の移転問題については「建て替え費用の試算水増し疑惑など、手続きにすっきりしない部分があること、またすそ野の広い反対運動があることは承知している」としながらも「施設老朽化などの問題を一刻も早く解消すべき」として現在の移転計画を進めていく方針を明らかにした。

 

前回の選挙で支援する現職が敗れたため野党となった自民・公明・みらい福岡の保守系3会派。今回は早い段階から独自候補の擁立を模索、その動向が注目されていた。民間企業経営者や元官僚などに出馬を打診してきたがことごとく断られる状況の中、8月25日の本紙報道をきっかけに高島氏擁立へ向け最終調整に入っていることが表面化。同氏は本紙既報通り先週、自民の出馬要請を受諾していた。 

政党支援について高島氏は、自民市議団からの推薦は受ける一方、他党も含め党本部への推薦願は「考えていない」とし、「政治的対立軸を明確にするのがはたして重要かどうか。どのような団体、企業であれ支援していただけるのであれば柔軟に受け入れたい」と話した。

 

高島氏は1974年大分市出身の35歳。獨協大学法学部卒業後、KBCにアナウンサーとして入社。情報ワイド番組「アサデス。」の司会を務めるなど看板アナの1人として活躍した。09年には九大大学院へ社会人枠で入学、政治学を専攻しているという。 

市長選には高島氏のほか現職の吉田宏市長(民主推薦)、西福岡・糸島民主商工会事務局長の有馬精一氏(共産党推薦)、元福岡市議の荒木龍昇氏、前同市教育長の植木とみ子氏、元佐賀市長の木下敏之氏、塾講師の飯野健二氏がすでに立候補を表明しており計7人による大混戦の様相を呈している。