選挙前に真相解明を・豊前市

平成28年に、(公財)日本財団 笹川会長に送られた陳情書の問題で、3月定例議会閉会後も 議員らが全戸配布の文書で応酬しており、市民に困惑の声が広がっている。

一つここで言えることは、議場で虚偽の発言があったことと、既に使用していない公印の不正使用が判っており、選挙前だからこそ 公の場で真相を解明すべきだったということだ。

現在、一般質問をした議員が「市長公印ではない印鑑を打った疑惑に満ちた文章を掲げて追及し、後藤市長を貶め名誉を傷つけた」として批判を受けている。
しかし、平成28年当時、後藤市長が 舟券売り場の建設誘致に同意した上で陳情書に署名捺印し、公印を職員に押すように指示したことについては、市長が議会で答弁で認めている。

更に市長は、「直近の民意を尊重して同意した」と発言しているので、この時点でボートピア建設3要件のうち、「市長の同意」はあったと見て取れる。
この陳情書が出たことで、ボートピア建設で関係者が動き出したのは事実である。

問題は、議会での発言で、誰が陳情書を作成したかの説明に齟齬が生じている点だ。
鎌田議員が「後藤市長が磯永議長のところに押してくれと持ってきたと聞いている」と発言したのに対し、後藤市長は「当時の磯永議長が 市長室に来て、議会の総意だから同意してくれと言った」と答弁しており、どちらかが嘘をついているということになる。

もう一つの問題は、公印が、正式な市長印ではなく、既に使用されていない収入役印が使用されていた点である。
市役所に確認したところ、「収入役印は廃棄されておらず 市長印と同じケースの中にあるが、区別しているため職員が間違えるはずがない。使われるはずのない収入役印が使用されたことに戸惑っている。」ということだった。

間もなく豊前市長選挙(4月4日告示、11日投開票)が始まるが、選挙前の今だからこそ、議場内での発言の真相、そして 収入役印が押された経緯を明らかにする必要があるのではなかろうか。




■ お詫び

3月15日の記事 『「ボートトピア誘致」で紛糾・ 豊前市議会 ⑤』について、内容の一部に誤りをご指摘頂き、再度取材先に確認したところ不正確な点が認められたため削除致しました。
ご迷惑をお掛けした読者の皆様、ならびに関係各位に深くお詫び申し上げます。

「ボートトピア誘致」で紛糾・ 豊前市議会 ④

■ 議場で食い違う答弁

 

3月8日、約1週間遅れで  市議会ホームページに 2月26日の一般質問動画がアップされ、鎌田晃二議員(平成会)のボートピア建設についての質問を視聴したが 大変驚いた。

http://www.buzen-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=552(13分20秒~)

鎌田議員が、平成28年に後藤市長が日本財団の笹川会長宛に  自署で公印を押して「ボートピア建設の陳情書」を提出していたことを質したところ、市長は
「その文書については 当時の磯永議長が『議会の総意だから同意してくれ』と持ってきた。それが民意だと思ってサインし、公印は職員に押すように指示した。誘致に関して(唐津市の担当者に)懇願したことはない。」
と答弁した。

しかし、総務部長は 「そういった文書に公印を押したことはない」と答弁、また弊社も確認済みだが、鎌田議員が当時の唐津市の担当者から聞いた内容は、
「市長は『東九州自動車道が通って市が疲弊するので あの場所に設置してほしい』と頭を下げた。そして、担当者から陳情書のたたき台の原稿を示され、自らパソコンで 一歩踏み込んだ内容に加筆修正し、目の前で署名し 職員に公印を押させた。」
というものだ。

更に、名前が出た磯永議員が 関連質問で、「自分が市長のところに持っていった事実はない。」と反論した。

議場の中で双方の主張が大きく食い違っており看過できないはずだ。
直後に、緊急動議が出され真相を究明するための特別委員会(百条委員会) を設置が提案されたが、採決の結果6対6の可否同数となり、最後に議長が反対に手を挙げて否決となった。
結局、公印の取り扱いも含め、真相はうやむやになった。



ー 続 く ー

「ボートトピア誘致」で紛糾・ 豊前市議会 ⓷

■ 「同意」どころか 自らの意思

 

豊前市のボートピア建設の手続きは、施行者である唐津市が承認すれば、運営管理者が施主となって進め、最終的に国土交通省の認可を得るという流れになるが、その際、「地元の同意」「市長の同意」「議会が反対しないこと」という3つの要件が満たされていることを示す書類が必要となる。

豊前市長から日本財団に陳情書が出たことで、唐津市がボートピア建設を承認し、その後 運営管理会社となるA社が 2020年(令和2年)1月に 建設予定地の地元の同意を得て、土地の買収まで終えていたという。
これで、「地元の同意」と「市長の同意」が揃ったことになる。

ところが、カジノを含む統合型リゾート(IR)をめぐる内閣府副大臣 秋元司氏の逮捕もあって、ギャンブル場建設に対して市民の一部から反対の声が上がり始める。
昨年3月29日施行された豊前市議会議員選挙では、ボートピア反対を掲げる共産党議員が初当選を果たした。
更に、5月13日には 建設計画に反対する市民団体が、後藤市長に反対署名を手渡し、「建設に同意しない」よう要望したことが報道されるなど、反対運動が豊前市全体に周知されていった。

6月議会の一般質問においては 、共産党議員からボートピア建設の是非を問われ、後藤市長は、「(管理運営会社から)正式に今までこういうことをしたいという申し入れは無いように受け止めている。情報を整理し、慎重に考えていきたい」と答弁した。

確かに、申し入れはなかったかもしれないが、前述のように 後藤市長は公印を押して「建設を要望する陳情書」を日本財団に提出しており、同意どころか 自ら意思表示をしていたというのが実情である。

9月議会では、「誘致に反対する決議」が提案され、採決で6対6の可否同数、最後に爪丸裕和議長が賛成票を投じ可決された。
このことで、3要件のうち「議会が反対しないこと」という要件を満たさなくなり、完全に計画がストップしている状況である。



ー 続 く ー

 

「ボートトピア誘致」で紛糾・ 豊前市議会 ②

■ 市長が日本財団に陳情書提出

 

市議会紛糾の取材の中で、ボートピア誘致から突然方針を転換し、後藤元秀市長と爪丸裕和議長が 関係者に対し、非常識かつ非礼な振舞いをしていることが判った。

豊前市では、人口減・少子高齢化に伴う税収減、それに加え、東九州自動車道「椎田南IC~豊前IC間」の開通によるストロー現象により、地元商店が大きな地盤沈下を起こし商業の衰退が進んでいる。
そういった中、売上減に悩む 道の駅「豊前 おこしかけ」に隣接してボートピアを開設すれば、相乗効果で 同市の発展に繋がるという発想が出てくるのは自然な流れだった。

ただ、誘致と言っても相手があること、テーブルに乗せるのも並大抵のことではなかったが、衆議院議員を5期務め 競艇界の育ての親とも言える 平井義一氏(1913年 – 2007年)が、豊前市出身だったことで話が進んだ。
豊前市民の憩いの場「天地山公園」には平井氏の銅像が建っている。
ボートピア建設には、笹川良一氏が創設した公益財団法人日本財団の同意の下、唐津ボートを運営する唐津市が承認し、運営会社が施主となって事業化に向けて動くことになっている。
これらの関係者が「先生の故郷の発展に寄与するなら協力したい」ということで、 「平井氏没後10周年の記念事業」として青写真が描かれたという。

そうした経緯があって、2016年(平成28年)、誘致に前向きだった後藤市長が、日本財団の笹川陽平会長宛に、ボートピア建設の陳情書に「公印」を押印し、提出したというのである。
内容は、「平井義一氏生誕の地に、市議会、郷土を支える諸氏と協議を交え、舟券発売の売場開設を計画した。構想については 近隣や地元から期待と支持が寄せられている。どうか開設推進に向け 力添えをお願いしたい。」というものだった。



ー 続く ー

 

「ボートトピア誘致」で紛糾・ 豊前市議会 ①

豊前市議会が おかしい。

議会の申し合わせで、「会議から3日後には動画を公表する」とされているというが、2月26日(金)の 本会議の模様が、1週間経っても配信されていない。

当日は、一般質問3日目が行われたが、市長答弁で議会が紛糾し、その後百条委員会設置の緊急動議の採決が行われたという。

何があったとしても、議会が 内容を市民に公開するのは 当然の務め、議会のホームページには 何の説明もなく、市民からは 批判の声が上がっている。



ー 続く ー

 

 

梓設計と滉王③

それでなくても、ここ数年の梓設計が関わった公共工事で問題が続いており、業界や地方議会では不信感が高まっている。

2016年6月に実際された唐津市新庁舎建設基本計画策定業務の入札では、梓設計が予定価格の約1%で落札、そのことが競合した他設計会社から不評を買い、その後の基本・実施設計業務プロポーザル方式の選定に梓設計以外の業者が参加しなかったため 2度も中止となった。

また、同社が基本設計に携わった建設工事の入札で不落や不調が続いている。
2014年8月に行われた太宰府市のとびうめアリーナの建設工事の一般競争入札では、予定価格約24億円に対して約7億5千万円の超過で不落、2018年12月に行われた吉野ヶ里町文化体育館建設工事の一般競争入札では、約18億4千万円の予定価格に対して約4億2千万円の超過で不落、2019年10月に行われた佐賀県発注のSAGAアリーナ建設工事の一般競争入札では約144億1千万円の予定価格に対して、なんと56億8千万円の超過で不落、といずれも同社が基本設計に携わった工事が不落となっている。

更に、今年1月に行われた予定価格約25億9千万円の飯塚市新体育館の建設工事入札では、入札直前の辞退が続き2度不調となり、3回目の入札では予定価格を約2億円引き上げたところ、結果的に1回目の予定価格を下回る額で落札した。

入札の不落や不調は、力のある地場ゼネコンが価格を吊り上げるために、画策したという側面も否定できないが、それぞれの地方議会において同社の積算の責任を問う声が相次いでいることも事実だ。





ー続くー

続きを読む