ショージとタカオ

冤罪により獄中生活を強いられた桜井昌司氏(72)が国家賠償を求めた裁判で、5月27日東京地裁は国と茨城県に対して計約7600万円の支払いを命じる判決を下した。

1967年に一人暮らしの老人が殺害された布川事件、桜井氏は杉山卓男氏と共に別件で逮捕され、捜査段階で自白、強盗殺人犯として無期懲役の判決を受け、20歳から29年間を獄中で過ごした。

1996年仮釈放となった後も無実を訴え続け、支援者の協力もあって再審請求が認められ、2011年両名とも無罪を勝ち取ることができた。

今回の冤罪事件に対しての国家賠償判決は、冤罪により被害者の名誉を回復するだけでなく、違法捜査や証拠隠しによる警察・検察の責任を明確にした画期的なものである。

ところで、仮釈放となった1996年から14年間、二人の生活をカメラに収めたドキュメンタリー映画「ショージとタカオ(井手洋子監督)」をご存知だろうか。
http://shojitakao.com/index.html (ショージとタカオHP)

この作品は、殺人犯というレッテルを貼られても明るく前向きに生きる二人の姿を撮ったもので、2011年のキネマ句報文化映画部門ベスト・テン第1位をはじめ、数々の賞を受賞している。

現在は自主上映会場でしか鑑賞することができないが、筆者はある地域で開催された人権問題研修会で同映画を観る機会があり、二人に親近感を覚えたことがある。

残念ながら、杉山氏は無罪判決を受けてわずか4年後の2015年、69歳で亡くなった。
きっと今回の判決を天国で喜んでおられることだろう。



続きを読む

枕営業~妻の請求棄却

会社を経営している社長が、東京銀座のクラブママと7年間に渡って交際し、その間の度重なる性交渉を社長夫人が怒り、クラブママに慰謝料400万円を請求した裁判で、東京地裁の裁判官は妻の請求を退ける判決を下した。
昭和33年4月から売春禁止法が完全施行され、日本国内から赤線の灯りが消え、表向きはセックスを生業とするプロの女性がいなくなったと言われているが、素人女性がセミプロ化して稼いでいるもの事実だ。
福岡でも数年前に、よく名前の知られた病院院長がクラブママに月15万円での愛人契約を交渉したが、断られたニュースが漏れ聞こえ、中洲雀の話題となったことがある。
裁判所の下す判決は通常、常識の範囲を超えることはないものの、水商売の女性が行う枕営業を認めたこの東京地裁の判決は、社会通念からかけ離れた感が強い。
とは言いながら、去年の4月に下された判決を、なぜ1年後に、誤報で落ち目になったとは言え、マスコミを代表する新聞社が取り上げたのだろうか。
この点もひじょうに気になる。 続きを読む