福岡一極集中の陰で

九州の高速道路は縦貫道と横断道が整備され、さらに九州新幹線も鹿児島まで開通しており、長崎新幹線も建設中だ。
九州各県の県庁所在地には、その地方を代表するデパートが営業しているものの、品揃えに限りがあり豊富ではないため、若者はアパレルやファッションなどの買物や遊びを兼ねて、福岡に来て専門店で購入している。
各地の県庁所在地でさえ人口減少は避けられず、この人口減はそのまま購買力の低下に連動しており、交通網が発達し整備されればされるほど、福岡への一極集中が顕著になると言って過言ではない。
一方で福岡の街は土地不足と容積率の緩和で、雨後のタケノコのように分譲、賃貸ともに高層マンションが建設されており、増え続ける人口を当てにして、一旗挙げようと考える人も多い。
しかしビジネスが全て成功するとは限らず、商売に失敗し敗残者になった人も多く、数年前までは市内の幾つかの公園で多くの青いビニールテントを見かけたものだ。
最近は見かけなくなったなと思いながら車を運転していたところ、博多区の幹線道路に面した解体寸前で、水道も止まっているかのような廃屋に近い、マンションのベランダに洗濯ものが干してあるのが見えた。
公園などから浮浪者を集めて、青いビニールハウスより少しは雨風がしのげる廃屋に住まわせて、ボランティア精神でいわゆるホームレスを支援しているのだろうと感心したものだ。
しかしよくよく考えてみると、関西では囲い屋とも称されている生活保護ビジネスが、福岡にも出て来たのかとも思え、なんだかさびしくなってきた。


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