JR九州販売の欠陥マンション建て替えへ

JR九州(福岡市)他2社JVが販売した傾斜マンション「ベルヴィ香椎六番館」(福岡市東区)の建て替えが決まった。
8日、管理組合は臨時総会を開き建て替えを議題とし、賛成多数で議決した。
来年4月から解体を始め、完成は令和5年(2023年)1月の予定という。

施工不良が原因と思われる住人の健康被害もあったことから、管理組合はJR九州に対し、調査と改善を20年以上訴え続け、山が動いたのが1年前、㈱日本建築検査研究所(東京都渋谷区 代表者 岩山健一氏)に調査を依頼したことだ。
同研究所の調査で今年4月、支持層に到達していない基礎杭があることが判明し、販売会社も施工ミスを認めざるを得なくなった。

相手は大企業、しかも欠陥の証明には数百万円もの費用がかかるため、住人が同じ方向でまとまっていく必要がある。
ベルヴィ香椎六番館の場合、役員の中に企業との交渉や住人の意見の取りまとめに奔走した人物がいたことが、成功の要因と言えるだろう。



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福岡市中央区の欠陥マンション

弊社が報じてきた福岡市東区の傾斜マンション「ベルヴィ香椎六番館」は、JR九州ら販売JVが今後解決に向けて協議していく事になったが、今度は福岡市中央区で構造上の問題がある分譲マンションについての情報が寄せられた。

同マンションは、平成12年竣工で15階建、天神へのアクセスも良く、眼下に大濠公園を見渡せる好立地で、相応の資産価値も見込まれることもあって即完売したという。
販売したのは大手不動産会社S、当時のパンフレットには、「ここにしかない。オンリーワンの選択。」「オーナーとマンションの幸福な関係が始まる。」というキャッチコピーが並んでいる。

しかし、同24年の大規模改修前後に数多くの欠陥が見つかり、建築基準法に適合しない構造スリットの未施工が発覚した上、基礎杭の支持力が不足している疑いが判明、住民は不安の中での生活を余儀なくされるようになった。
販売会社は施工不良の瑕疵を認め、希望者には時価で買い取り、構造スリットの無償施工、及び全戸に解決金の支払いという条件を提示している。

基礎杭の支持力が不足している点については、当初の構造計算時の時に比べ、支持力が7割程度に落ちているという専門家の意見もあるが、販売会社は支持力に問題ないという立場を取っており、管理組合が要望すれば有償で杭の補強を行うとしている。

現在、管理組合は販売会社の提案を全面的に受け入れるかどうか協議中であるが、一部住民からは建て替えを要望する声も根強く、残りの基礎杭の調査を専門家に依頼する案も出ており、解決にはもうしばらく掛かるだろう。

販売元や建設会社は高度な技術を駆使し全ての建物を竣工させているはずであるが、瑕疵が全くないとも言い切れない。
人生最大の買物となる戸建住宅やマンションに瑕疵が疑われたとき、最近はオーナーが専門家に調査を依頼し、見えない場所の欠陥や手抜きを発見できるようになってきた。
地場建設会社も、今後更なる現場管理を徹底し、細心の注意を払っていく必要があるだろう。



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