土砂崩れ、死亡現場の上にメガソーラー

九州北部を襲った記録的な大雨は、福岡県内でも各地に爪痕を残した。
添田町庄地区では土砂崩れが発生し高齢の女性が亡くなった。

地元紙は、「被災した家屋の裏山は町有地で、2018年と2020年の2回土砂崩れによる被害が起き、その都度町が対応してきた」と報じていたが、ここだけ読むと町の管理責任が問われるような印象を受ける。

気になったので現場を見に行ったところ、被災家屋の裏山の先(西側)には 福岡市に本社を置く不動産会社所有のメガソーラーが広がっていた。
かなり広いので一枚の写真には収まらない。




新聞社がヘリから撮影した土砂崩れの現場写真とGoogle Map を重ねてみると下図のようになる。
現場の西側に広大なメガソーラーの敷地があることが判る。
Google Map はこちら



国土地理院の電子国土WEBを使うと、高低差を断面図で表すことができる。
電子国土WEBはこちら

メガソーラーの場所について 、断面図を表すことができるツールを使うと、図左側の標高約112mの高台から 東に向かって緩やかに傾斜し標高約100mまで下がっていることが確認できる。(下図)
そこから さらに東へ進むと 町有地になり、約8m 急傾斜している。

添田町ではこの2週間で 約1200mmを記録、年間平均降水量の約半分が降ったことになる。
メガソーラーの敷地内に降った大量の雨水が 勾配に沿って東側に流れ、町有地の保水力が限界に達した可能性もある。

田川地区には 住民の目には触れにくいが、住居地のすぐ近くに広大なメガソーラーが広がっている箇所が多数存在する。
再発防止に向けて、メガソーラー周辺の水の道がどうなっているか、国や県が主導して業者に総点検させる必要があるのではなかろうか。



 

太陽光のエナリス~粉飾の噂が・・

 メガソーラー発電事業などで急成長を果たした企業は数多いが、業歴が浅いだけに、人材や経営ノウハウの蓄積が成長に追い付いていないことも確かで、さらにエステート24や旧ロハス電力に見られたように、胡散臭さが付きまとっていることも事実。

平成16年12月設立の㈱エナリス(東京都千代田区)は、同23年12月期14億円だった売上が、翌24年度は51億円を計上、同25年10月にはマザーズに株式を公開、そして同25年度には売上が101億円に倍増、同26年12月期は4倍増となる434億円の売上を見込んでいる。

こうした太陽光関連事業の成長企業が、9月24日の再生可能エネルギー買取価格一時保留問題で、株価を落とし始めているのは他の太陽光発電事業主体の上場企業も同様で、同社固有の問題が発生したわけではない。


 

だが10月24日、同社株価が1090円から790円に急落し、さらに10月27日10時過ぎの段階では780円まで値を下げた。

このような急激な落ち込みで、株価が年初来安値を更新しているのは、同25年12月期末でのテクノ・ラボ㈱に対する売掛金、10億5000万円がどうなったのか、同社が10ヶ月間にわたり状況を公表していなかったのが原因。

WEBサイトから質問を受けたものの、タカを括ったかのような解答にサイト側が独自の取材結果を報告、これが回収不能の印象を与えたことで、エナリスはあわてて「一部のWEBサイトの書き込みについて」というコメントを10月24日発表した。

しかし内容が具体性に欠け、株主の不安がよけいに深まったと感じたのか、同日さらに池田元英社長名でIR記事を更新、売掛先であるテクノ・ラボ㈱の名前こそ公表したものの、それ以外の固有名詞は登場せず猜疑心は一段と深まり、26日の日曜日になってようやく具体的な商品や代金回収の流れを説明した。

これによれば、「問題となった設備はエナリスバイオディーゼル発電所内にて建設工事中で、平成26年12月に営業開始する予定です。発電された電力は当社が買取りいたします」とし、「販売代金10億5000万円は東証一部のリース会社より平成26年12月末までに入金されます」とのこと。

さて、この話題、株主や投資家の皆さんがこれで納得して、騒ぎは無事収まるだろうか。それとも、エナリス側が、年末12月の何日に、どこの東証一部リース会社から、金額にして如何ほどが、つつがなく入金されました、と発表するまで、くすぶり続けるのだろうか。

すでに巷では粉飾決算の噂がしきり。


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