養々麺

博多は古くから海外との交易が盛んだったこともあり、うどんや蕎麦の伝来の地として石碑も存在するほどで、祇園山笠も近くなり、ソーメンが食べたくなる季節になった。
ソーメンは夏に冷やして食べるのが一般的で、たまに寒い時期にニューメンとして食べる家庭料理と思っていたが、最近はうどんの様に温かくして食べさせるところも現れ、中には赤坂の「七山」の様に、「豚しゃぶしゃぶ」の〆にソーメンを入れる店も出てきたほどで、ソーメンの食べ方もバラエティに富んでき始めた。
また中洲でもソーメンを食べさせる居酒屋も出来て、気軽に食べる機会が増えて喜んでいたら、家庭でお湯をかけるだけで簡単に食べられる、インスタントのソーメンが開発されたようだ。

この商品「養々麺」は、もともと長崎県の島原半島で、きのこの栽培をしていた「雲仙きのこ本舗」が、全国的にも有名な「島原手延べ素麺」のソーメンと組み合わせた、新商品として開発し販売を始めたもので、福岡では唯一、渡辺通り2丁目電気ビルの裏にある、直営店の「雲か山か」で販売しており、注文すれば店内で食べることも出来る。
手軽で美味しく、一度食べると、また食べたくなるのが「養々麺」である。


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赤坂のもつ鍋・七山

昭和50年頃までは一般の市民やサラリーマンが、食べたり飲んだりしことはなかったように思う。
二階堂酒造の下町のナポレオン「いいちこ」が焼酎ブームの先駆者だったように記憶しているが、その後は人吉の「六調子」や、ゴマを原料にした久留米の「紅乙女」などが、ホテルのバーなどに並べても、ウイスキーやブランデーなどに見劣りしない、高級感溢れるボトル詰で、清酒から焼酎に替わる火付け役になった。
それに比べて「もつ鍋」は、庶民の食べ物として広がったため、立派な作りの店はあっても、高級感あふれる専門店は少ない。
薬院大通り近くのビルで営業していた「七山」が、2年前に中央区赤坂に向かう一方通行の道路に面し、店の前に小さな庭があるビルの1階に移転した。
カウンター席とテーブル席のみの、こじんまりした作りだが、小粋で高級感にあふれ、大事な客を接待できる店としてお勧めしたい。
ただし、余り大きくないので予約しておくのが無難である。
もつ鍋を食べられない人には豚しゃぶもあり、博多雑煮に使われる焼きあごが鍋の中に1匹入っていて、レタスのシャキシャキ感も良く、最後の締めはちゃんぽん玉以外に、注文を受けてから茹でる「そうめん」がある。
これがまた絶品で、女性が喜ぶ店としてインプットしておくのが、男性のたしなみではなかろうか。


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