歪んだ3号線広川~八女バイパス「八女市編 ⑬」

U氏の父親は立花町の顔役で、矢部川の漁業者の権利を訴え、「漁業権」を全国に知らしめた人物と言われる。
U氏は亡くなる前、親交の深かったT氏に「息子のことを宜しく頼む」と伝えたという。
その言葉通りT氏とU氏は手を携えてきたが、行政を歪めてきた2人の行動を 天国のU氏の父親はどう思うだろうか。

U氏が用地買収を巡る「贈賄申し込み」で実刑判決を受けたのは前述の通りだが、「U氏の親族が渡そうとした200万円は、土地を買ってもらった『謝礼』だった」という話を聞いた。
「贈賄申し込み」という言葉からすると、「便宜を図る」ことが未然に防げた印象を受ける。
しかし、地元メディアは、「贈賄申し込み」は移転補償費に対するもので、その前に「余分な土地の買収」があり土地代が既に支払われていたことを伝えている。
問題となった土地は、市が計画していた公園用地に含まれていない土地、今でもストリートビューで同地を確認できるが、廃屋で周囲に雑草が生い茂っている。
U氏は同地を平成22年(2010年)に取得し、同24年(2012年)に同居の娘に売却という形を取っている。
その後、市は「市道改良工事」の目的で平成27年(2015年)8月、12月、同28年(2016年)4月と3回に分けて売買契約を結び同地を買収、その1ヵ月後の5月に贈賄事件が起こった。
時系列で見れば「謝礼」である。



贈収賄事件に詳しいマスコミ関係者は、「これから便宜を図ってもらうための賄賂なら本人が持参する。娘に持って行かせたのであれば謝礼だろう」と話す。
「謝礼」ということなら、やはり市が便宜を図ったということになるが…。

いずれにしても、土地買収後に現金が市の幹部に手渡されようとした事実が、これまでもU氏に対して便宜供与があったことを思わせ、市民の間に不信感が募る要因となっている。

ー 続く ー

続きを読む