人材が集まる建築会社

 アベノミックスで増えたのは、IT産業と福祉施設業界で、建設関連企業では人手不足が常態化しており、仕事があっても手が足りないため、受注できない状態が続いている。
福岡市に隣接し人口が増えている粕屋郡粕屋町で、明治35年に創業した因建設㈱は、昔ながらの建築在来工法を守り、年商10億円内外で推移、無理な受注をせず利益を確保する、安定した経営を続けている木造建築会社だ。


最近の木造建築は、大半が工場でのプレカットを主流としており、自社の切り込み場で墨つぼなどを使って作業を行っている会社は少なくなった。
木造建築に携わる大工さんも、若い後継者が不足して高齢化が進んでいるが、因建設には20代の若い大工職人が4名在籍しており、さらに他所の会社で大工として働いていた経験者が、転職してきた。

この5人の大工は、インターネットや人からの噂で入社を希望してきたようで、最近では本人自ら電話してきた女性も、営業担当社員として勤務している。
一方では保育園や集会所などの公共施設の中にも、コンクリート製ではなく、地元木材の特性を生かした地産地消の木造建築物を採用するケースが増えているため、高度な技術力を習得する勉強会を社員同士で開いていることから、建築設計事務所にも因建設の名前が浸透して来ているようだ。


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