立憲の戦略に不安の声

告示日まで1ヵ月を切った福岡市議会議員選挙、早朝の交差点や駅前に立候補予定者が立ち、街中には2連・3連ポスターが貼られ選挙モードとなってきた感がある。
今回、維新が全7区に候補者を揃え議席増を狙うほか、国民民主が4人、参政党が3人、れいわが1人 新人を擁立し初議席獲得を目指している。

こうした中、立憲民主党の支持者から議席を減らすのではないかと不安の声が上がっている。
というのも、中央区(定数7)、南区(同11)、城南区(同6)、早良区(同9)、西区(同8)に、それぞれ2名ずつ公認候補を擁立するからだ。
そこに国民民主の新人や民間労組が支援する現職が立候補するため、民主系の票が割れることが想定される。

立憲の支持率からして全区で2名当選というのは厳しいと思われ、最悪の場合2名とも当選ラインに届かない選挙区があるかもしれない。
特に新人は厳しい。労組の組織内候補ならいいが、一般からスカウトされた新人が顔を売るには時間がなさ過ぎる。
最近、自分だけ勝ち残ることに注力する政治家が目立つが、この状況下で 右も左も分からないまま健気に頑張っている新人を見ると つい応援したくなる。

新人をただの駒として扱うような政党や政治家は、いずれしっぺ返しを食らうだろう。

さすがにやり過ぎの声、他党代議士と2連ポスター

春の統一地方選で5期目を目指す守谷正人県議(城南区・国民民主党)、今回は無所属で出馬するとして、福岡2区の稲富修二衆院議員(立憲民主党)と共闘で国政報告会や新春の集いなどの催しに参加し精力的に取り組んでいる。

そして、最近稲富議員との2連ポスターがお目見えしたのだが、「これはさすがにやり過ぎ」という声が上がっている。

いくら守谷県議が無所属といっても、国民民主党福岡県連の幹事長代理という要職にあり、そのことは県連ホームページにも掲載されている

組織の幹部なら、自党の党員を増やすことに注力し党勢拡大に努めることが当たり前、他党を利する反党行為とも取れる。

これでは「身分を隠して選挙で勝ちたいだけ」と批判されても仕方がない。
同じ2区内、お隣の南区の県議選(定数4)には 国民と立憲の両方から立候補予定でガチンコ勝負、これが本来の姿と言える。

一方、福岡市議選には国民から4人の新人が出馬予定、各選挙区とも立憲の候補と票の奪い合いで厳しい戦いが予想される中、政党名を堂々と掲げて挑戦する。
玉木雄一郎代表も「福岡市の国民民主党の仲間をよろしくお願い致します」と動画で呼び掛けている。

県連幹部には 彼らを応援する役割があるはずだが、玉木代表や新人は守谷幹事長代行の無所属出馬や他党国会議員との2連ポスターについて、どのように受け止めているだろうか?

幹事長代行が無所属で出る不思議

「つくろう、新しい答え。」というキャッチフレーズで 党勢拡大に努める国民民主党、福岡県総支部連合会が、来年4月の統一地方選の候補者擁立を進めている。

福岡市議選には、中央区 弓洋子氏(52)、早良区 前野まみこ氏(39)、西区 松本れいこ氏(28)、博多区 野田きよし氏(46)、いずれも新人の4人が挑戦する。


また、大野城市議の松田みゆき氏(46)は4期目に、元南区県議で7月の参院選に立候補した県連代表の大田京子氏(44)は県議再挑戦が決まった。

ここで疑問なのが 党県連「幹事長代行」の肩書を持つ、守谷正人県議(城南区)の名前がないことだ。
守谷県議は九州電力総連組織内議員、生粋の国民民主党議員のはずだが、県議事務所には国民民主党の文字が見られず、なぜか駐車場に立憲民主党の稲富修二衆院議員や古賀之士参院議員らの立て看板が設置されている。
ちなみに、稲富議員の看板は旧民主党時代の6年前のもの、古賀議員は倒れ掛かっていて とても大切にされているようには見えない。



国政政党として県議会に1~2議席確保しようとしている時、幹事長代行が 他党の看板を立てるはずはない。
国民民主党を離党して立憲民主党に移ったのなら理解できるが、国民県連のウェブサイトには そういったことは書かれていない。

こうした中、守谷県議が無所属で出るということが判った。
立憲の稲富議員のチラシには、「中央区・城南区・南区(福岡2区)現職の市議会議員・県議会議員と共に力を合わせがんばってまいります!」と書かれ、そこに 「守谷まさと 無所属」と記されている。

国民民主党と立憲民主党の両党から票をもらうということだろう。
さすがに関係者の間からは、「新人が国民民主党で挑戦しようとしているのに幹事長代行がこれでいいのか」「立憲の国会議員と同じチラシに出るのは反党行為では」と批判の声が出ている。

いやいや、これが 守谷県議の「つくろう、新しい答え。」でしょう。

福岡県議会・樋口明議長

福岡県議会は5月の臨時議会を開催し、毎年恒例となっている議長選出を行い、今年は自民党福岡県議団の樋口明議員が、81票を獲得して正式に選出され、副議長には民進党の守谷正人県議会議員が、同じく選出されて就任する運びとなった。

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県議会議員選挙・南区

~定数4議席に対し5名が立候補・少数激戦~
 前回の選挙では立候補者が現職の4名だけで無投票だったが、今回は民主党現職である新村雅彦県議(62歳)の子息が、前回落選した博多区からではなく、南区から市議選への出馬を表明したため分裂、そのため民主党福岡2区支部長の稲富修二元衆議院議員は新人の大田京子氏を擁立した。
新村雅彦県議は無所属での立候補となるが、教師として教壇に立っていた経験上、旧社会党に所属し教育関係者を基礎票に持っており、また柏原、桧原、大平寺には、地域に密着した独自の組織を形成していたが、支持者の高齢化も進んでいるため、今回どれだけの票が残っているかが課題だ。
一方来年夏に噂されている衆参同時選挙ともなれば、稲富修二氏にとって大票田の南区に、民主党県会議員は絶対に必要であるだけに、若さを強調した36歳の新人女性候補、大田京子氏を擁立したものだ。
しかし大田京子氏の事務所に若干の男性はいるものの、女性ボランティアを主体においているため、行動力に限界があることは否定できず、この点がウイークポイント。
終盤戦を迎えて、民主党中央区の原中誠志県議と城南区の守谷正人県議はともに堅実な選挙戦を行っており、2区のリーダーである稲富修二氏が自らの後援会を動かし、大田京子氏の知名度をどこまで挙げられるかが、残る3週間の大きな課題となってきた。 続きを読む