職員を追い詰めた市長

今年は選挙イヤー、特に住民生活に直結する市町村長を選ぶ選挙は重要だ。
国や県から予算を取ってくる能力や人脈の多さも大事だが、人を使えるかどうかも大切なポイントである。
首長によって役所内の空気はガラリと変わり、職員のやる気を引き出せば 延いては住民サービスの向上に繋がる。




令和になってすぐ、某市役所勤務の40代の課長が自宅で亡くなっているのが発見された。
遺書がなかったので 警察は「不審死」として処理、しかし 役所内の職員の多くが 状況から自殺で間違いないと見ている。

市役所内は常にピリピリした空気に包まれている。
市長が部長を怒鳴ることは日常茶飯事、時には教育長までも怒り上げる。
直接 課長に暴言を吐くことはないが、「報告受けてない」「聞いてない」「出ていけ」「出直せ」「やり直せ」が口癖、意に添わぬ時は 関係のない部署の決裁までストップ、1~2週間決裁が止まることも珍しくない。

こんな話もある。
課長がある企画について段取りをして市長に説明に行き、「よし、わかった」と決裁を貰った。しかし、翌日呼ばれ「これは何だ」と聞かれ「昨日決裁を頂きました」と言うと、「俺は判を押してない」と全てなかったことに。

亡くなった課長が働いていたのは そのような職場だった。




市長が期数を重ねると権力が集中し、こうした状況になりかねない。
以前は多選となると批判が多かったが、最近は4選も珍しくなくなった。
中には7期目を目指す首長もいるというので驚きだ。
また、高齢者特有の症状が顕著になり 周囲に様々な弊害を及ぼしている市長もいると聞く。

皆さん自治体の首長が、やる気を引き出すタイプか 追い詰めるタイプか ご存じですか?

4期目挑戦か? 後継指名の噂も…

市長選挙まで2ヵ月を切った。
決算特別委員会後に進退を発表するという高島宗一郎市長、現時点で出馬は間違いないという予想が多いが、不出馬で「後継指名」をしているとの噂が出ている。

事の真偽はともかく、指名されたのは福岡市のシンクタンク事務局長のI氏(42)、中央省庁や地方自治体の委員など公職も多数務め、高島氏の信頼が厚い人物だ。

高島氏と言えば就任当初から国政志向で知られ、2区や1区から衆院選出馬も度々噂になり、前回の市長選挙前には安倍内閣で大臣就任の話も話題に上がっていた。
しかし、首長から国会議員になった諸先輩は多いが 数が多いだけに存在感が無くなるのが常、高島氏自身も国会で雑巾掛けができるタイプでもないと言われている。

国会議員に転身するだけの魅力がないとすれば 市長続投か、とは言え さすがに同じ職場に12年もいれば飽きるものだ。
最近は ネット番組に頻繁に出演しており、全国に顔を売ることでビジネス界進出の布石と見る向きもあり、後継指名をして市長職をあっさり手放すことも有り得ない話ではない。

ただ 観測気球を上げて人の動きを観察しているだけという見方もあり、福博の政財界関係者は本音を口にしない高島氏のペースに翻弄される日々を送っている。

総決起大会は公選法違反?

選挙となると県警2課は選挙違反の摘発に力を入れるも、公職選挙法にはグレーな部分が多いのも事実で、立件までいくのはなかなか難しい。
喉から手が出るほど欲しいのは現金が動いた情報、贈収賄で立件できれば勲章ものという話を聞いたことがある。

4月18日に告示される小郡市長選を前に、小郡市では公選法の規定により、3月25日から4月11日までの福岡県知事選挙の期間中は後援会活動が禁止されており、候補を擁立している各後援会はもどかしい思いで過ごしていたようだ。
平安まさとも後援会のFacebookには、「選管からのお達示は、『知事選挙期間中は後援会活動を禁ずるとのこと、市政に関する集会、報告会はできません』とはっきり書かれている。



それにもかかわらず、4月11日に 同後援会の総決起大会が開催されたとの情報が入ってきた。

場所は小郡市民文化会館大ホール、案内状には、「来る四月の市長選挙に向けて、皆様方のお力をお借りしたく総決起大会を開催させて頂きたく存じます」と 堂々と集会の告知をしている。
大会には平安氏本人も出席、盛況だったという。

公職選挙法第201条9項に、「政治活動を行う団体は、政談演説会及び街頭政談演説の開催、(中略)ビラの頒布並びに宣伝告知のための自動車及び拡声機の使用については、都道府県知事の選挙の行われる区域において、その選挙の期日の告示の日から選挙の当日までの間に限り、これをすることができない。」との規定があり、違反した場合は 百万円以下の罰金という罰則規定もある。

後援会が選管に集会禁止を確認しておきながら 総決起大会を敢行したのは事実だ。
小郡市の市民からは怒りの声が上がっているが、現金の授受ではないだけに 2課も興味が湧かないということか。

下関市長選挙

平成29年3月に実施された下関市長選挙は、自民党内部の勢力争いとして語り草になっている。

新人の前田晋太郎氏(当時40歳)は、安倍前総理の秘書を務め市議2期目、自民党から公認を受けた。
迎え撃つ現職市長は中尾友昭氏(当時67歳)、林芳正参議院議員に近い人物で、実質2人の一騎打ちとなった。

ファーストレディだった昭恵夫人が、元秘書の為に東京から応援に駆け付けた甲斐あってか、前田氏が3000票余りの差をつけて中尾氏を破り、初当選を果たした。
安倍事務所や後援会の幹部らが、山口のみならず東京の街も闊歩し、祝杯を挙げたことは言うまでもない。

あれから3年半が経過し、今年9月24日、前田市長が来年3月14日投開票の市長選挙に2期目を目指して立候補する意向を示した。
しかし、下関市も高齢化と人口減少に歯止めが掛からず、思うように市政運営がいかない中、安倍氏周辺が騒がしくなり、歯車が狂い始めた様だ。
熱心だった安倍支持者の一部も距離を置き始めており、早くも苦戦を強いられているという情報が伝わって来た。

大牟田市長選挙

大牟田市長選挙(11月17日投開票)は10日に告示が行なわれ、元市長の古賀道雄氏(75)、元県環境部長の新人関好孝氏(60)=自民・公明推薦、建設請負業の新人福島功氏(76)の無所属3人が立候補を届け出た。

現時点で知名度を生かした古賀氏が有利に選挙戦を戦っているようだが、関氏が追い上げる展開を見せている。

かつて三井鉱山のお膝元として繫栄していた時代は、昔物語として語り継がれているものの、石炭に代わる地域産業の創出に後れを取って、人口の減少が加速し衰退しつつある状況だ。

人口減に歯止めをかけ、賑やかな子どもの声が聞こえる街にしていくために誰が市長に相応しいか、有権者一人ひとりの1票に託されている。



続きを読む

北九州市の市長選挙

北九州市の市長選挙が13日に告示され、27日の投開票日を目指して、現在3人の候補者が名乗りを上げている。
現職北橋健治市長(65)の優勢が伝えられ、自民党実力者の中には御不満の方が居られる様だが、確かに候補者3人の中で年齢を考えると、現職が高齢であるものの行政手腕は確かな様だ。
北九州空港は24時間離着陸が可能で、今後も関門海峡の浚渫土砂を利用して空港をさらに拡大し、その上で北九州の技術力を活かし、航空機の修理工場を建設すれば、世界中から人と物が飛んで来る事は間違いない。
更に小倉北区の北側に残っている工場地帯を完全に解体し更地にすれば、広い土地が確保できるだろう。
IT関連の誘致を行えば、若者を中心として徒歩か自転車を主体の社員が集まり、近隣に住み易いマンションを建設すれば、若い世代は自然に集まってくるはずで、北九州市の人口減少にも少しは歯止めが掛かることになるだろう。



続きを読む

朝倉市長選挙

4月8日告示、15日当開票予定である朝倉市長選挙は、現職森田俊介市長(65)の、3選への立候補を断念したことが発表された。
昨年7月に起きた九州北部豪雨による被害は、山林の土砂と一緒に植林されていた多くの杉や檜が流され、多数の犠牲者が出たのは周知の事実である。
朝倉市だけの職員では対応が出来ず、災害当初は国や県の支援も得ていたが、森田俊介市長は職員の先頭に立って、不眠不休で復旧復興工事の陣頭指揮を行っており、市長の心労は重くなる一方で、今回の発病も過労から来たものと言われている。
周囲や市民からも出馬を願う声も聞こえるが、今はゆっくりリハビリに専念し、残りの人生を楽しんで貰う気持を込めて、「お疲れ様だした」の言葉を添えたい。

続きを読む

市長選挙~9日備前市、23日は小郡市

現職70歳、対抗馬の新人2人は72歳と65歳。
高齢化社会を代表するような戦いとなった岡山県の備前市長選挙は、4月9日に投票が行なわれ、72歳の新人田原隆雄氏が見事に当選した。
地元のテレビ局、山陽放送が開票直後に流した「現職の当選確実」速報が、開票終了後にひっくり返るというおまけつきで全国ニュースにもなった。
現職には自民、公明党など、5党が推薦しておきながら、158票の僅差で落選
したということは、備前市の地方議員は推薦したにもかかわらず、選挙協力などではほとんど動かなかった、ということなのだろうか。
現職のおごりから上意下駄角選挙運動だったが、当選した72歳の元市議はコツコツと草の根運動を行なった結果、大輪の花を咲かせたように思う。
福岡では、小郡市長選挙が4月23日の投開票日を目指して、現職対新人の一騎打ちの戦いが既に始まっている。
現職が組織を利用して締め付ければ締め付けるほど、一般市民は反発して、現時点では新人が若干リードしているようだ。


 

住民の希望が市長を変えた!

先日、5日に当開票が行なわれた福津市長選挙は、3期目を目指す現職市長を、新人の元市議、原崎智仁氏(46)が1171票の差で破り、当選した。

現職市長は県議会議員を7期勤め、市長に転じては既に2期を経験していたようだが、比較的楽な選挙が多かったようで、若手有力候補の出現にあわてた現職市長を取り巻くメンバーは、市長選挙に出馬しないよう、かなりの圧力をかけていた模様。

福津市はJR駅前の再開発が成功し、新しい住民が増えていたのも事実で、それだけに旧態依然とした市制に反対を唱えた原崎智仁候補に新住民の票が流れたものと推察される。

一方、飯塚市長選挙は同世代候補が3人並んでいるが、真ん中に位置する60歳のかたみね誠候補は、前職が飯塚市教育長で、永年にわたり教育現場に携わってきただけに、若い多くの教え子がいるのが強みだ。

飯塚市長選挙~かたみね誠候補~未来へ!

2月26日投開票日の飯塚市長選挙に立候補する、前飯塚市教育長、片峯誠候補の記者会見が2月6日午前10時から飯塚市横田の事務所で開かれた。

記者会見会場に集まった新聞やテレビ局の記者の質問は、前市長の賭けマージャン問題に集中したが、片峯候補は教育畑出身らしく言葉を選びながら誠実に回答、また今回立候補した動機についても、教育現場で体験した子どもに対する熱い情熱を、如何にして行政に反映させることが出来るかと真摯に語り、その話しぶりは印象的だった。

そもそも同氏の経歴は少々異色で、最終学歴は教育系学部ではなく薬学部の卒業生で、同学部の実習で人に対する教育を強く意識した結果が教育者への道だったという。

教育現場に入ってからも、子どもたちのクラブ活動には熱心に取り組み、自らが学生時代に経験したテニスだけでなく、未経験のバスケットボール部の顧問にも就くなど、子どもに対する情熱は人一倍だったようだ。

しかし、今回の記者会見では、やはり市長選挙が行なわれる原因となった賭けマージャンについての質問が多く、おまけに記者の質問能力というか、取材力というか、ひじょうに低く、他社の質問にかぶる様な質問が続けさまにでるケースも多々あった。

勝手な思い込みだが、片峯候補は教諭や校長、そして教育長として、永年教育に携わってきただけに、「人の話しは聞け!、頭で整理してから口に出せ!」と、おそらくは声を大にして言いたかったかもしれない。

今回の立候補に当っては、家族の理解を得るためにそれなりの苦心をしているようで、会見の際に着用していたピンクのネクタイは奥さんの好みの色だそうだ。

家族にも、前職場である市役所をはじめ、周りの関係者にも気を使うなど、決め細やかな配慮が感じられた今回の会見、この姿勢で臨めば、飯塚市民に対しても同じような心配りが出来る市制が期待出来るだろう。

大川市長選挙

大川市長選挙は16日公示、23日投開票予定で行なわれる。

現時点で立候補を表明しているのは、元市長の江上均氏(54)と倉重良一氏(39)の2名で、あと1名は市長選挙にしようか、それとも大川市議会議員補欠選挙にしようか迷っているようで論外、実質的に両名の戦いになる可能性が高い。

元市長の江上均氏は市長経験が1期・4年あるが、退任してから既に11年が経過しており、今回は自民党福岡県連の推薦も得られるようだが、厳しい選挙戦を強いられるようだ。

それに比べると倉重良一氏は、学歴も職歴もスッキリしており、福岡6区補選で立候補している鳩山二郎氏が後任として推薦していることから、無所属で出馬する意向。

候補者の父親、倉重博文氏も悪評は聞かれず、JA関係者が一丸となって支援する模様で、地味ではあるが手堅い選挙が予想される。


続きを読む