駅弁・折尾の東筑軒

国内旅行の手段が汽車だった時代の思い出は、何と言っても列車内で食べる弁当が一番で、中には有名観光地よりも駅弁を求めて、旅行を計画する人も居たほどだ。

黒田五十二万石の城下町であった福岡と、古くから海外交易で栄えた商人の町博多が一緒になって福岡市が生まれ、旧国鉄の駅を祇園町に定めて、博多商人の心意気から駅名に「博多」の名を冠したと、幼い頃から聞いて福岡で育った。

博多駅には有名な「寿軒」という駅弁専門の老舗企業があったが、汽車のスピードが時間との戦いで早くなり、売り上げも厳しくなって博多駅から消えており、寂しいばかりである。

今尚健在なのが北九州市の折尾にある、かしわ飯の駅弁を販売している「東筑軒」で、昔食べた味が懐かしく、最近は駅でなく博多大丸に駅弁を買いに行くが、結構売れているようだ。



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