一生に一度の買物で後悔しないために

資材や人件費の高騰により新築の戸建てやマンションの価格も上がっている。
一生に一度の買物で誰もが失敗はしたくないが、入居後に欠陥が判明し泣いている人も少なくないという。
建築業者を選ぶ際、殆どの人はテレビCMが流れ 耳に馴染みのある大手ハウスメーカーに依頼するが、本当にそれでいいのだろうか。

2000年の創業以来、全国各地で2000件以上の欠陥住宅の調査を行い、被害者をサポートして心無い業者と戦ってきた ㈱日本建築検査研究所の岩山健一社長に話を聞いた。


 

- これまで調査された住宅で、どういう欠陥が多いですか?-

(岩山社長)
一番多いのは断熱材や防音材を故意に施工していないケースで、一般の人はこれを見つけることができません。
冬場に部屋が温まりにくいとか天井や壁に結露が多くてカビが発生しやすい時は断熱材、お風呂場の音が反対側の部屋に聞こえたり隣の生活音が異常に聞こえたりするのは防音材の施工不良が疑われます。

酷いケースでは、耐火基準を満たしていない材料で施工する業者もあります。
火災が発生しても延焼を防げない構造になっていて、命の危険もあり悪質です。
屋根裏だったり壁をはがさないと確認できないことをいいことに、法令違反と分かっていながらやるんです。
悪徳業者は目に見えない箇所で手抜きをして利ザヤを稼ぎます。

- 大手の業者なら安心という気がしますが?-

(岩山社長)
そんなことはありません。
戸建て・マンションに限らず、上場会社の建築物件でも 断熱材の手抜きなどは よく見られます。

- どうやったらトラブルを防げますか?-

(岩山社長)
入居前の検査をお勧めします。
弊社では、新築建売や中古住宅の瑕疵検査、これから作る場合は全体の監理、また、リフォームの検査や契約書類監査などを行っています。
設計通りに施工していない箇所が見つかったら、業者の責任で 手直しをさせます。




㈱日本建築検査研究所は、全国 多数のマンションの検査で 水漏れや傾きなどの施工不良の原因を突き止めた検査会社として知られ、 施工会社等を相手取った裁判での実績も多数。
マイホーム購入前、慎重を期す方は 同社に問い合わせてみては。


日本建築検査研究所公式サイト

傾斜マンション・杭長の不足が判明(後)

検査を行った㈱日本建築検査研究所代表取締役の岩山健一氏は、今回の調査で初期沈下を認識した上でマンションを販売し、その後も不具合が出て瑕疵を疑う住民に対し虚偽の説明で押し通してきたことについて、不誠実で悪質と批判した。

住民側はこれまで、ドアの開閉が困難になったり建物各所でひび割れが繰り返されてきたことから、売主側に原因の徹底究明を再三申し入れてきた。

売主側は一通りの調査を行い、平成29年12月27日付の報告書で、「杭は支持層以下まで到達していると考えられる」、「建物の傾斜が不具合の原因であることは否定できない」という内容を住民側に伝える。

それに対し、住民側がJR九州マンション事業部の担当者に「今後、建物が傾斜した原因の追究はしないのか」とメールで確認したところ、売主側はそれを認め、以後住民側と協議が行われることはなかった。

困り果てた住民側は同30年5月に補修工事を求めて調停を申し立てたが、売主側から歩み寄ることはなく翌年5月に不成立に終わる。

その後、住民側は日本建築検査研究所の岩山氏とコンタクトを取り、大きな後ろ盾を得ることとなった。

25年もの間、専門的な知識もない住民側は、捏造されたデータ等で「構造上の問題はない」と言いくるめられてきたが、今回の調査結果をもって訴訟を検討中だ。

「負の遺産」を受け継いだ売主側にとって難しい案件と思われるが、マスコミが注目する中で法廷で争うか、それとも瑕疵を認め補償を前提に管理組合とテーブルに着くか、大きな岐路に立たされていることは間違いない。(了)



 

傾斜マンション・杭長の不足が判明(前)

「JR九州を信じて買ったマンションが施工不良と判りショックですが、それ以上にこれまでの対応が許せません。」
福岡市東区の傾斜マンションの住民は怒りが収まらない。

今年2月から㈱日本建築検査研究所(代表者 岩山健一氏)が傾斜原因の調査を行ってきたが、建物を支える杭の長さ不足が立証され、建設時から構造上の問題があることを知りながら販売していたことが明らかになった。

まず、建物を支える基礎杭の調査だが、傾斜が最大の1階地点のベランダ(南)側と廊下(北)側、2ヵ所をボーリングによる支持層までの深さと、磁気探査棒で杭の長さを測定、その結果、南側は支持層まで17.0mに対して杭長が9.7m、(7.3m不足)、北側は支持層まで16.0mに対して杭長11.9m(4.1m不足)という予想以上の数値となり、これまで疑義のあった杭長の不足が証明された。

次に室内の傾斜を調査、傾きの大きい1~5階までの11戸について、梁や床の傾斜角度及び内部の造作物の角度を測定したところ、全戸とも梁と床板が同一方向に傾斜している一方で、ベランダの柱やアルミサッシの縦枠は垂直に、キッチンのシンクは水平に調整して設置されていた。

建設後に不同沈下が起こり建物が傾斜していた場合は、内部の取付物も同様に傾くはずで、このことから建築工事中に初期沈下による傾きを承知していたことが判った。
(続く)

福岡市東区・傾斜マンション④

新事実!手抜き工事

JR九州が主となり販売した「傾斜」マンションであるが、重大な瑕疵と言える新事実が判明した。

㈱日本建築検査研究所が3月1日から始めた調査の中で、「構造スリット(柱際、梁上、梁下などに設ける緩衝材)」が入っていないことが判明、建物は「構造スリット」を入れる前提で構造計算がなされており、当然であるが図面には示されていた。

この他にも、住民は長年結露や黒カビに苦しんできたが、内装工事で断熱材が図面通り施工されていない箇所が幾つも見つかっている。

こうした悪質な「手抜き工事」とも言える事案も次々に明らかになっている。
これらは時効で済まされる問題と言えるだろうか。(⑤へ続く)



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福岡市東区・傾斜マンション①

杭長検査始まる

JR九州の青柳社長は25日、新型コロナウイルスの影響で3月の鉄道収入が50%減となったと発表、収束がいつになるか先の見えない状況だが、九州最大の交通インフラ企業として危機を乗り切り、威風堂々と九州の経済を牽引して頂きたい。

ところで、平成6年の新駅開業と同時期に、JR九州が主となり販売した「傾斜」マンションの原因調査が令和2年3月1日から始まっている。

調査に当たっているのが、これまで2000件以上の欠陥住宅・マンションの原因調査・住民救済を手掛けてきた、㈱日本建築検査研究所(東京都)で、滋賀県大津市の欠陥マンション訴訟に大きく貢献した会社だ。

ちなみに、同裁判は10年にも亘り最高裁まで持ち込まれたが、今年3月、マンションを施工した南海辰村建設㈱に建て替え費用約27億円の支払いを命じる判決が出ている。

マンション傾斜の原因は、基礎となる杭が支持層(構造物を支えることができる地盤)に到達していないことが考えられ、最も沈下していると見られる箇所の杭(3本)の真横をボーリングし杭の長さを確認する予定だ。(②へ続く)



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毎日新聞が報じた「傾くマンション」

弊社が報じてきた、JR九州が販売した分譲マンション(福岡市東区)が傾いている問題を、全国紙の毎日新聞が詳細に取り上げている。

マンションの管理組合は、㈱日本建築検査研究所(東京都渋谷区 代表者岩山健一氏)に基礎杭をはじめとする構造躯体の調査を依頼、同社が3月から調査に入っている。

これまでに2000件を超える手抜き・欠陥住宅の回復、救済を手掛けた実績のある会社だけに、管理組合の期待は高く、調査の結果を見て裁判も視野に入れながら、今後の方針を決めるとしている。

毎日新聞の記事はこちら
傾くマンション…業者が認めたのは22年後 時効の壁と闘う住民たち 福岡https://mainichi.jp/articles/20200305/k00/00m/040/103000c

弊社の記事はこちら
[2020年2月4日] JRブランドのマンションでトラブル
http://www.fk-shinbun.co.jp/?p=24076

[2020年2月7日] 初心を忘れたJR九州
http://www.fk-shinbun.co.jp/?p=24104

[2020年2月18日] JR九州販売のマンションに手抜き工事
http://www.fk-shinbun.co.jp/?p=24143