祭りと補助金

博多の町は古くから海外交易が盛んに行われ、他の地域とは異なって自治が認められており、博多の町の総鎮守として櫛田神社があった。
800年の歴史を持つ祇園山笠の流の一つ、東流が金銭の問題でマスコミの追及を受けているのは事実で、多くの人からの浄財が含まれているだけに、個人が流用した不正があれば、許される問題ではない。
今回の事件の発端は、多くの観光客が福岡市を訪れる事を願い、目玉となる博多山笠の一助になればと、参加者の負担を出来るだけ軽くするために、福岡市役所が出した公金が含まれていたことで、問題が大きくなった。
祭りなどの経費はトップの裁量で、各流によって若干違いがあるのは当然で、四角四面に考えた末の記事と思う。
確かに役所から出たのは公金でも、一度各流に配布された以上は、各町内の「祭り全体の費用」と見るべきではなかろうか。
年長者が若手に慰労の意味を含め飲み代を渡す際、領収証を求めないのが代々引き継がれてきた、悪しき慣わしだったのではないだろうか。
長年に亘って神様の祭を采配してきた長老に、万が一不正があれば責任者個人に天罰が下るはずで、領収証が無く私的流用とみなされたとしても、山笠発展に尽くした過程での出来事で、重箱の隅をつつくような事柄ではなく、不問に付して長年に亘る労をねぎらい、人事を一新して早く出直すのが博多っ子だ。


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博多祇園山笠~東流

博多祇園山笠、博多七流のひとつ「東流」が不正会計処理問題で揺れている。
正規の会計収支とは別に、代表が裁量権を握る裏金の存在が浮上してきたからだ。
「東流」とは、大博通りの東側に当たる旧東町筋沿いで、北からいけば現在の下呉服町から、中呉服町、上呉服町、御供所町、そして博多駅前1丁目までの19ヶ町で構成され、博多七流の中でも最大の規模を誇る。
だがそれだけに、博多の伝統文化である、博多祇園山笠や、博多松囃子(博多どんたく)の運営に際して、集まる寄付金や協賛金が巨額に上っているのは事実だ。
さらに福岡市からの助成金が加わっていることもあり、祭とお金の関係について、いろいろな意見が出ている。
「自分の町内は山笠に参加する人達や、商店・企業さんから頂いた寄付で運営しています。そもそも山笠は神事なので、特にお金にはきれいでなくてはいかんと思います」
「祭やけん、振る舞いやらもいろいろあって、すべてに領収証が揃うわけがない。そこら辺は皆さんわかった上で、支えてこられたと思うんよ」
「東流さんと自分のとことは、運営のやり方が違うけん、何んとも言えんとやけど、流の大きなお金が一ヶ所に集まる組織体制に、もしかしたら問題があったとかも知れんね」
東流が叩かれようばってん、うちんがたも人ごとでは済まされんとよ。きちっとしたもんを早速準備せんと、いつ何時、マスコミから叩かるうかわからん。そげんとこから言うと、東流の代表さんが気の毒やね」

裏金はいけない、さらにその決済が一人の手に握られているのは言語道断。
これを機に、すべての役員が黙認した責を負い辞任し、人心一新を図るのが筋で、今後は輪番制にして責任を明確にすることが大事だろう。

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