新自由主義のための改革か

2012年、橋下徹氏率いる「日本維新の会」が結成された頃は、民主党に失望した国民の期待が高まり、政治を志す多くの若者も橋下氏と共に改革ができると信じて集った。
ところが、当の橋下氏は自分の意のままに政界が動かないことが分かった途端、あっけなく政界を去り、今はコメンテーターとして気ままに活動している。

核がなくなり維新の支持率は急落、テレビに出る国会議員も冴えない面々で風前の灯火だったが、コロナ禍の対応でイケメンの吉村洋文府知事が毎日の様にテレビ出演、お陰で支持率が回復した。
野党共闘で支持率がジリ貧となった立憲民主党ほか、自民に変わる選択肢がなくなった衆院選では、維新が浮動票の受け皿となり想定以上に躍進することとなった。

今年7月には参議院選挙を控え更なる党勢拡大を目指す維新、「是々非々を貫き、既得権益にとらわれない改革政党」というイメージが定着しつつあるが、本当にそうなのだろうか。

馬場伸幸日本維新の会共同代表が12月10日、政治資金規正法違反の疑いがあるとして政治資金オンブズマンに刑事告発されたとの報道があり、村上世彰氏が日本維新の会本部と支部、その他に計2900万円という巨額の寄付を行っていたことが明らかになった。
「村上ファンド」の創設者である村上氏は、敵対的TOBを仕掛けるなど、独自の手法で荒稼ぎをすることで注目された人物で、新自由主義の象徴的存在だ。

新自由主義と言えば竹中平蔵氏がその代表格だが、維新が衆院選の公約で掲げた「ベーシックインカムの導入」も竹中氏が一昨年から提唱していたものだ。
安倍・菅政権の時と違い、岸田政権に対し維新が対決姿勢を前面に押し出しているのは、自民党総裁選の時から「小泉改革以降の新自由主義的政策を転換」と宣言したからに他ならない。

維新は先月、党三役に国会議員になってわずか3年目の若手3人を起用した。
年末の国会では、彼らが舌鋒鋭く総理に迫る姿は格好よく映ったが、竹中氏・村上氏の代弁者であることを思うと、素直に頷けないのである。
結局は新自由主義の継続、資本家に有利、格差拡大を助長するのではないか。

「維新八策」や「身を切る改革」もいいが、その先にどんな未来があるのか、誰が得するのか、明確な答えがほしい。

河野正美氏、自民比例のなぜ

今回の衆院選、自民党比例九州ブロックの名簿に、河野正美氏(60)の名前があるのを見て驚いた方も多いのではなかろうか。

河野氏は、橋下旋風が吹いた平成24年、日本維新の会の公認候補として福岡4区から比例復活で初当選、同26年の選挙も比例復活し、2期5年の間に本会議発言11回、委員会発言130回と 相応の実績は残している。

その一方で、維新の福岡県支部の代表を兼任するも 党勢拡大に全く手を付けず、同29年の選挙で落選すると 即離党し政界を引退、党への愛着や感謝など微塵も感じられなかった。
現在、県内の維新の基盤が弱いのも、当時の河野氏の怠慢によるものと言ってよいだろう。

しかし、落選後も国会への未練はあった模様で、今回の衆院選前に 昔の伝手を頼って自民からの立候補を模索、福岡4区の事情と 某閣僚経験者の押しで比例名簿に滑り込むことができたという噂だ。

そうは言っても、4年前まで他党だった者が自民の比例名簿に載ることは 常識的に有り得ないこと、また河野氏はこれまで自民のために汗をかいたことのない人物ということで、党内の県議・市議から困惑の声が上がっていた。

選挙結果は 幸いにして河野氏まで届かず、再び議員バッジを付ける夢は叶わなかった。
今後 河野氏が自民党のために汗をかく覚悟があるかに 関係者は注目している。

支持率を伸ばす維新

日本維新の会の支持率が伸びている。

創立者の橋下徹氏が離れ、求心力を失ったことで支持率が下降、一時期は内部のゴタゴタもあり、安倍内閣の補完勢力と呼ばれるようになって、昨年末には支持率も1%を切っていた。

しかし、今回のコロナ対策で安倍政権の迷走ぶりが目立つ中、44歳でルックスも備えた吉村洋文大阪府知事の的確な対応が際立っており、同氏のイメージが維新の支持率アップに直結している。

最新の世論調査における日本維新の会の政党支持率は、日本経済新聞・テレビ東京の調査で7%(前回3%)、共同通信の調査で8.7%(前回5.3%)と急伸しており、次期衆院選で比例票を大きく伸ばす可能性も出てきた。

福岡維新の会

「おおさか維新の会」の福岡の拠点として、平成27年12月新しく「福岡維新の会」が設立され、設立記念事業の一環として、前大阪市長だった橋下徹氏を講師に招き、記念講演会が5月15日(日)に市内のホテルで開催された。
始めに九州ブロック選出の衆議院議員、河野正美氏が会を代表して挨拶を行い、福岡市、北九州市の市議会議員の紹介や、参議院比例代表の候補者である、梅村さとし氏などの紹介などを含め、30分程度の挨拶が行われた。
それまで取材のためにいたテレビカメラなどの報道陣は、主催者側の要請で退室させられた後、本日のメインである橋下徹氏が登壇して講演が始まったが、大阪の著名な女性代議士に対するババアの悪口から始まったのには、会場者も大いに笑った。

次から次に機関銃のような喋りで、大阪で行った改革の例を挙げて、都構想へと話を持って行く運びは実に見事であり、あのスピードについて行く大阪市の職員は大変で、橋下徹氏が市長を辞めて一番ホッとしているのは、彼らではなかろうか。

1時間30分の公演時間だったが、硬軟織り交ぜての話は実に上手く、弁護士だけに本職である法廷での発言を、ぜひ聞いてみたいと思った。
主催者である福岡維新の会の代表も、橋下徹氏に完全に食われた格好で、最後は会場を埋めた800名全員の拍手で見送られて上機嫌で退席となり、会は大成功の部類に入ったのではないだろうか。


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