続・国民の金はわしのもの

弊社記事「国民の金はわしのもの(2023年11月30日)」では、立憲民主党福岡県総支部連合(立憲県連)顧問を務める吉村敏男元県議が、令和2年9月の旧国民民主党福岡8区総支部の解散時に 残余金約900万円を 自身の後援会に移し、その後も自身の事務所費等に流用していると書いたが、関係者からかなりの反響があった。

→ 国民の金はわしのもの(2023年11月30日)

立憲県連の幹事会の席で、「記事が事実かどうか確認をするべきでは」という提案があったそうだが 当然だろう。
他の総支部で同じことをした代表者がいれば、集中砲火を浴びて糾弾されるはず。

だが相手が吉村氏、直接本人に尋ねられる勇気のある者はいないと想像する。
おそらく次の幹事会では、吉村氏本人にではなく周囲の関係者に聞き取りをした曖昧な報告があって、誰もそれ以上深掘りせずシャンシャンで終わるのが目に見えている。

吉村氏が自身の後援会に移した900万円を、県連か8区総支部に戻さないまま終わらせるならその程度の組織ということだ。
代表におかれては、一般の議員や党員、県民も注目しているということは忘れず、公平で毅然とした対応を期待したい。

 

立憲顧問、吉村敏男氏とは

さて、本稿では福岡県が毎年11月と3月に公表している政治資金収支報告書を参考にして、更に詳しく、吉村氏の政党資金の使い方と、県連及び8区総支部の権力者としての活動について明らかにしていく。

→ 福岡県公報

その前に、吉村氏がこれまでいかに県連に貢献してきたか振り返ってみる。
元々は飯塚市が合併する前の穂波町の職員、職労活動を経て町議会議員に当選し政治の世界に。
平成11年の県議会議員選挙(飯塚市・嘉穂郡選挙区)で初当選を果たし、同31年に落選するまで5期20年間務めた。

県議3期目の同20年、民主党初の福岡県議会副議長に選出される。
以後は、民主系会派(現在の民主県政県議団)の取りまとめ役として自民党県議団からも重宝がられる存在になる。

自民党県議団との繋がりを誇示することで、会派内で絶対的な地位を手に入れた。
副議長は歴史に名前が残る名誉職で、自民会派にも副議長に就きたい議員が多いはずが、同24年以降、民主系会派から9人の副議長が選出されている。

しかし、「副議長の椅子を貰って骨抜きにされる」「一生頭が上がらなくなる」など批判も少なくない。
副議長の人選は吉村氏が行っているのは周知の事実で、相応のリターンがあるという生々しい話も聞くがここで止めておく。



吉村氏は、県議会での勢いそのままに民主党福岡県連でも発言力を強め、平成19年から民主党県連副代表、民主党~民進党代表代行を歴任した。
特に、松本龍代議士や対立してきた助信良平県議が政界を引退した後は権力が集中、更に同29年の選挙前に元職を含む国会議員らが希望の党と立憲民主党に移ったことで意見する者もいなくなり、民進党県連代表に就任、その後も国民民主党県連の代表に就いている。

我が世の春を謳歌していたが、6期目を目指した同31年の統一地方選挙で落選する。
現職議員しか総支部の役職に就くことができないという内規があり国民民主党県連の代表は辞任するも、なぜか8区総支部の代表(会計責任者を兼任)に居座った。

令和2年9月、旧国民民主党が解党することになり8区総支部も解散、総支部の残余約900万円を自分の後援会に移したのはこの時だ。
総支部解散で無役になりかけたが、新たに設立された立憲県連、及び8区総支部の顧問という肩書を得て、引き続き影響力を保持している。

今もなお権力欲は旺盛で県連内の人事に睨みをきかせているが、昨年佐々木允県議を立憲に入党させたのも吉村氏の意向で、誰も表では反対できなかった。
「やりたい放題で困っているが鈴を付ける者がいない」というのが関係者の本音の様だ。

吉村後援会に流れる資金

前置きが長くなったがここから本題。
福岡県が公表している政治資金収支報告書を参照し、平成27年から令和2年までの6年間で、県連から各総支部に寄附・交付金として支出された額をまとめた。
民主党から民進党、国民民主党と党名が変わっても、各総支部には比較的均等に支出されているようだが、よく見ると吉村氏の福岡8区総支部への寄附・交付金の額が、他の総支部に比べて多いようだ。



次は、同期間の福岡8区総支部の政治資金収支報告書の収支内訳である。
支出内訳を見ると、組織活動費や宣伝事業費はさほど多くない一方、寄附・交付金の額が多いことが分かるが、いったいどこに支出しているのだろう。



そこで、吉村敏男後援会の政治資金収支報告書を参照したところ、福岡8区総支部からの寄附額が記載されていた。
年によって違うが、寄附・交付金総額の半分以上が吉村敏男後援会に移動している傾向があることが分かった。

令和元年が0円になっているのは、落選して政治活動を止めたから。
同2年の 912万2812円の資金移動は、前述の旧国民民党解党時に福岡8区総支部の残余全額を自身の後援会に移したものである。



理解しやすいように、「県連 → 福岡8区総支部」、及び「福岡8区総支部 → 吉村敏男後援会」へ移動した資金の額に、割合の計算式を入れてみたのが下表である。
平成27年から令和2年の6年間で、県連から福岡8区総支部に 2475万3310円支出されていて、県連の寄附・交付金総額 3億3892万4700円の 7.3%を占め、全総支部の中で最も多い。
また、同期間に福岡8区総支部からは、吉村敏男後援会に 1648万5562円が支出されているが、8区総支部の寄附・交付金総額の 67.3%を占めていた。

吉村敏男後援会が6年間で受け取った1648万5562円は、県連が支出した寄附・交付金の総額 3億3892万4700円の 4.9%に当たる。
県連の寄附・交付金の 20分の1が吉村敏男後援会に移っている事実を、これまで関わってきた人々はどう受け止めるだろう。


候補者を擁立しない8区

福岡8区は「直方市、飯塚市、嘉麻市、中間市、宮若市、遠賀郡(芦屋町、水巻町、岡垣町、遠賀町)、鞍手郡(小竹町、鞍手町)、嘉穂郡(桂川町)」の5市7町と広範囲に渡り、本気で党勢を拡大させるにはとてつもない労力と資金を要すると同時に、リーダーの意識が重要になる。

吉村氏が中心となってきた福岡8区総支部には、全総支部の中で最も多い寄附・交付金が支出されていたが、8区総支部の収支を見ても、党勢の目安となる収入の党費・会費は増えておらず、組織活動に力を入れたようには見えない。
宣伝事業費に至っては平成29年からの支出はゼロ、それでも仕事をしたと言えるのだろうか。

対照的に、潤沢に支出した寄附・交付金のうち、約3分の2が吉村敏男後援会に支出されている。
極めつけは、全総支部中、最も予算が配分されているにも拘わらず、平成26年12月の衆院選以降、福岡8区から3回連続で候補者を擁立していないことだ。



今年、衆院選が行われる公算が強いが、福岡8区は空白区で麻生氏の対抗馬となる候補者が決まっておらず、立憲の党本部も立候補者を喉から手が出るほど欲しいはず。
ところが、昨年、党本部の公募に8区内からの公認候補に2人が手を挙げたというのだ、共に不採用となっている。

1人は立憲の元市議会議員の女性、もう1人はマスコミ関係者、共に即戦力になり得る人材と聞く。
もちろん、書類選考や面接等で不採用となることもあるだろう。
しかし、元市議のケースでは、昨年6月に応募、本部も前向きで話がスムーズに進んでいたにも拘わらず、突然「今回はご期待に沿えません」というメールが送られてきたという。

党本部が勝手に決めた訳ではなく、福岡の県連に判断を委ねている。
実は、8区のことなので県連幹部が吉村氏にお伺いを立てたところ、難色を示したため 県連内部で正式な会議を開かずに潰したという話である。
書類選考も面接もなし、志ある者が党本部の公募に手を挙げているのに理由の説明もなく党本部に押し返したということだ。

これが事実だとすれば、立憲県連は民主的な手続きを取らない、党勢拡大より実力者への忖度を優先する組織ということになる。
これで自民党の体質を批判できるだろうか。

ここまで、吉村氏が県連の資金の20分の1を自身の後援会に移動させたことや、
党勢拡大に努めた形跡もなく、衆院選の候補者擁立もして来なかった事実を紹介してきた。
これは立憲県連の内部の問題だが、猫の首に鈴を付けることができる人物がいないのがこの組織の弱いところだ。

忖度は止めてクリーンでオープン、公平且つ自由に意見を言える組織に生まれ変われば、若い人の支持も集まってくるだろう。
今後を期待したい。

ー 了 ー

藤田一枝事務所移転~お疲れ様でした

福岡3区を選挙区として政治活動を行ってきた、民主党の元衆議院議員藤田一枝氏が、次期総選挙への立候補を断念したことで、新しい出発の拠点とする事務所へ、7月1日から移転する案内状が届いた。
福岡県議会議員を経て衆議院選へ出馬、民主党の衆議院議員として活躍し、自民党の太田誠一氏のライバルとして政治活動を行ってきたが、今後はかねてより取り組んできた「女性の政治参画」を掲げ、政治活動を続けて行く模様。

○新事務所
民主党福岡県第3区総支部
住所 糸島市前原中央3-17-20
電話 092-324-6833

藤田一枝事務所
住所 福岡市早良区室見5-7-5-203
電話 092-847-6603 続きを読む

原中まさし候補

福岡市中央区選出の県議会議員定数は3議席で、4年前の統一選挙で県議に初当選した民主党の原中まさし氏は、目下2期目に向けて選挙運動を繰り広げている。
九州産業大学を卒業後、福岡県職員となりその後民主党に入党、元衆議院議員稲富修二氏などと親交を深め、生活の拠点を中央区に決め、「継続は力なり」をモットーに、地道な議員活動を続けてきた。
選挙前になると、人通りが多い交差点に立つ候補者は多いが、前回の当選直後から原中まさし氏は、議員活動の一環として「県議会報告」を毎月発行し続け、臨時増刊号を含めると既に50号を重ね、連日の辻立ちで毎月2000枚を配布している。
派手な活動は苦手なタイプで、コツコツと続けることに意義を感じ、現在では「原中まさし」が中央区でかなり浸透しており、民主党以外にも支持するファンは多く、日頃の活動と努力の積み重ねが今回の選挙で立証されることだろう。
中央区は行政や地域団体などが主催するイベントも多く、それらの催しが公務に差し支えない限り、出来るだけ参加していることで、多くの市民と知りあうことが出来から、気軽に声が掛かる様になったと明るく語ってくれた。
地方議員は公私に亘って姿が見えるのが一番で、今回も当選する事を祈念する議員の一人だ。 続きを読む

新村まさる候補

~若者は走る~

 民主党参議院議員の秘書をしていた際に、議員の使いとして会ったことのある新村まさる氏が、師走も押し詰まった先日、来年春の統一選挙に出馬するための挨拶で来社した。

4年前の選挙に実父は民主党公認で、南区の県議会議員選挙に出馬して当選、ベテランだけに福議長にも就いた経験があり、親子二代にわたって政治に関心を持つ、素晴らしい家計と言って良いだろう。

新村まさる氏は前回の市議選では、実父が教員として勤務した経験のある博多区から立候補したものの、それがいかに無謀なことだったか、落選して選挙運動の甘さを痛感したようだ。

その後は友人の協力を得てNPO法人を設立、自ら理事長に就任し子どもたちの将来を考えた活動を行い、地道に支持者を増やしていったようだ。

南区の長丘小学校区に住んでいることから、長丘2丁目に選挙事務所を開設し、同地区を中心に活動の輪を広げる計画で、一人でも多くの人と挨拶を交わすことを目的に、年末から年始にかけて同地区内を歩いて回る活動予定を聞いて、若さの素晴らしさを思い知らされる。

南区にはベテラン議員も多いが、有権者の高齢化も進んでおり、老人は若者に魅力を感じるもので、育てる意味もあって投票する可能性も高いことから、今回の選挙で議員の新旧交代が行われることも考えられる。 続きを読む

福岡4区

福岡4区は福津、古賀、宗像市に糟屋郡(宇美、志免、須恵、粕屋、篠栗、久山、新宮)7町が加わる広い選挙区で、有権者個人においても福岡市との結びつきは非常に強く、前回の総選挙で当時現職だった自民党候補を破った、民主党古賀たかあき氏が衆議院議員として活動している。

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